倉庫街というイメージが強い品川区勝島エリア
居住地としての開発が急速に進行中!

2019年6月14日

大規模な倉庫群が並び、比較的地味なイメージがあった品川区勝島エリア。京急線と東京モノレールに挟まれた交通アクセスの利便性の高さや、新たなショッピング施設の誕生により、近年、マンションが続々と誕生。湾岸地区のレジデンスエリアとして注目を集めている。

倉庫の街から住まいの場に進化を遂げつつある勝島の今

品川勝島エリアの計画図品川勝島エリアの計画図
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品川区勝島は区の南東部にあり、埋め立てによって誕生した人工島だ。京急線「鮫洲」駅から「大森海岸」駅間の線路の東側、東京モノレールとの間に位置している。1949(昭和24)年に埋め立てが完了したこの島は、「大井競馬場」や「しながわ区民公園」のほかは、おもに倉庫街として使われていたが、近年は、新しいマンションが建てられ、街のイメージが変わりつつある。
2014(平成26)年2月には、長谷工コーポレーションと日本貨物鉄道による「ブランシエラ品川勝島フレシア」が竣工。この物件は好評のうち3ヶ月で完売しており、現在は引渡しも済んで、新しい暮らしが始まっている。東急不動産も356戸の「ブランズシティ品川勝島」を分譲中。さらに大成有楽不動産と長谷工コーポレーションによる「オーベルグランディオ品川勝島」452戸の分譲もまもなく開始される予定という。近隣では「公務員宿舎勝島町住宅(仮称)」の整備も進められおり、ここ数年で約1400世帯がこの街で新しい暮らしをはじめることになる。

間もなく分譲が開始される「オーベルグランディオ品川勝島」間もなく分譲開始予定の
「オーベルグランディオ品川勝島」
「公務員宿舎勝島町住宅(仮称)」の建設予定地「公務員宿舎勝島町住宅(仮称)」の
建設予定地
ヴィラ大井ウィラ大井

こうした勝島エリアの開発を支える生活インフラも整備されている。2009(平成21)年には複合ショッピングセンター「ウィラ大井」がオープン。毎日の買い物も勝島エリア内で可能になり、街は更に賑わいを増している。

勝島エリアの北は今後の都市整備が期待される品川エリア

品川~勝島エリアの開発計画の位置図品川~勝島エリアの開発計画の位置図
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勝島エリアの北に広がる品川エリアは、今後の開発計画が目白押しとなる注目スポットだ。東京都では「品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドライン2014(案)」を策定。「品川」駅周辺を「これからの日本の成長を牽引する国際交流拠点」として位置付けている。このうち「品川」駅西口地区の将来イメージは「国際業務・MICE空間や文化交流施設と高質な商業・居住等の複合空間」とされた。具体的には多国籍企業のオフィスや国際会議場、ハイセンスなショッピング施設などが整備されることになるだろう。

さらに、2020年東京五輪開催決定も相まって、「品川」駅自体も「世界と日本各地からの人々を迎え入れる交通結節点」を将来イメージに、交通アクセスの整備が検討されている。現段階の構想では、京急線の「品川」駅をJR線と同じレベルに移しホームを増設、「品川」駅西口の駅前広場を拡張し、さらに環状4号線を延伸することなどが盛り込まれている。また、駅全体を繋ぐ空間はユニバーサルデザインで統一し、多国語言語によるデジタルサイネージなどによる標識を充実させるという。「品川」駅はリニア中央新幹線の始発駅となる計画で、拠点性がさらに増すことは間違いない。

勝島エリアは、天王洲エリア・東品川エリアを経て、今後の再開発が注目されている品川エリアとつながることになる。近年にあっては流通倉庫の集積する地区として重要な機能を果たしてきた天王洲も、元倉庫をリノベーションするプロジェクトが動き出すなど開発の動きが活発化してきた。品川シーサイドエリアでは複合都市開発により「品川シーサイドフォレスト」が誕生し、快適で利便性の高い街となった。東京湾岸全域において人の流れや景観が大きく変わろうとしているこの波は、勝島エリアにも例外なく押し寄せるのではないだろうか。

水と緑に囲まれ都内有数の好環境も魅力となる勝島エリア

倉庫街というイメージが強い品川区勝島エリア<br />居住地としての開発が急速に進行中!京浜運河(勝島と八潮を結ぶ「かもめ橋」より)

一方で、運河に囲まれている勝島エリアは、水と緑に親しめるスポットも多い。勝島運河沿いには遊歩道が設けられ、心地よい風を感じながらの散策が楽しめる。勝島エリアの南には区立公園としては最大規模を誇る「しながわ区民公園」が広がり、イルカやアザラシなどが人気の「しながわ水族館」や屋内プールなどが整備されている。京浜運河の対岸にも45万平方メートル以上の面積を持つ都内有数の大規模公園「大井ふ頭中央海浜公園」があり、スポーツやバードウォッチング、釣りなど多彩なレジャーが楽しめる。

交通アクセス、生活利便性共にすぐれた都心・品川区にありながら、運河や緑豊かな大規模公園のおかげで開放的な風景が広がり、ゆるやかな時間も楽しめる。都心としては希少な好環境に恵まれているといっていいだろう。

大井ふ頭中央海浜公園大井ふ頭中央海浜公園
品川区民公園しながわ区民公園

数か月・1年という短い期間でみるみる表情を変える湾岸エリアの中でも、先駆的に開発されてきた勝どき・晴海・豊洲・有明などは、東京五輪の開催地と近接することもあり、地価が軒並み上昇している。そうした流れの中で、勝島エリアはこれまで住まいの場としてはそれほど注目されていなかったことから、マンションは比較的お買い得という。競合が多い湾岸エリアの中で、前述の「ブランシエラ品川勝島フレシア」が即完となったのにはこうした理由もあげられるだろう。
勝どき・豊洲のようにタワーマンションの建築が相次ぐという状況ではないが、逆に穏やかな雰囲気を残すこのエリアの状態が、ファミリー世帯にとっては好ましい条件を備えているといえるのではないだろうか。新しいマンションが誕生しつつある今が、勝島エリアを住まいの場として選ぶチャンスかもしれない。