今さら聞けないマンション用語 構造・工法編

マンション購入を決める前に気になるのは、やはり構造や工法に関すること。情報収集やモデルルーム見学の際に参考にしてください。

 

●壁式構造
おおむね5階建てまでの中低層マンションに採用される構造。板状の壁や床で建物を支える方式で、柱や梁が室内に出ないので空間を効率的に使えるメリットがある。半面、動かせない壁が多くなり、窓を大きく取りにくい面も。

●ラーメン構造
縦方向の柱と横方向の梁で建物を支える構造。主に中高層マンションに採用される。間仕切り壁や窓を比較的自由に配置できるが、柱や梁が室内に出やすい。柱を住戸の外側に配置して室内をスッキリさせるアウトフレーム工法も多い。

●免震構造
地盤と基礎の間に積層ゴムなどの免震装置を設置して、地震による揺れが建物に伝わりにくくした構造。地震のエネルギーを数分の1に軽減する効果があり、大地震でも建物が壊れにくくなるとされている。

●二重床・二重天井
床と天井を二重にして床下や天井裏にスペースを設けた構造。配管を動かしやすいので間取り変更の自由度が高く、将来のリフォームに対応しやすいメリットがある。

●プラスターボード
住戸内の壁や天井の下地材として使われる板。「石膏ボード」とも言う。防火性や施工性に優れ、安価なことが特徴。一般的に板が厚いほど遮音性が増し、壁に用いられるプラスターボードの厚さは12.5mmが標準とされる。

●スラブ
マンションの床のコンクリート部分、床版のこと。スラブの厚みのことをスラブ厚と言い、厚みが薄いと上の階の音が下の階に響きやすい。床の形状や梁の位置などにもよるが、一般的にスラブ厚20cm以上が一定の遮音性を確保できる目安とされる。

●外断熱
建物の外側を断熱材ですっぽりと覆い、外気の気温変化が室内に伝わりにくくした工法。コンクリートに蓄熱作用があるため、比較的少ない冷暖房コストで室内を快適に保てる。またコンクリートが外気にさらされず、耐久性も高まるとされる。

●内断熱
建物の室内側に断熱材を施工する断熱工法で、日本のマンションでは最も一般的に使われている。建築コストを抑えられる半面、コンクリートが外気温の影響を受けるので、外断熱に比べて冷暖房コストが割高になりやすいとされる。

●逆梁(ぎゃくばり)工法
通常は天井から下に吊り下がる形の梁を、床から立ち上がる形に配置する工法。天井部分に梁の出っ張りがなくなり、すっきりとして開放感が高まる。半面、梁が外壁より外側にある場合はバルコニーの奥行きが制約され、眺望が遮られるケースが多い。

●L値
床の遮音性能を示す数値。足音などの重量床衝撃音と、物の落下などの軽量床衝撃音に分けられ、ともに「L-45」が標準となる。数値が小さいほど遮音性能が高いことを示す。

●階高
下の階の床面から上の階の床面までの高さ。階高が3m以上あると二重床・二重天井にしてもゆとりのある天井高(床から天井までの高さ)を確保できる。

●アウトフレーム工法
柱や梁を住戸の外側に配置した工法のこと。室内に柱や梁の出っ張りが少なくなり、居住空間がスッキリとして家具などを置きやすくなる。

●ボイドスラブ
床のコンクリート(スラブ)は20cm程度が一般的だが、これを25cm以上の厚さにして円筒状の空洞を設ける工法のこと。スラブの重量を軽くしながら強度や遮音性能を高めることができ、小梁のないフラットな天井にしやすくなる。

●小梁
マンションの構造で一般的なラーメン構造は縦方向の柱と横方向の梁で建物を支えるが、柱とつながった梁を大梁、つながっていない梁を小梁という。小梁は床スラブのたわみを防ぎ、床の遮音性を高める役目を持つ。

●かぶり厚さ
マンションの柱や梁の材料となる鉄筋コンクリートについて、内部の鉄筋に対してどの程度の厚さでコンクリートがかぶさっているかを「かぶり厚さ」または「かぶり厚」という。例えば表面がタイル貼りの柱や梁は4cm以上(土に接しない屋外部)などが基準となる。

 

ML208012

 

       







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