侠竹林

“ある映画との出会いが、料理人を志したきっかけです”と語るのは「侠竹林」のオーナー、髙田氏である。それは、飛行場の片隅で働いている職人を映したシーンだった。一朝一夕では身につけられない技術を有する職人という存在に、若き日の髙田氏は憧れを抱く。

“技術を有する“という意味では、料理人も職人であることは変わらない。学業修了後、髙田氏は「銀座アスター」に就職。そして現在にいたるまでの約40年間、中華料理を舞台に活躍してきた。独立は20年ほど前に遡り、南浦和から現在の場所へ移ってきたのは2010(平成22)年のことである。

浦和という街について髙田氏に問うと、街並みだけでなく、そこで暮らす人々も大きく変わったとのこと。若者の活躍できる環境づくりに努めながら、新しい発想を取り入れる。それが街の活力にも繋がっているのだ。在地の人間だけで担ぎ手が足りるという祭りを見ても、緩やかに、かつ着実な世代交代が進められていることが窺える。

「侠竹林」の周りにも、昔ながらの飲食店に混じって小粋な佇まいの店が増えている。こうした新旧の調和も、街の魅力に含まれるのではなかろうか。ランチタイムはクラシック、夜になるとジャズがBGMに流れる「侠竹林」も、現代的なエッセンスが多分に含まれていると言えるかもしれない。

「侠竹林」で人気があるのは、季節ごとに変わるコース料理だ。「お昼の飲茶セット」をはじめ、2名専用の「ペアメニュー」や3名専用の「仲良しパック」、1名から注文できる「おまかせセット」などがある。取材では「おまかせセット」を頼むことにした。

前菜4種盛り合わせ、特製シュウマイ、冬瓜とココナツミルクのスープ、黒米のおこげとホタテの梅酢あん。そしてスペアリブとジャガイモの香草炒めに白身魚のウニソースで3,140円。そこに650円を追加して、麺とデザートを加えることもできる。酸味で清涼感を演出しようと、夏期の「おまかせセット」には自家製の梅干を使った料理も含まれる。

コース料理だけでなく、アラカルトも充実していることは言うまでもない。特に「シュウマイ」は、ぜひ味わうべき創業時からの一品だ。料理人として、これまで“個”を皿で表現しようと努めてきた髙田氏であるが、月日とともにその構えは、より自然なものに変わっていった。落ち着きのある音楽に包まれながら、その自然体を感じ、そして味わいたいものである。

侠竹林
所在地:埼玉県さいたま市浦和区東仲町10-1 スカイフィールドB1
電話番号:041-881-1328
営業時間:11:30~14:30,17:30~22:00(日曜は21:30まで)※L.Oは閉店の30分前
定休日:火曜日





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