二重床・二重天井で長く快適に住める家に

最近のマンションは、二重床・二重天井を採用するところが多いですが、どんなメリットがあるのでしょうか? ふつうは見えない構造部分ながら、マンションの寿命を左右するともいえる重要なチェックポイントです。

出っ張りや段差がなく、遮音性にも優れた構造

コンクリートスラブに直接フローリングやカーペット、ビニールクロスを接合し、上階の床が下階の天井を兼ねているものを「直床」「直天井」といいます。この場合、照明の配線やダクトなどは、スラブの中に打ち込まれています。
これに対して、スラブとは別に床仕上げ材、天井仕上げ材を作り、スラブと床、スラブと天井の間にそれぞれ空間を持たせた構造が「二重床」「二重天井」です。床下の空間には配水管や給水管などが、天井上の空間には小さな梁や照明の配線、換気ダクトなどが収まっているので、床の段差や天井の出っ張りがなく見た目もすっきり。段差がないため、つまずいて転ぶ心配もありません。

また、上階と下階の間は床・スラブ・天井という3層になっているため、上下階の音が響きにくい構造といえます。このほか、断熱性や防湿性にも優れています。

メンテナンスやリフォームも簡単にできる

二重床・二重天井の大きなメリットは、将来の修繕やリフォームがしやすいことでしょう。床や天井に点検口を設けておけば、配管や配線のメンテナンスも容易にでき、設備の寿命も長持ちします。また、天井の照明器具の配置を自由に変えたり、水周りを移動させて大幅に間取りを変更したりすることも可能です。つまり、生活スタイルに応じてリフォームしながら、長く住み続けられるというわけです。

デメリットは、ハイコストになりがちなこと。スラブと床や天井の間に空間がある分、直床・直天井と比べて住戸内の天井高が低くなってしまうので、「階高」(スラブとスラブの間の高さ)そのものを上げなければなりません。すると、工期もコストもかかってしまうのです。

とはいえ、あとでマンションの構造を変えることは現実的には難しいもの。より快適な住まいを求めるなら、ぜひ先にチェックしておきましょう。

       







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