固定型住宅ローン金利、3ヶ月連続で史上最低を更新

固定型の住宅ローン「フラット35」の金利が3か月連続で最低記録を更新するなど、住宅ローン金利の低下が続いています。最新の住宅ローン金利の動きを紹介しましょう。

固定型の金利低下が続く一方、変動型は横ばい

住宅ローン金利には固定型、変動型、固定期間選択型と、いくつかのタイプがあります。固定型として代表的な住宅ローン「フラット35」の2016(平成28)年5月の適用金利が、主力商品の最低金利で年1.08%と3か月連続で過去最低を更新しました。日銀のマイナス金利政策の導入によって長期金利が低下、固定型の指標となる「10年物国債」がマイナス金利となった影響を受けているのです。

一方で、変動型の住宅ローン金利は、メガバンクの最低金利が昨年8月以来変化をしていないなど、横ばい傾向が続いています。変動型住宅ローン金利の指標となる「短期プライムレート」がそれほど低下を示していないことが背景にあります。ただ、各種の条件によって適用される優遇金利は低下傾向にあるほか、ネット銀行などでは変動型金利で0.5%以下の商品も登場するなど、全体としては低い水準が続いています。また、中間的な「10年固定金利型」は3月に主要都市銀行が0.80%とするなど一時低下しましたが、4月にはやや上昇して0.90%となっています。

このように、固定型を中心として金利低下が続いているのが、昨今の住宅ローン金利動向の特徴ともいえるでしょう。

kinri_201605出典:http://www.flat35.com/document/public/pdf/kinri_suii.pdf

固定型金利が1%に近づき、借り換えも急増中

低金利は新規に住宅ローンを使用する人はもちろんですが、既に住宅ローンを返済中の人にも恩恵をもたらしてくれます。現状よりも返済負担を減らすために、低金利の商品に「借り換え」る動きが活発になっているのです。メガバンクなど大手5行の3月の住宅ローン借り換え件数は前年比で3倍以上にのぼるという報道もありました。
「借り換え」によってメリットが得られるのは、一般的には下記のようなケースの場合だとされています。

1)現在支払中のローンとの金利差が1%以上
2)残っている返済期間が10年以上
3)ローン残債が1,000万円以上

「1%、10年、1,000万円」がひとつの目安ですが、固定型の金利が1%に近づいている状況の今、金利差1%以上というメリットを活かせる水準になっている人も多数いることが考えられます。「史上最低の低金利状態を活用して借り換え、毎月の返済額を抑えよう」という動きが活発になっているのです。

借り換えの専用ローンも登場、フラット35への借り換えも可能

こうした中、金融機関からも借り換え専用の銀行ローンも登場しています。例えば、りそな銀行では変動型0.569%、10年間固定型0.550%という商品が登場。また、住信SBIネット銀行では変動型0.497%、20年間固定金利型1.01%という金利条件に加えて団信や疾病保障が追加されている商品も登場しています。固定金利型のフラット35には「借換融資」という商品も用意されています。

固定型か変動型か、金利選択は悩ましい問題ではありますが、現在の負担が軽くなるのであれば、借り換えを検討すべきです。各銀行ではネット上でのシミュレーションも行えるようになっていますので、まずは現在の借り入れ条件を入力して、シミュレーションをしてみるといいでしょう。ただし、保証料など数十万円単位の借り換え手数料が必要になるケースもあるので、トータルでの損得を考えてみることが必要です。

※金利情報は2016(平成28)年5月中旬時点のもの

       







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