ビストロ ペイザンヌ

柏市の名店散策:ビストロ ペイザンヌ
柏市の名店散策:ビストロ ペイザンヌ

意外にも、千葉県は全国でも優秀な農産地。人口38万人を抱えるこの柏市でも、近郊には立派な野菜の産地がここかしこに見られます。そうした柏近郊の新鮮な野菜をおいしいフランス料理に仕立てて食べさせてくれるのが、東葛通り商店街に店を構える「ビストロ ペイザンヌ」です。生まれも育ちも東葛地域のシェフは、このあたりの野菜の質を知り尽くした実力派。ヘルシーで安心できる野菜をたくさん食べられるせいか、ランチタイムはいつも近所の女性たちで埋まり、賑やかなおしゃべりがこだまします。

ビストロ ペイザンヌ
ビストロ ペイザンヌ

店内の内装は、異空間に迷い込んだような、なんだか不思議なムード。異空間というよりは、感覚としてなじみはあるけれど、それが何なのか思い出せないと言ったほうが正しいかもしれません。緑が基調となっている壁、天井には白い楕円形のオブジェ。それでもなんとなく落ち着くのは、たっぷりの明るい日差しが入るせいもあるのでしょうか。

ビストロ ペイザンヌ
ビストロ ペイザンヌ

ビストロ ペイザンヌにはいくつかのランチコースがありますが、その中で最も人気が高いのが2,100円のコース。前菜、スープ、メイン、パン、デザート、ドリンク。手ごろな価格です。せっかくなので、フルーティーなグラスワインを片手に、深呼吸でもするようにゆったりと料理の到着を待ちます。

ビストロ ペイザンヌ
ビストロ ペイザンヌ

まずは前菜。爽やかなガラスの器の上には、肉に魚、そしてたっぷりの野菜と、4種類の料理がミニポーションで並んでいます。繊細に盛りつけられた料理に、思わずうっとり。口に運んでからも、その“うっとり”は続きます。肉料理の「パテ・ド・カンパーニュ」は、“田舎風パテ”の名のとおり、シンプルな味わいがワインに合う一品。上に乗った自家製ピクルスの酸味が、全体をやさしく引き締めています。その左側の湯むきトマトとキュウリの盛り合わせは、次に食べる料理に対しての口直し的な意味合いもあるのでしょうか。

そのまた左側にあるのは「カツオのスモーク サラダ仕立て」。香りの良いチップで燻されたカツオ、みじん切りのタマネギに、意外や意外、の海ブドウ。和寄りの食材が多いのに、しっかりと洋風の味付けになっているところがグッド。これがボウル一杯出てきたといても、ペロリと食べられそうです。そして左端、「カリフラワーのムース コンソメゼリー添え」。ムースはあっさりとしたまろやか味わいで、これだけでもおいしいもの。コンソメゼリーが加わると、塩気がプラスされ、パンチの効いたテイストに変身。1杯で2度おいしい一品です。

ビストロ ペイザンヌ
ビストロ ペイザンヌ

それぞれに小技が効いた前菜の次に出てくるのは、スープ。この日は「根セロリの冷たいポタージュ」です。根セロリとは、セロリの白い部分のこと。青臭みがなく、それでいてセロリのさわやかさは残っている絶品スープです。舌触りもなめらかだし、これはセロリ嫌いの人に「何のスープかわかる?」と食べさせてみたくなってしまいます。たぶん多くの人が「おいしいけど……何のスープなの?」と言うに違いないでしょう。

そんな想像をしている間に、メーンが登場。いくつか選べるプリフィクス・スタイルのうち、魚料理にしてみました。「イトヨリとスズキのソテー キノコのクリームソース」。寄り添うように盛りつけられたイトヨリとスズキは、それぞれ1切れずつがほかの店でのメーンになるくらいの大きさで、思わず息が止まってしまいます。

ビストロ ペイザンヌ
ビストロ ペイザンヌ

このボリュームたっぷりのソテーを飾るのは、クリームタイプのキノコのソース。そして魚の背後には、噂の、柏近辺の産地で採れた野菜のソテーが待ちかまえています。あまりにも彩りが鮮やかなので、何種類あるのだろうと数えてみると……ナス、カリフラワー、ニンジン、大根、インゲン、ヤングコーン、オクラ、ゴボウ、カブ、ズッキーニ、アスパラガス。数え漏れているものもあるかもしれませんが、わかるだけでもこれだけが入っています。地場野菜なので、味が濃く、何より新鮮です。

ビストロ ペイザンヌ
ビストロ ペイザンヌ

特別な契約でもしているのかと思ったら、「その地の直売所で買ったり、特に××さんのものでなくてはダメ、ということはありません」とシェフ。特に契約せずともこれだけおいしいものが食べられるのは、まさしくシェフの腕の良さと、千葉の土が育む野菜の素晴らしさにほかなりません。イトヨリもスズキも肉厚で、皮はパリッと、中はジューシーに焼き上がっています。これに秋の恵みのキノコソースをつけ、野菜とともに食すると、一足早い収穫祭がやってきたような感覚を楽しめました。

メーン料理までのすべてに手が込んでいるビストロ ペイザンヌでは、もちろんデザートも手抜かりナシ。こちらも3種の盛り合わせとなっており、この日はイチゴのシャーベット、マンゴープリンの生クリーム添え、南国の果物が入ったフルーツカクテルと、女性客が大喜びするラインナップとなっています。よく見ると、デザートも「青果」として野菜と並び称される果物をたっぷり使ったものばかり。ラストまでヘルシー感たっぷりの、素敵なランチタイムでした。

ビストロ ペイザンヌ
ビストロ ペイザンヌ

食後のドリンクを飲みながら、改めて店内を眺めてみると、緑の壁と反対側の白壁に見える細長い模様が、いきなり“葉脈”のように見えてきました。緑の壁は茎か森で、天井の楕円形は葉っぱ……?
そうか、ビストロ ペイザンヌの店内は、植物をモチーフにしているのかもしれません。遅すぎる発見を確認するべく、シェフに尋ねてみると、「野菜をメーンにした店なので、森を彷彿させるような内装にしてみました。言うなれば、この森の中で、お客様は“虫”にでもなった気分で野菜をたくさん召し上がっていただけたら、と思いまして」。なるほど、うまい表現です。料理をする人ならわかりますが、虫は農薬に侵された野菜には見向きもしません。本来の味がする新鮮な野菜しか食べないのです。それだけ、提供している野菜の質に自信を持っているのでしょう。生鮮食品についても恐ろしいニュースが耐えない昨今、安心して食べられる野菜を上質な料理にしておいしく食べさせる店は希少かもしれません。

ビストロ ペイザンヌのディナーコースは3,675円から。ビストロの名が冠されているように、アルコールとアラカルトでも歓迎してくれるのが嬉しいところ。今度は夜にアラカルトをオーダーし、こちらも手ごろな価格のワインとの組み合わせを試してみると、野菜のまた違った味わいを発見できる気がします。

ビストロ ペイザンヌ
ビストロ ペイザンヌ

ランチコースA…1,470円、B…2,100円、C…2,730円、D…3,675円
グラスワイン…525円~

ビストロ ペイザンヌ
所在地:千葉県柏市旭町2-5-1 リッツヴィラ柏B
電話番号:04-7144-3228
営業時間:11:30~15:00(L.O.14:00)、
18:00~22:00(L.O.21:00)
定休日:水曜日





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