日銀の金融政策で住宅ローン金利は上昇する?

日銀が新たな金融政策の枠組みを発表し、長期金利ゼロ%への誘導も打ち出しました。住宅ローン金利への影響を考えてみましょう。

日銀が打ち出したのは「長期金利ゼロ%誘導」

日本銀行は2016(平成28)年9月21日に会議を開き、新たな金融政策の枠組みを決定しました。マイナス金利政策は維持するものの、長期金利の指標となる10年物国債をゼロ%程度へ誘導することを打ち出したのです。

2016(平成28)年の1月からのゼロ金利政策の導入によって、マイナス金利となった10年物国債金利は一時マイナス0.3%程度にまで低下していました。今回の枠組みでは、マイナス金利政策を深掘りすることは見送り、反対にゼロ%程度まで引き上げようという方針です。マイナス金利の副作用を和らげながら金融緩和を継続するという狙いです。

すでに長期金利は一時期よりも上昇し、8月から9月にかけては0%からマイナス0.1%の間を上下する動きを示していました。今後もこの水準、もしくはもう少しゼロに近い金利水準を目指そうという方向です。

すでに9月から住宅ローン金利は上昇中

この新たな政策は住宅ローン金利にも影響を与えそうです。

固定金利型住宅ローンの金利は長期金利と連動して変化しています。固定金利型の「フラット35」の金利は8月に史上最低の水準となりましたが、9月は0.12%上昇していました。メガバンクなど金融機関各行の10年固定型金利などの金利も、8月まで2ヶ月連続で史上最低水準を更新していましたが、9月は0.1%の上昇を示しています。長期金利市場の動きがそのまま反映されているのです。

住宅ローン金利は上昇トレンドへ向かうのか?

気になるのは今後の金利動向。今回の日銀方針によって、すでに一部の長期金利は上昇に転じていますので、10月以降も住宅ローン金利は横ばい、もしくは上昇トレンドへ向かう可能性が出てきました。数年後に振り返ってみると「2016(平成28)年8月が、住宅ローン金利が最も低かった時」となるのかもしれません。

ただ、日銀はマイナス金利政策の深掘りという選択肢も放棄したわけではありません。金融緩和の手段としては残している状況なので、経済動向によっては再び金利低下に進む可能性もあります。新しく住宅購入を考えている方、また住宅ローンの借り換えを考えている方は、日銀の政策決定や、金融市場の動きにより一層注目をしておく必要がありそうです。

金利推移出典:住宅金融支援機構『【フラット35】借入金利の推移