石臼挽 手打蕎麦司 沢畔

浦和区近辺は、蕎麦屋さんの激戦地だそうだ。確かに歩いていると新旧様々な蕎麦屋の看板が目に付く。さいたま市役所近くの、比較的新しそうなお店「沢畔」の暖簾をくぐってみた。

シンプルでモダンな店構えではあったが、店主は都心で長く修行経験を積んだ、蕎麦職人であった。蕎麦は細打ち10割蕎麦。北海道、東北、北関東、長野、岐阜など各地から取り寄せた玄蕎麦を、毎朝店内にある石臼で自家製粉している。

東京で20年修行したという店主は、五感をフルに使って蕎麦を打つ。ガラス張りの作業場所なので、その職人技を店の外から眺めることができる。ひとこねする度に蕎麦の声に耳を傾け、その日その蕎麦のコンディションに合わせて打っていくという。

飾り過ぎない蕎麦を目指して、香りと甘みを十分ひきだすために、蕎麦粉の粗さにこだわる。そんな店主の細打ち・十割の手打ち麺は、十割とは思えぬなめらかなのど越しを味わえる。蕎麦に合うよう、つゆの濃さやつまみの味を調節し、お酒も厳選しているという、蕎麦好きにはたまらないお店である。

昼時を過ぎていたからか、店内は割りと静かですぐテーブルに着くことができた。勢いよくソバをすする音が聞こえ、おなかが鳴ってしまった。

さっそくランチメニューを眺める。「辛味大根おろし蕎麦(1000円)」や「浅利佃煮の生卵がけミニ丼とせいろそばのセット(900円)」など、食欲をそそるメニューが気になったが、「梅とお豆腐のせそば」を注文してみた。

待っている間、店内を見渡してみる。店には4~6名がけのテーブルが5つ。静かで落ち着いたインテリアで整っている。暗めの店内を味のあるライトが飾っている。昼間からでもお酒を飲めるよう、雰囲気作りになっているのだろう。トイレはKAWAYAと書かれ、目立たない扉になっている。

程なくして「梅とお豆腐のせそば」が運ばれてきた。ラーメンのような盛り付けだが、梅と豆腐だけでなく、みょうがと海苔と鰹節、そしてそれぞれを、いろいろな組み合わせで味わえ、飽きずに楽しむことができる。まず蕎麦のみを、つゆにつけいただいてみた。キリリと冷えていて、かみごたえがあり、蕎麦の香り豊かな麺が美味しい。つゆの塩梅も丁度良く、洗練されていることが伺える。次に梅と豆腐をほぐし、麺と一緒に口に運ぶ。細麺に梅と豆腐、そしてつゆがよく絡みあっている。つぎはみょうがとおかか、海苔とみょうが、海苔と梅…組み合わせた薬味と力強い蕎麦の風味を堪能し、あっという間に平らげてしまった。

最後に、蕎麦湯をいただく。とろみがあり、白くにごっている。ここに、ビタミンB1やB2、脳出血などに効果があるといわれている「ルチン」などが溶け込んでいるのだ、などと考えながら、そばつゆを足し、一口すする。なんと、こくと深みのある蕎麦湯なのだろう、と感心する。とろみのせいで、冷めることなくあつあつの蕎麦湯は、見事に満腹感を安心感に変えてくれた。

蕎麦へのこだわりだけでなく、そこに合わせるつゆ、お酒・肴、そしてインテリアまでもこだわりぬいたお店がここ沢畔である。最高の満足感で、お店をあとにした。

石臼挽 手打蕎麦司 沢畔
所在地:埼玉県さいたま市浦和区仲町4-10-13 
電話番号:048-837-8723
営業時間:11:00~14:00 17:00~21:00
定休日:月曜日
駐車場:あり (2台) 無料 ※場所はお店を出て右手30m横





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