揺れ動く住宅ローン金利、金利が決まる仕組みを知ろう

長期金利の先高感の影響もあってか、固定金利型の住宅ローンに人気が集まっているようです。一方、ローン金利の上昇や下降両面のニュースも流れています。この機会に住宅ローン金利の仕組みを知っておきましょう。。

 

金利の先高観を持つ人が増えているが、一部で引き下げも…

住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供している固定型住宅ローン「フラット35」の申請件数が、2013年4月~6月期に増加に転じたそうです。その背景には住宅購入件数そのものが増えたことが考えられますが、もうひとつ「金利の先高観」をもつ人が増え、固定型の人気が高まった影響もありそうです。実際「フラット35」の金利は、2013年4月に示した過去最低の1.80%から7月には2.05%と上昇する傾向にありましたが、その後は下降に転じるというめまぐるしい動きを見せています。また、民間金融機関の10年固定型も金利上昇の動きを見せましたが、8月以降は引き下げの動きをみせるなど、揺れ動いているのが実情。「ローンを組むならできるだけ低金利に」という思いは誰もが同じですが、これから住宅ローンを組む場合は固定型、変動型どちらがいいのでしょうか? 正しい選択を行なうために、金利が決まる仕組みを理解しておきましょう。

 

金利上昇が始まっているのはマーケットに連動している「固定型」

住宅ローンの金利は大きく分けて「固定型」、「固定期間選択型」、「変動型」の3タイプがありますが、金利上昇が始まっているのは「固定型」です。「変動型」の金利はほとんど変化がみられません。理由は、それぞれの金利決定の仕組みに違いがあるからです。まず固定型から解説しましょう。

固定型 ⇒ 長期金利(債権マーケットで売買される国債金利)に連動

固定型の住宅ローン金利を左右する長期金利は、景気変動、株価動向、物価上昇、海外市場動向など様々な要因をもとにマーケットで決定されていきます。4月以降の固定型金利の上昇はマーケットで金利が上昇したことが原因ですが、9月時点で長期金利上昇は落ち着きをみせています。ただ、今後のマーケットの動きを予測することはプロにとっても非常に難しいことです。金利変動の波に乗り遅れないためには「金利」「債権市場」「国債」といった言葉に注意を払い、市場金利の動きにも敏感になる必要がありそうです。

 

「変動型」は日銀の政策によって低水準の状態が続いている

一方、変動型の住宅ローン金利は、短期プライムレートと呼ばれる企業向け貸し出し金利と連動するものがほとんどです。

変動型 ⇒ 短期金利(日銀の政策金利がベースになった短期プライムレート)に連動

短期プライムレートは日銀の政策金利がベースになるため、2010年以降続いているゼロ金利政策のもと、史上最低水準の低金利状態が続いています。この4月以降も上昇には転じていないので、変動型の住宅ローン金利にもほとんど変化はみられません。景気回復のための金融緩和政策が変更されるまでには時間がかかりそうなので、低金利状態はしばらく続くものと考えられます。金利変動の動きを予測するためには日銀の金融政策に注意を払っておきましょう。

 

変動型を下回る商品も登場した「固定期間選択型」

中間的な商品である「固定期間選択型」は、金融機関によっても金利の違いがあります。銀行によっては当初3年間固定型の金利が変動型よりも低くなった商品も登場しています。期間限定のキャンペーン的な商品のようなので、継続されるかはわりませんが、各金融機関の動きにも注意しておくと、オトクなチャンスが見つかるかもしれません、

それぞれの仕組みを理解し、マーケットや日銀、金融機関の動きにも注意を払いながら、自分にとっての一番賢い選択を目指しましょう。

 

 

       







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