まるます家

「まるます家」は、赤羽駅東口を降りて一番街を歩いていくと左手にある。「創業50年 鯉とうなぎのまるます家」という大きな黄色い看板がかかっており、店先には持ち帰り用の鰻や鯉のあらいが売られている。木造二階建ての、何ともいえない風情のある店舗だ。

実は、ここは居酒屋である。営業は、なんと朝の9時から。1階にはコの字の大きなカウンターが2つ、小さなテーブル席が3つ、2階にはお座敷席がある。朝から酒類を飲んでいる客もいるが、家族連れでうな重を食べていく客もいる。

夕方も早くから混んでいて入て、入店待ちで並ぶこともよくある。今回頼んだのは、鯉のあらいと鯉こく。鯉のあらいが400円に鯉こくが300円。鯉こくは食養生のものとしても知られていて、母乳不足、結核、骨膜炎、虚弱、腫れ物一切などによいと言われている。他のものも驚くほど安くて、目移りしてしまう。

カウンターの向こう側では慌しく注文をとったり、注文したものを出したりしているのだが、鯉こくが運ばれた時には「骨があるから気をつけてね。山椒と七味はお好きなように」と店員が食べ方をアドバイスしてくれた。気遣ってくれているのがわかり、温かい人情味を感じる。

この店は小説や漫画でも紹介されていて、『孤独のグルメ』(原作:久住昌之 画:谷口ジロー 扶桑社文庫)の中の一話にも登場する。「北区赤羽の鰻丼」というエピソードで、主人公は酒の飲めない中年雑貨商人。早朝、赤羽に納品にきた彼が朝ご飯を求めてぶらついて、この居酒屋を発見する。一品メニューとご飯を頼み朝食を食べるのだが…朝からお酒を飲んでいる他の客達を見ていろいろと想像する主人公。そしておいしく食べ進むうちに、そんなこともいつしか忘れてしまう。そんな話だ。

一品一品が安いのだが、どれもおいしい。上をみやると「まるます家だけのお約束 お酒類1人3本までとさせていただきます。」という貼り紙を見つけた。家族連れで来ても、お父さんだけでも、お酒類は3本までなのだ。食べ物の美味しさと、居心地のよさについつい長居してしまう人も多いのだろう。「お酒3本まで」としないと、長居する客でいっぱいになってしまうかもしれない。

おいしく手ごろな値段の料理を、下町の温かい人情が感じられる空気の中で食べる幸せ。何とも気持ちがいい。

※本文内の価格等は掲載時のものです。変更している場合がありますのでご了承ください。

まるます家
所在地:東京都北区赤羽1-17-7 
電話番号:03-3901-1405
営業時間:10:00~20:30(土・日曜日、祝日9:00~20:30)
定休日:月曜日
https://twitter.com/marumasuya1





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