土地の歴史、治安はどうやって調べる?

街を選ぶ際には現在見えている姿からだけではなく、その場所がどんな歴史をたどってきたのかを調べることで分かってくる情報もあります。安全性の観点から、その土地やエリアをチェックする方法を考えてみましょう。

土地の歴史から見えてくる安全性とは?

日本は比較的近代になってから土地の利用形態が大きく変わった場所も数多くあります。東京湾岸であれば芝浦、勝どき、豊洲などは明治初期までは海の中でした。大阪であれば高層ビル建設ラッシュの梅田駅周辺もかつては淀川ぞいの低地で田んぼだった場所。そこを埋め立てたから「梅田」になったと言われています。

このような昔の土地の状態は地名に現れていることが多く見られます。よく知られているのは「水」に関連する文字、「川、江、谷、池、潮、波・・・」などが含まれている土地は過去に水との関わりが深かった場所であるという法則。たとえば「渋谷」駅は谷の底にあたる地形で、都市開発が進んだ今では目には触れることはありませんが、街の下を渋谷川が流れています。「水」以外にも「桜」は「裂けた土地」、「梅」は「埋めた土地」であったという分析もできるようです。
いずれにしても、地名は昔の人々がその危険性を後世に知らしめるために記号として残した、と考えることもできるでしょう。記録に残された災害の情報や科学的な調査に加え、こうした土地の歴史や古地図情報を踏まえて作成されたのが、液状化や水害の危険性を示したハザードマップとも言えます。

ハザードマップに掲載されている情報よりも詳しい経緯を調べようと思ったら、地元の図書館を訪ねてみるといいでしょう。風土誌や地域の歴史書、古地図を閲覧できるかもしれません。古地図では川や池など、今は姿を変えてしまった過去の土地情報も確認することができる可能性があります。古地図は都道府県の図書館などで閲覧できることが多いので、事前に確認の上訪ねてみてはいかがでしょう。

地域の治安はどうやって調べる?

安心して暮らせる街を得選ぶためには、災害だけではなく犯罪に対する備えにも注目しておく必要があります。特に子どもがいるファミリーにとっては大切なポイントになります。最近では、過去に発生した犯罪による注意情報を警察や自治体が公開するようになってきています。

たとえば東京都の場合は警視庁が「犯罪情報マップ」を公開しています。ひったくり、車上狙い、侵入窃盗などの発生件数をもとにして細かなエリア別にチェックすることができますので、治安情報の貴重な参考になりそうです。各道府県でも同様の情報提示を行っており、交通事故発生状況、不審者情報などを公開しているサイトや、スマートホン対応のサイトも登場していますまた、メールアドレスを登録しておくと不審者情報をリアルタイムで発信してくれる警察署も増えてきていますので、こうした治安情報も有効に活用しましょう。

実際に街を歩いてみることも重要

また、実際に街を歩いてみることも大切です。「痴漢に注意」「ひったくりに注意!」といった看板があるということは、以前に犯罪が発生している可能性が高いということ。また歩いてみることで、平面の地図ではわかりにくい土地の高低差も体感することができるでしょう。そうすれば水害の可能性だけでなく、日常生活に影響のある坂などもチェックすることができるはず。現地見学を兼ねて、ゆっくりと時間をかけてフィールドワークをしてみてはいかがでしょうか。

警視庁 犯罪情報マップ http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/toukei/annai/map_annai.htm

埼玉県警 事件事故発生マップ http://webmap.police.pref.saitama.lg.jp/machikado/webmap/infopage.html

千葉県警 暮らしの安全マップ http://www.police.pref.chiba.jp/safe_life/gis/

神奈川県警 街頭犯罪等発生マップ http://www.police.pref.kanagawa.jp/map/crime/html/mesd0801.htm

       







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