長崎亭

長崎亭
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本場の長崎郷土料理が味わえるため、長崎県出身者から支持されるばかりか、その味を求めて関東一円からの来店客があるという「長崎亭」を訪れた。東武鉄道東上線「志木」駅から徒歩数分、柏町5丁目の信号横に掲げられた大きな「長崎ちゃんぽん」の看板が見えてくる。そこにたたずむ赤い窓枠と西洋風のアーチが描かれた店こそ、その「長崎亭」である。

長崎亭
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「長崎亭」の人気の秘密は、どうやらご主人 古賀宏さんの料理の腕と女将さんの秀子さんの明るさにあるようである。それを確認すべく、期待を秘めて扉を開ける。

長崎亭
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店内は異国情緒満点。壁には長崎のさまざまな名所のポスターが貼ってあり、天井からはお祭りの提灯や凧が飾られ、棚には大皿やクラシックなランプ、ギヤマンなどが並び、長崎の中華街に来たような華やかさに溢れている。

長崎亭
長崎亭

上りに3テーブル、中央には10名ほど座れそうな広い椅子席用のテーブルが置かれている。光沢あるテーブルにはステンドグラスを通して入ってくる色とりどりの光の影が天井のクラシックなライトが映っていて、時間が経つのを忘れさせてくれる空間にとなっている。

長崎亭
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窓辺に飾られているステンドグラスは、なんと200年以上も前の物。それを枠に入れたまま、大切にディスプレイしてあるのだという。そのおかげで、店に訪れた客は200年前と同じ光に包まれることができるのだ。ステンドグラス一点一点の周りには植物や花器、クラシックビールなどが置かれていて、同じデザインのステンドグラスでも見る場所によってイメージが変わるのも面白い。

長崎亭
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さらに、店内には古い電話やラジオ、大小20数個の時計が飾られていて、古い電話は小学校の教材として貸したことがあるほど古い物だそうだ。そういった長い時代を経てきた“物たち”に囲まれながら、長崎から仕入れた本物の具材でつくられる「長崎ちゃんぽん」「長崎皿うどん」を味わえる幸せ。まさに至福だ。

長崎亭
長崎亭

店内に20個以上置かれているアンティークな時計たちは、一つを除いてすべて11時2分を指している。

この時間は、1945(昭和20)年8月9日にアメリカによって原子爆弾が長崎に投下された時間。ご夫婦ともに長崎県出身で、宏さんは爆震地から20キロ離れた諫早市で被爆者をリヤカーに乗せて救護所に運ぶ手伝いをし、秀子さんは原爆投下の前日に疎開したものの乗った列車が機銃掃射を受け、周囲の人が亡くなるのを目の当たりにしたという経験をもっているため、お二人にとっては忘れることのできない時間なのである。秀子さんは今でも毎日11時2分になると、原爆や戦争で亡くなった人々を思い、黙祷をされているという。ある時計の下には「悲劇の日 忘れられない60余年 止まったままの11時2分」の文字が貼られていた。

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志木市のitot


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