路線価発表、大都市圏での回復が顕著に

2015(平成27)年1月1日時点の路線価が国税庁から発表されました。路線価は相続税や贈与税の算出に使われるものですが、大都市圏を中心に上昇傾向が加速しているようです。

首都圏1都3県や大阪府が2年連続の上昇

路線価は相続税や贈与税を計算するための基準となるもので国税庁が発表します。2015(平成27)年1月1日時点の路線価は全国平均では0.4%下落、7年連続のマイナスとなりましたが、下落幅は小さくなっています。都道府県別でみると東京(2.1%上昇)と大阪(0.5%上昇)が2年連続の上昇、愛知県は1.0%の上昇で3年連続のアップとなりました。首都圏では、神奈川県(0.6%上昇)、千葉県(0.3%上昇)、埼玉県(0.1%上昇)がいずれも2年連続で上昇するなど、大都市圏を中心に路線価の上昇傾向が強まっています。

■都心一等地での上昇が際立つ結果に

道府県庁所在地の最高路線価の上昇率をみると、首位は東京都中央区の銀座中央通り(14.2%)、以下名古屋市中村区の名駅通り(11.5%)、広島市中区の相生通り(10.2%)、大阪市北区の御堂筋(10.1%)と続き、東京の上昇率が特に高い数値となりました。

東京では、港区北青山の青山通り、新宿区新宿通り、港区新橋の新橋西口駅前広場通りなどが10%を超える上昇率、同じく大阪では天王寺区谷町筋、北区JR大阪駅北側、阿倍野区あべの筋などが10%を超える上昇となっています。上昇の背景にはオフィス需要に加えて、外国人観光客の増加などによる商業地需要もあるようです。

■路線価評価はアップする一方、相続税控除額は減額!

こうした路線価の上昇は相続税に影響を与えます。相続税は相続資産の課税価額(評価額)から基礎控除額を除き、税率を掛け合わせて求められますが、2015(平成27)年からは控除額の計算方法が変更され、課税対象となるケースが増えています。

2014(平成26)年までの控除額計算は「5,000万円+1,000万円×法廷相続人の数」となっていましたが、2015(平成27)年からは「3,000万円+600万円×法廷相続人の数」へと4割の減額となりました。その結果、都市部で一戸建て住宅を所有しているケースなど、相続税の対象となる人が拡がりました。(詳細はこちらの記事を参照)。 

こうした状況のなか、都市部を中心とした路線価の上昇が続くならば、課税対象となるケースがさらに増えるでしょう。相続税対策としては、評価額を相対的に低くすることができるタワーマンションの注目度も高まっています。いざというときに慌てなくてもすむように、事前に路線価や資産額を確認して相続に備えておくことも大切になりそうです。

●国税庁資料 各エリアの路線価図
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