2017(平成29)年基準地価発表、地方中核都市での地価上昇が続く

国土交通省から2017(平成29)年の「基準地価」が発表されました。これは7月1日時点での全国各地の地価を調査したもので、全国商業地の平均は2年連続の地価上昇となり、住宅地の下落率も縮小したようです。詳しくみていきましょう。

地方中核都市の地価上昇率がさらにアップ

「基準地価」は7月1日時点の地価を都道府県が調査したもので、1月1日時点の調査である「公示地価」と並び、公的な地価調査として注目される数値です。全国平均では商業地で0.5%、2年連続の地価上昇となり、住宅地は▲0.6%と下落率が縮小しています。

商業地の上昇率をみると東京圏で3.3%、大阪圏で4.5%、名古屋圏で2.6%といずれも昨年よりも上昇率が拡大しています。さらに、地方中核4都市では商業地が7.9%の上昇を示すなど、商業地・住宅地とも三大都市圏を上回る数値を示しました。

商業地

住宅地

全用途

全国

0.5(0.0)

▲0.6(▲0.8)

▲0.3(▲0.6)

三大都市圏

3.5(2.9)

0.4(0.4)

1.2(1.0)

東京圏

3.3(2.7)

0.6(0.5)

1.3(1.1)

大阪圏

4.5(3.7)

0.0(0.0)

1.1(0.8)

名古屋圏

2.6(2.5)

0.6(0.5)

1.2(1.1)

地方圏

▲0.6(▲1.1)

▲1.0(▲1.2)

▲0.9(▲1.2)

地方圏中核4都市

7.9(6.7)

2.8(2.5)

4.6(4.0)

▲はマイナス、( )内は前年数値。中核4都市は札幌、仙台、広島、福岡

この背景には、海外からの観光客(インバウンド)の流れが地方都市へも及び、各都市中心部の商業施設やホテル用地の需要が急増したことが考えられます。金融緩和による投資マネーの受け皿ともなり、3大都市圏だけでなく地方中核都市での再開発が進むことに繋がっているようです。

商業地上昇率のトップは京都市伏見区深草稲荷御前町の29.6%で、インバウンドの人気スポット「伏見稲荷大社」の門前町にあたります。2位は大阪市中央区宗右衛門町の29.1%、3位名古屋市中村区名駅の28.8%となりました。いずれも店舗やホテル、オフィス需要が急増している場所です。

全国平均では住宅地の下落傾向が続いている

一方で、住宅地の上昇率は東京圏で0.6%、大阪圏で0.0%、名古屋圏で0.6%となり、昨年と横ばいもしくはわずかに上昇幅が大きくなった状態です。住宅地での変動数値を東京圏の都県別でみると東京都が1.8%の上昇、千葉県が0.0%、神奈川県が▲0.2%、埼玉県が0.1%の上昇となりました。東京圏以外の住宅地で上昇しているのは宮城県0.8%、福島県1.0%、愛知県0.4%、大阪府0.0%、福岡県0.5%、沖縄県2.4%。他の道府県では下落幅が小さくなる傾向はみられるものの全国平均では▲0.6%となり、住宅地では地価回復の勢いは強くありません。商業地と住宅地では地価変動率に違いがあることが鮮明になっています。

大都市と地方圏、商業地と住宅地…二極化が進む

少子高齢化がますます進み、すでに住宅が余る時代が到来しています。今後の商業地の上昇傾向は景気変動だけでなく、訪日観光客の増減や海外経済動向にも大きな影響を受けそうです。都市部と地方圏、商業地と住宅地といった動きの違いは今後も続きそうですし、二極分化の動きは強まることも考えられます。地価動向の数値に一喜一憂することなく、自分自身と家族のライフプランにふさわしい住まいの選択を考えていくことが、一層大切になりそうです。






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