かぶと

かぶと
かぶと

もちろん駅前周辺の活気あふれる姿こそが池袋の魅力の一つなのだが、駅から少し離れたエリアの落ち着いた風情もまた、池袋の魅力の一面である。

劇場通りを川越街道に向かって歩いていくと次第に並木道の景色となり、閑静な一帯となる。このあたりにはイタリアンや和食などの、隠れ家的な名店がいくつもある。うなぎ屋「かぶと」は、繁華街と閑静なエリアとの境目あたりで営業する隠れ家的な名店のひとつである。

ところが…、である。

そういった隠れ家的な静けさを期待して「かぶと」に入ると面食らうかもしれない。とにかくここの大将、とても話し好きなのだ。職人特有のさばけた感じはあるものの、どこか憎めないところがある。鰻の味はもちろんのことだが、そんな大将の人柄に惹かれる人も多いのだろう。

作家の江國香織さんもこの店を気に入ったひとりで、多くの人に紹介してまわっているという。静かに杯を傾けたい人には向かないかもしれないが、人情味溢れるこの名店、とにかく連日、多くの人でにぎわっている。

この店では、客の目の前で生きたウナギをさばき、そこから焼き始める。ひとりひとり注文を受けてから調理を始めるので、ある程度の時間がかかるのは分かっていた。というわけで、まずは「うな重(上)」(1700円)を注文した後にハートランドビール(570円)と、お新香(350円)を注文した。

かぶと
かぶと

奥さんの自家製であるお新香は、あっさりとして美味しい。ハートランドビールによく合う。カウンターに座ると、大将が実に手際良く、うなぎをさばくのが見える。

思わずジーッと見ていたら、おもむろに大将が「うなぎの心臓のむ?」と聞いてくる。噛まないで飲むと、賢くなるのだそうだ。ビールの中に心臓を入れてもらったので、ゴクリと飲み干す。少しは賢くなれるだろうか。

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