鳥勇 駅前店

武蔵小山の駅前と商店街の南端に2つの店舗を構える「鳥勇」は、武蔵小山では知らない人のいない超有名・かつ老舗の焼き鳥屋。テイクアウトと立ち食いという2通りの使い方ができるカジュアルなお店で、地元の人々を中心に、2世代、3世代、場合によっては4世代にわたって愛され続けているという。

鳥勇 駅前店 外観

備長炭の火で焼き上げる

テイクアウトも可能

今回ご紹介するのは、後発店の「鳥勇 駅前店」である。実は今まで「武蔵小山駅を出て数秒」という立地にあった店舗だが、2016(平成28)年3月に「パルム一番通り」(武蔵小山一番通り)沿いに移転した。新店舗とはいえ、昭和から引き継いだ独自のスタイルは何ら変わることなく、武蔵小山の風景に溶け込んでいる。「鳥勇」の始まりは昭和元年。当初は目黒雅叙園などに精肉を卸す店としてスタートし、その傍らで、納品されない部位の肉を焼いたり、惣菜に加工して、サイドビジネスにしていたそうだ。それがだんだん、「焼き鳥が美味しい店」という評判を集め、焼き鳥目当の人々が集まるようになり、焼き鳥の専門店になっていったという。

「少しでも多くの人に、安く美味しく食べてほしい」という願いから、店には敢えて席を置いていない。基本的には持ち帰ってもらう前提で、「どうしても食べたい人は、どうぞ食べていっても良いですよ」というスタンスだ。だからこの店の暗黙のルールは「旨い焼き鳥をさっと食べて、さっと次に譲る」ということ。長居は一切無用である。テイクアウトについては、特に難しいことは無い。店頭に並ぶ串を指差して本数を言えば、さっとパックに包んで会計してくれるので、きわめてスムーズだ。もちろんタレも付いてくる。値段は1本150円均一。少し前まではもっと安かったそうで、「高くなっちゃって申し訳ないです」と店長は語るが、それでも十分に安い。

駅前店は2016年3月に移転

積み上げられた焼き鳥

焼きたてをその場で食べられる

焼き鳥の種類は創業当初から続く「ミックス」のほか、「ヒナ肉」「レバ」「皮」「シシトウ肉」「ネギ肉」「スナギモ」「ナンコツ」の8種類。それに加えて「ツクネ」「ウナギ」がある。基本的にはタレ味だが、ナンコツとスナギモは塩味になる。イートインの場合は、テイクアウトの窓口をふさがない場所に陣取って、注文するとすれば飲み物だけ。飲み物が要らなければ、目の前の串の山から、好きなものを手にとって食べ始めれば良い。値段はどれも一緒なので、最後に串の数を数えて会計してくれるという、回転寿司と同じようなスタイルだ。もちろん何も知らずに行った場合でも、店員さんが快くシステムを説明してくれるだろう。

 串は全て150円

お会計は最後に串の本数で

定番の「ミックス」

やや特殊なのは、取り皿の類が一切無いということだが、足元にタレを落としても良いそうなので、細かいことを気にせず食べるのが吉だ。ビールを頼みたい人は500円で生ビールが頼めるほか、いくつかのほかのドリンクもあり、プラスチックのカップで提供される。お替わりをした場合はコップの側面に「正」の文字でカウントするという、とても合理的な方法をとっている。肉には最初から味が付いているので、そのままでも美味しく頂けるが、濃い味が好きな人は食べる時にもう一度だけ、タレにくぐらせても良い。ただし二度漬けは厳禁だ。

排煙清浄機を完備

長年に愛されてきた秘伝のたれ

良い焼き色のツクネ

なお、ここは居酒屋ではなくあくまでも「焼き鳥屋」。無理にアルコールを頼む必要は無いし、何も飲まず、串1本だけ食べてお会計にしても、まったく「失礼」にはあたらない。「とにかく気軽に寄って、串1本からでも食べていってもらえれば。お子さんでもおじいちゃんおばちゃんでも、もう誰でも大歓迎です!」とのことなので、気軽に訪れてみてほしい。この敷居の低さと言うべきか、壁の無さが、「鳥勇」が愛される所以だろう。もちろん、低価格でも肉は国産のみ、焼き上げは備長炭など、こだわるところはこだわっている。また、新しい建物に移った理由の一つは、巨大な排煙清浄機が設置されたためだという。周囲に煙を漏らさないという配慮も、地元に愛され、地元を愛している店の証なのだろう。

「鳥勇」は武蔵小山のシンボル的存在であり、飲み歩く人々にとっては、一服の清涼剤のような場所となっている。されとて気難しいような雰囲気は一切無く、小さな子どもを連れた人も笑顔で楽しんでいるのが、「鳥勇」のすごいところ。武蔵小山で食を語るなら、この店はどうしても外せない、もはや“殿堂入り”の一軒である。

鳥勇 駅前店
所在地:東京都品川区小山3-24-7 
電話番号:03-3788-3458
営業時間:14:00~22:00
定休日:無休





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