どぜう ひら井

数はずいぶん少なくなったが、現代の東京でも、江戸期から親しまれる料理を出す店はまだまだ健在だ。特に隅田川沿いのエリア、いわゆる下町には、おいしいものに目のない江戸っ子たちに親しまれていた味がいまもしっかり息づいている。

その、昔ながらの料理の中に「どじょう料理」がある。隅田川にかかる赤い吾妻橋を渡って数分のところの「どぜう ひら井」も、都内にわずかに残るどじょう料理店のひとつだ。

吾妻橋 どぜう ひら井
吾妻橋 どぜう ひら井

1903(明治36)年の創業以来、“江戸のファストフード”的存在であったどじょう料理を出し続けてきた。東京の食べものというイメージが強いどじょう料理だが、昔は田んぼで採れていたものを夕飯のおかずにしていたような庶民的なものだったとのこと。従って郷土料理ではないものの、どじょうを食べる文化が東京に根付き、いまに至っているそうだ。

現代では田んぼが少なくなり、あっても稲の収穫が終わると田から水を抜くところが増えたため、ドジョウの生育環境が減ってきたという。入手しづらい食べものとなったドジョウだが、江戸前の味を楽しみに、ひら井には日本各地より客がやってくる。

長い歴史を持つひら井だが、店内はとても清潔で、居心地がよい。落ち着いた雰囲気を感じられるのは、喧噪の浅草から隅田川を挟んだ吾妻橋にある店ゆえだろうか。メーンの小上がり席に、カウンター数席、テーブル席が1つ。連れ立つ相手(あるいは単身)によって席を選べるのがうれしい。

吾妻橋 どぜう ひら井
吾妻橋 どぜう ひら井

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