流山市立西初石小学校 インタビュー

流山市立西初石小学校
校長 野﨑肇子先生

好環境を背景に児童数が年々増加
小中高連携で子どもたちの主体性を育む

つくばエクスプレスの開通に伴い、急激な宅地化が進んでいる流山おおたかの森・初石エリア。都心から約20分という交通利便性を備えながら、公園や森が点在する緑豊かな環境に恵まれている。子育て・教育環境を充実させている流山市の施策もあって、子育て世帯を中心に高い人気を集めているエリアだ。開校から37年目を迎えた「流山市立西初石小学校」では、こうした好条件を背景に児童数が年々増加しているという。野﨑肇子校長先生に、同校が目指す子どもの姿や多彩な教育活動について伺った。

まずは学校の沿革や教育方針についてお聞かせください。

流山市立西初石小学校
流山市立西初石小学校

本校は1977(昭和52)年に「流山市立新川小学校」と「流山市立八木北小学校」の分離校として開校しました。流山市では「学力・気力・体力」の充実を教育目標に掲げて各施策を行っていますが、本校もそれに沿うかたちで、21世紀を生き抜くための「自立」、そして誰かのために何かをしようという「貢献意識」を育むことを目指しています。

流山市立西初石小学校 インタビュー
流山市立西初石小学校 インタビュー

学校教育目標は「知・徳・体の調和のとれた、人間性豊かなたくましい子どもの育成」です。昨年は徳育を柱にしてあいさつ運動などが成果を挙げたため、今年度は学力向上を一番の柱にしました。知識・理解ももちろんですが、実践に役立つような創造的な思考力や活用力を身につけてほしいです。 全職員が「チーム西初」としてお子さん一人ひとりの支援・指導にあたり、保護者の方や地域の方とやりとりさせていただきながら、お子さんにとって最良の教育をお互いに話し合いながら作っていきたい。それに向けて常に改善に取り組んでいく努力自体が一番大事な教育活動であろうと思っております。

開発の盛んな地域にありますが、児童数の現状や見込みについて教えてください。

流山市立西初石小学校 花壇
流山市立西初石小学校 花壇

2014(平成26)年度の児童数は650名で、特別学級を含めて計21学級の中規模校です。児童数は次第に減少していたのが2003(平成15)年頃から微増傾向にあり、ここ数年は600~650名ぐらいで推移しています。今後5~10年ぐらいはこのまま児童数が伸びていくのではないかと推測しています。増加の原因としては、つくばエクスプレスの開通、周辺の宅地化が進んでいることなどが挙げられます。また、流山市が“都心から一番近い森のまち”“母(父)になるなら、流山市。”などと謳っていることなどから、これからお子さんが育っていく環境として選んでいただいているのではないでしょうか。

文部科学省の英語科拠点地域に指定されていらっしゃいますが、英語学習にはどのように取り組んでいらっしゃいますか?

流山市立西初石小学校 月の英語が学べる階段
流山市立西初石小学校 月の英語が学べる階段

今後の5・6年生の英語科必修に向けて、3・4年生から年間を通じて外国語学習を行っています。今年度は3~5年生が「外国語活動」、6年生が「英語科」として学んでいますが、一番意識して取り組んでいることは、子どもたちが楽しみながら英語で会話をしてみたいと思ってもらえるような環境作りです。階段に英単語を貼ったり、各教室の入り口に「〇〇 room」といった英語の表示をつけたり。児童が職員室に入る時は、「失礼します」を「May I come in?」と英語で言わせて、先生にも英語で答えてもらっています。各教室の隅には先生が英語で子どもたちに声をかけられるように英文が貼ってあるんですよ。

流山市立西初石小学校 書道
流山市立西初石小学校 書道

また、3年生のクラスにはマジックテープで取り外しができる、アルファベットの大文字と小文字を頭文字にしたキャラクターがあるなど、子どもたちにゲーム感覚で英語に興味を持ってもらえるようにしています。このほか、英語活動指導員や流山市のスーパーバイザーに授業に入っていただき、教員の研修などにも力を入れています。

「マスまるタイム」や少人数指導・算数サポートなど、算数の力の向上にも力を入れていらっしゃるそうですが、具体的にどんな取り組みなのでしょうか?

流山市立西初石小学校 廊下
流山市立西初石小学校 廊下

本校では朝学習の「ぐんぐんタイム」で曜日ごとに読書や漢字の書き取りなどに取り組んでいますが、「マスまるタイム」は水曜の「ぐんぐんタイム」とお昼の掃除の時間を使って実施している計算練習です。「mathematics(マスマティクス)」と「〇」から名前を付けました。担外が朝と昼に4クラスを順に回る“出前方式”で行い、子どもたちがプリントの計算問題を解くそばから正解に〇をつけていきます。子どもにとって計算力というのは学力の伸びがわかりやすいですし、〇をいっぱいもらうともっと頑張ろうという気持ちになります。

流山市立西初石小学校 学習成果等が見られる掲示板
流山市立西初石小学校 学習成果等が見られる掲示板

少人数指導・算数サポートでは、担任と算数サポートの教師とのTT(チーム・ティーチング)で授業を行っています。5年生に関しては教務主任も入り、3クラスを習熟度別に4クラスに分けて教えています。また、5・6年生では複数の科目で教科担任制を実施していますが、6年生の算数も一部教科担任制で行い、算数の力の向上を図っています。このほか、授業改善の一環として、これまでのようなレクチャー型ではなく、子どもたちが能動的に考えられるような授業の仕掛けを作っています。例えば、2年生では「アルゴリズム体操」の歌に子どもたちが自分たちで考えた歌詞をつけて歌い、計算式を楽しみながら定着させることができました。面白がりながら頭を使ってもらえるような授業を作っていくことは大変ではありますが、そうした授業は子どもたちの記憶に残り、将来的にも役立つだろうと思っています。

部活動の加入率も高く、盛んに活動していらっしゃいますね。

流山市立西初石小学校 小学校ミニバスケットボール大会
流山市立西初石小学校 小学校ミニバスケットボール大会
提供:西初石小学校

4~6年生のほとんどの子どもたちがこれらの学年を対象とした部活動に加入していて、2013(平成25)年度の加入率は95.8%でした。3つの部活動のうち、陸上部とミニバスケットボール部は毎年それぞれ、流山市小学校陸上競技大会と小学校ミニバスケットボール大会へ参加しています。

流山市立西初石小学校 陸上競技会
流山市立西初石小学校 陸上競技会
提供:西初石小学校

陸上部は今年5月の市内小学校陸上競技大会で「男子1,000m」が第1位・第2位になるなど非常によい記録が出て、男子2位・女子6位、「男女総合」では初めて第3位となりました。選手になれなかった生徒がエントリーできるオープン種目でも、「男子オープン1,000m」で第1位~第4位と第6位になったんですよ。

流山市立西初石小学校 ジャズフェスティバル
流山市立西初石小学校 ジャズフェスティバル
提供:西初石小学校

また、音楽部は毎年、地域の夏祭りや市内小中音楽発表会へ参加しています。今年6月には流山市のジャズフェスティバルへお隣の「西初石中学校」と合同で出場しました。

「チャレンジ じゃんじゃん 『食べよう!動こう!声を出そう!』」とはどんな活動でしょうか?

流山市立西初石小学校 チャレンジじゃんじゃんの掲示
流山市立西初石小学校 チャレンジじゃんじゃんの掲示

「食べる・動く・声を出す」ことで、子どもたちに活力をつけてもらうための活動です。 「食べよう!」では、今より一口だけ多く食べてもらおうと、「きゅうしょくだいす木」のイラストを各クラスに掲示し、食缶が空になったら「実」の部分にシールを貼るなどして、子どもたちが遊び感覚でたくさん食べられるように取り組んでいます。もちろん、アレルギーや偏食のお子さんもいるので、無理強いはしません。

流山市立西初石小学校 校庭
流山市立西初石小学校 校庭

「動こう!」では、千葉県が実施している「遊・友スポーツランキングちば」に挑戦しています。クラスやグループ単位で体育の時間や休み時間に縄跳びやリレーなどの種目に取り組み、体育主任が記録を県に送ると、県のHPにランキングが掲載されます。子どもたちにとってはちょっとした時間で取り組め、目に見える励みにもなります。たくさんの学校が取り組んでいますが、2年生グループが「みんなでリレー(低学年)」の上半期第1位にランキングされるなど、子どもたちはとても頑張っています。

流山市立西初石小学校 音読朗読発表会
流山市立西初石小学校 音読朗読発表会
提供:西初石小学校

「声を出そう!」では、音読や歌に取り組んでいます。「ぐんぐんタイム」の「国語タイム」で音読をしたり、毎年、流山市の音読朗読発表会に出場しているほか、毎月の歌を決めて、全校朝礼や朝の会・帰りの会で歌うなどしています。

「流山市立西初石中学校」「流山おおたかの森高等学校」との連携に力を入れているそうですが、実際にどんな活動があるのでしょうか?

流山市立西初石小学校 校舎全景
流山市立西初石小学校 校舎全景

「西初石中学校」とは隣り合った地の利を生かして、密接な小中連携に取り組んでいます。そのひとつが「中学校体験ウィーク」で、通常1~2日の活動を本校では1週間も行っています。進路が決まった中学3年生が学習ボランティアに来てくれたり、反対にこちらの6年生が中学校で英語や数学の先生から初歩を教わったり、部活動の体験をさせてもらうなどしています。また、「中学生英語スピーチ」では、「流山おおたかの森高等学校」の英語スピーチコンテストで入賞した「西初石中学校」の生徒が、本校で6年生に向けてスピーチを披露してくれています。
そして、今年は初めて小中で防災引取り訓練も行いました。非常事態になったら、保護者のみなさんはなかなか職場から自宅へ戻れないので、そんな時には中学生が頼りです。保護者の方たちからも好評で、今後も発展させていこうと考えています。

流山市立西初石小学校 俯瞰から
流山市立西初石小学校 俯瞰から

「流山おおたかの森高等学校」は国際コミュニケーション科があり、ユネスコ・スクールにも加盟している学校です。「高校生出前授業」では同校の1年生が本校の5年生に英語を教えてくれ、今年は小学生と高校生とで複数のグループを作って英語でお店屋さん体験をしました。今回の文科省の英語科拠点地域には、「西初石中学校」・「流山おおたかの森高等学校」とともに小中高で指定を受けています。

流山市立西初石小学校 あいさつ運動
流山市立西初石小学校 あいさつ運動
提供:西初石小学校

このほか、毎月10日前後には全校を挙げて「小中高合同挨拶運動」を実施しています。本校の校門から「西初石中学校」の方まで、子どもたちがずらっと並んであいさつをしていてとても壮観ですよ。

地域の方からの支援や協力も厚いようですね。地域連携としてはどのようなものがありますか?

流山市立西初石小学校 テトラパック回収箱
流山市立西初石小学校 テトラパック回収箱

安全で開かれた学校を目指し、安全面では老人会の「平成会」の方たちを中心に、登下校時に子どもたちを見守っていただいています。開かれた学校については、地元の農家の方にバケツ稲の田植えの指導やPTA主催のバザーへ野菜の出品をしていただいていますし、1年生が地区社会福祉協議会の方からお手玉や竹馬など昔の遊びを教わったり、運動会で地域のお年寄りと一緒に玉入れをするなどしています。また、「ぐんぐんタイム」のお話タイムでは、保護者の方約30人にご登録・ご協力をいただいています。

小中高連携との関連では、「西初石っ子を育てる会」を組織しています。「西初石中学校」の校長や教頭、地域の自治会長、社協、民生委員の方たちをお招きして授業の様子を見ていただき、よりよい西初石っ子をどう育てていくのかについて、ご意見を伺うなどしてます。

そのほか、学校の自慢、特色のある活動や取り組みがございましたら教えてください。

流山市立西初石小学校 読書大賞の手作りメダル
流山市立西初石小学校 読書大賞の手作りメダル

子どもたちが読書好きなことと、図書主任が頑張って呼びかけてくれていることもあって、本校の児童は年間トータルで一人平均9.8冊も本を読んでいます。不読児をなくそうと、読書週間の時に全員が一か月の間に何かしら本を借りたクラスには金メダルをあげていますが、昨年は全クラスの入り口に金メダルが下がりました。

流山市立西初石小学校 児童が造った制作物の掲示
流山市立西初石小学校 児童が造った制作物の掲示

図書室には本を読むと名札を貼れる「世界遺産」や願い事を書ける七夕飾りを掲示していて、今年は紙製の「富岡製紙工場」に子どもたちの名前がいっぱい貼られていますよ。

流山市立西初石小学校 児童が描いた絵の掲示
流山市立西初石小学校 児童が描いた絵の掲示

1~6年生が縦割りで「ふれあい学級」というグループを作って、月に1回、一緒に給食を食べたり、遊んだりする活動もあります。年に1回の「ふれあい学級祭り」では異年齢の子どもたちが一緒にゲームなどで遊び、6年生がリーダー、5年生がサブとなってそれぞれの立場で祭りを盛り上げます。子どもたちに聞くと、この「ふれあい学級」を学校のいいところに挙げる子も多いですね。

流山市立西初石小学校 フレンド集会
流山市立西初石小学校 フレンド集会
提供:西初石小学校

同様に、「フレンド集会」も人気があります。手品や漫才、リコーダーなど、子どもたちがやりたいことを自分からエントリーして披露する催しで、大人が手伝うのではなく、児童会活動の中で子どもたちが主体的に活動しています。2日間にわたって昼休みに体育館を開放していますが、1日に30名ぐらいエントリーしますよ。本校の児童は素直でいい子たちですが、とても控えめな子が多いので、「自己有用感」や意欲につなげるために、自分たちから一歩踏み出せるような、こうした場所と時間がとても大事だなと思っています。

特徴のある設備はございますか?

流山市立西初石小学校 ソファコーナー
流山市立西初石小学校 ソファコーナー

子どもたちにほっとできる場を提供しようと、2~4階の廊下にソファーコーナーを設けています。本来ワゴンスペースとして給食のワゴンを置いていたのですが、せっかく広々としたきれいな出窓があるので、それを活かそうと工夫しました。マットを敷き、ソファ、テーブル、本棚などを設置しています。

流山市立西初石小学校 学習コーナー
流山市立西初石小学校 学習コーナー

また、本校では全科目を底支えする調べる学習の充実のため、本の目次・索引の活用をどの教科にも取り入れています。昨年造った図書室の調べる学習コーナーでは、索引と目次を使いながら図書を調べられることを基本としながら、無線LANでインターネットに接続したタブレット端末を使って調べることもできます。

最後に、周辺エリアの魅力についてご紹介ください

子どもたちが素直なだけでなく、PTA活動に積極的に関わってくださる方が多いなど、保護者の方の意識が高く学校運営に協力的で、とてもいいコミュニティだと思っています。

西初石小鳥の森
西初石小鳥の森

また、春は桜が本当にきれいです。坂道を上っていくというのが本校へのアプローチですが、学校の周りはすべて桜で、2年前に赴任してきた時に「なんてきれいな学校だろう」と感激しました。歴代の先生方が一本一本手植えをして育ててきた桜だと伺っており、そんな学校に来ることができてとても嬉しく思っています。ドウダンツツジが真っ赤に紅葉する秋もきれいで、お散歩中の近所の方がよく校庭を見ていってもいいですかと立ち寄られていくほどです。すぐそばに夏にはホタルが飛ぶ「西初石小鳥の森」と「西初石ふれあいの森」というふたつの森もありますし、自然に恵まれていてとても素敵な学校だと思いますよ。

流山市立西初石小学校 野崎校長先生
流山市立西初石小学校 野崎校長先生

今回、話を聞いた人

流山市立西初石小学校

校長 野﨑肇子先生

住所:千葉県流山市西初石4-347
電話番号:04-7154-5863

※記事の内容は2014(平成26)年9月に実施した取材をもとに作成しており、今後変わる場合がございます。

流山市立西初石小学校 インタビュー
所在地:千葉県流山市西初石4-347 
電話番号:04-7154-5863
http://www.nagareyama.ed.jp/nshatusyou/



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