チャイニーズダイニングRON FAN(ロンファン)

大泉学園駅北口ゆめりあホール地下「ゆめりあ横丁」。飲食街としては地味な場所にありながら、じわじわとファンを増やしている気鋭の中華料理店がある。ここ「チャイニーズダイニングRON FAN」は、2006年3月にオープンした、若い店長夫妻が切り盛りする店だ。

隣席の会話に耳をそばだてると「酢豚がおいしいのよね…。でもイカもおいしかったし…」と、しきりにオーダーに悩む声。どれもおいしくて選べないとは悩ましい。

カウンターにずらり並んだガラス容器は、中国に行きじかに買い付けした9種の茶葉。お酒とお茶両方の種類が豊富な中華料理店は、意外に少ない。これなら呑み助もお酒に弱い人も「何を飲もう」とワクワクできる。お茶はポットでタップリいただけるから、人数分のお酒+お茶を一種類という組み合わせもアリだ。メニューにはそれぞれのお茶の効能が書き添えてあり、「この美肌のお茶!」とオーダーする女性客もいる。

チャイニーズダイニングRON FAN(ロンファン)

チャイニーズダイニングRON FAN(ロンファン)

今回頼んだのは工芸水中花。丸く束ねた茶葉が香りと共に花咲き、いやが上にも期待は高まる。

チャイニーズダイニングRON FAN(ロンファン)

チャイニーズダイニングRON FAN(ロンファン)

小さな土鍋が運ばれてくる。「はねますから気を付けて」と蓋が開けられると、そこには真っ赤な溶岩、いや麻婆豆腐。鍋の縁がクツクツに煮え立ち、湯気と香りが立ち昇ってくる。まず一口。とろりとした旨みと、一歩遅れて来る辛さとが、喉から胃の道筋を温めながら落ちていく。そのあとで、山椒の香りが鼻にまで抜けた。困った、食べるほどに食欲が湧いてしまう。胃の腑が目を覚ます味と温度なのだ。

チャイニーズダイニングRON FAN(ロンファン)

お次は、一人用の小さなセイロに4個並んだ翡翠餃子。張り詰めた緑の肌に、海老のオレンジがほんのり透けて美しい。具の固まりの残し加減が絶妙なのだろう、歯をプリっと押し返してくる感触がいい。そして細かいことだが、敷いた青菜が餃子の大きさに切ってあるので、皮が破れずに口に運べるのだ。この気づかいも嬉しい。

チャイニーズダイニングRON FAN(ロンファン)

具だくさんの上海焼きそばは、最近見かけるようになった平打ちの伊府麺(イーフーメン)を使っている。この弾力がたまらない。具の細切り野菜がよくからみ、塩も炒め油の量も絶妙な加減だ。盛りの良いひと皿を一人で平らげたのに、まるで飽きない。

チャイニーズダイニングRON FAN(ロンファン)

迷いに迷ったデザートは「杏仁豆腐が作り立てですよ」のアドバイスで決定。出来たては特に香りが良いという。これが再び困った。飲み込んでしまうのが勿体ないのだ。鼻腔に抜ける杏仁の香りと、口中の温度でゆるゆると溶けていくほのかな甘さ。一口目から「食べ終わるのが寂しい」と思ってしまう、と言っては大げさだろうか。ランチタイムにはデザートが1品100円になるが、杏仁豆腐、タピオカ、ウーロン茶アイスクリームの3種をすべてオーダーする人も少なくはないと言う。そうしたくなるのも納得だ。

チャイニーズダイニングRON FAN(ロンファン)

店主の遠藤夫妻は、実は今年の夏に籍を入れたばかり。18と19歳でお付き合いを始めた二人だが、お店を持つのが子供の頃から夢だったご主人には「結婚するのはその後」という固い決意があった。そして二人でスタートさせた「RON FAN」が軌道に乗った今年の夏、ついにプロポーズに至ったという。

駅前では穴場的なこの立地にあって客足が途絶えないのは、「本当に良いお客様たちに恵まれて、助けていただいているお陰」と語る奥さんを見て、ここにはお客と店側がお互いに幸せを与え合う空気が満ちていると感じた。

チャイニーズダイニングRON FAN(ロンファン)

チャイニーズダイニングRON FAN(ロンファン)
所在地:東京都練馬区石神井町3-20-20 
電話番号:03-6913-2123
営業時間:18:00〜21:30(L.O.21:00)



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