固定金利と変動金利、どっちがトク?

マンションを買うときに、物件価格と同様に大切なのが、住宅ローン選びです。30年、35年と長くつきあう商品なわけですから、徹底的に知っておいてソンはありません。今回は住宅ローンの基礎ともいえる、金利タイプについて解説してきます。

●金利が高めの時期に固定金利で借りるとソン!?

まず、住宅ローンの金利には固定金利型と変動金利型、それに固定期間選択型の主に3種類があります。固定金利型は借りたときの金利がずっと変わらないタイプです。景気動向などに左右されず金利が一定なので、返済プランがたてやすく、毎月返済額も変わらない安心感があります。

ただ、世の中一般の金利(これを「市場金利」などと言います)が低めの時期は、その他のタイプの金利に比べて金利水準が高めです。また、市場金利が高めで将来の金利低下が予測される時期に固定金利型で借りると、ずっと高い金利で借りることになり、長期間払っているのに、元本が減らないという状態になってしまいます。

固定金利型の住宅ローンの代表格は住宅金融支援機構と民間の金融機関の提携による「フラット35」です。また、金融機関のローンにも一部で固定金利型のタイプがあります。

●変動金利型でも5年間は返済額が変わらない

一方で、変動金利型は借りた後も市場金利の動きに応じて金利が見直され、適用される金利が上下します。民間金融機関の多くが扱っており、そのほとんどは原則として半年に1回金利を見直します。ただ、適用金利が半年ごとに変わったとしても、毎月返済額は5年間変わりません。

また、変動金利型で5年後に返済額がアップする場合でも、元の返済額の1.25倍までが上限となっています。金利変動で負担が急増するのを避けるための仕組みです。信託銀行では短プラ連動型と長プラ連動型の2種類の変動金利型を扱っていますが、これは基準となる金利が短期金利(短期プライムレート)か長期金利(長期プライムレート)かの違いによるものです。

なお、銀行によっては上限金利付きの変動金利を扱っているケースもあります。市場金利がどんなに上昇しても適用金利が上限金利を超えないタイプで、上限金利が適用される期間が5年のタイプと10年のタイプに分かれています。現在は超低金利ということもあり、この「変動金利」の金利をみて、購入を決めている人も少なくありません。その一方で、変動金利の総返済額は返済が終わってからでないとわからないので、金利が上昇しはじめるいと、将来、返済が苦しくなることも予想されます。

●固定期間が短いほど金利が低い固定期間選択型

最後に、固定と変動のよいところを組み合わせた、固定期間選択型があります。ある一定の期間(3年、5年、10年など)、固定期間を選ぶと、その期間中は金利が固定されるタイプです。固定金利選択型や固定金利特約型などと呼んでいる金融機関もあります。

固定期間の種類は金融機関によって異なりますが、期間が短いほど金利も低くなるのが普通です。固定期間が終わると、その時点の金利で変動金利か固定期間選択型(期間も選べます)かを再び選びます。固定期間選択型を選ぶときは手数料が5,000円程度かかるのが一般的です。ある一定程度、返済計画がたてられますが、こちらも総返済額は返済が終わらないとわかりません。

●金利上昇リスクとの兼ね合いで損得が決まる

どの金利タイプがもっともトクかは、金利の動き、つまり日本や世界の経済の動向によって決まるので現時点ではなんとも言えません。借りるときの金利水準だけで比べると変動金利型や固定期間の短い固定期間選択型が低金利ですが、借りた後で金利が上がると負担が増えてしまいます。金利上昇のリスクを抑えながら今の低金利メリットもある程度生かしたい場合は、異なるタイプの金利を組み合わせる方法も有効です。夫婦などでそれぞれがローンを組む場合は、よく異なるタイプのローンを組み合わせて利用しているようです。

いずれにしろ、民間ローンでは金利優遇キャンペーンを実施しているケースがほとんどです。金利タイプを選ぶときは店頭に表示されている金利(店頭金利)だけでなく、優遇後の金利、また手数料などにも注意して選ぶといいでしょう。

固定金利と変動金利、どっちがトク?
       







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