魚亭 かみや

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一流とはこういうお店のことをいうのではないだろうか。「魚亭 かみや」。都営新宿線「曙橋」駅A3出口を出てすぐの、ビルの2Fにある日本料理店だ。

階段を上がるとまず麺打ち場があるが、そのすぐ横が店の入口になっている。店内はこざっぱりと丁寧にまとめられた、純和風のつくり。10席ほどのカウンターにテーブル席が4つほど、そして完全個室の座敷もある。

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まずこちらのお店の特徴を店主の神谷さんに伺ってみると、「究極のオーガニックを目指すってとこかな」という答えが返ってきた。

つまりこういうことだ。

世界中の美味いもの、一流のものは一番東京に集まるようになっている。でもこちらのお店では、あえて全国各地の名産地のものを使っているとのこと。しかも素材の仕入れ地を決めるときは必ず神谷さん自らが現地に赴き、現地の生産者と仲良くなってから直接仕入れてくるそうで、それもハウス栽培などのものは極力仕入れないのだそうだ。

「やっぱり自然の流れのままが一番なんですよ。昔ながらの自然の摂理にしたがって、天然の素材が採れるときだけ食べる。まぁ、100%は無理ですけどね。だから『目指す』です(笑)」

さらに地方のものを使って高いレベルの料理を作ることで、地方のやる気のある生産者を守り、育てていくという意味合いも含ませているのだとか。こんな話を伺っている間にも、今年初水揚げの天然秋刀魚が運ばれてきた。

魚亭 かみや6

実は神谷さんの師匠は、かの会員制食堂「美食倶楽部」の中心「星ヶ岡茶寮」で、あの北大路魯山人にも料理を振舞っていた方だそうだ。そんな方に師事した神谷さんも、昔スイスで初の日本料理店やロンドンで店を任されたり、赤坂の一流料亭の支店長をまかされたりしていたそうで、ビートルズ・笹川良一・岸信介などといった超大物をもてなした経験もお持ちだとか。にもかかわらず、驕りなど微塵もない。周りの協力があったからだと、たまたま自分だったんだと謙遜される。そして、「自分は料理に関しては、しっかりした物を教わってきたと自負している。だからその技術を自分がしてもらったように弟子に伝えることも、生産者を守っていくことも義務だと思ってるんです」とも。

厳選された素材と器。素材を最大限に生かした調理。そして、店主の人格が素晴らしい!これはもう、出てくる料理が不味いはずがない。

魚亭 かみや4

まず運ばれてきたのが「今週の前菜」。毎週仕入れによって内容が変わるそうで、今週はトマトや葉物野菜の中に、月山の根曲がり(筍)と奥尻の雲丹とイクラ、それにメインとしてフォアグラを鯛のすり身のムースで巻いた物が入っている。

筍をはじめとした野菜類の香りのいいこと!それに雲丹、イクラの甘みが加わって、下の上で合唱している。そこにフォアグラを鯛のすり身のムースで巻いた物が主役として歌い踊りながら登場し、フォアグラと鯛はこんなに相性のいいものなのだと思い知らされる。某タレント料理レポーターの言い方を借りれば「これはもう、料理のパリ・オペラ座(世界一と名高い)や~!」といったところだろうか。

魚亭 かみや5

次にこちらのお店の常連さんが、毎年この時期楽しみにしているという「鮎めし」。これはもう…ほほっ。本当に日本人に生まれてきてよかったと感じる。広島から取り寄せたという“とも釣り”で釣った天然の鮎に絶妙な焼目を入れ、それを頭からかぶりつけるくらい骨まで柔らかくなるまで米と一緒に炊いている。なのにご飯はベシャッとしておらず、鮎は全く身崩れしていない。一口食べれば鮎のすがすがしい香りと焼きの香ばしい香りが鼻腔をくすぐる。さらにアクセントとして付けられた“山ウド”がピリリと口内を引き締める。これはもう芸術品であろう。

魚亭 かみや8

最後に「手打ち蕎麦」。まず汁に付けずに蕎麦だけを食べてみるが、もちろん味・食感・香りの全てに文句なし。加えて蕎麦の中に“蕎麦の芽”を細かく刻んで練りこんであるのが、より一層香り高いものに仕上げている。オススメの食べ方は、薬味の辛味大根と刻みネギを蕎麦の上にかけて、それを混ぜながら汁に付けて食べるのだそうだが、教えられた通りにやってみるとこれがまた美味い。

あなたにも、是非この至福の時間を味わってもらいたい。

魚亭 かみや1

魚亭 かみや
所在地:東京都新宿区住吉町7-1 福松ビル2階 
電話番号:03-3351-4357
営業時間:11:30~15:00、17:00~22:00
定休日:日曜・祝日
http://gyotei-kamiya.com/





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