割烹 森富
1937(昭和12)年創業の老舗割烹「森富」。「しらさぎ城」とも言われる華麗な姫路城の城下町で、日本料理の粋と洗練をそのままに味わえる。
堂々とした店構えで、店内はとても広い。個別の客室、寿司カウンター、和室・洋室大広間などがある。慶事や法事、団体での宴会から、ふらりと定食やお寿司を食べに来ることもできる。
現在のご店主は3代目。お薦めのお料理を伺うと「この付近に暮らすなら、気軽に食べられる姫山定食、やぐら定食などが良いと思います。お寿司もお薦めです」。ということで、姫山定食(1,575円)と、やぐら定食(2,100円)をいただいた。
「姫山定食」は最もリーズナブルな定食(11:00~14:00まで)。
2段のお重に、季節旬菜盛り込み、お造り、小鉢、御飯、香の物、吸物、デザートなどで構成さている。内容は季節に合わせ、1ヵ月おきに変わり、器も3ヵ月ごとに変えるという、季節感へのこだわりがある。
■ 姫山定食
取材時の6月は、鯛のお造りに鱧(はも)の湯引き、出汁巻き玉子、海老、焼き魚、からし蓮根、もずく、茶碗蒸し、野菜の煮物、小豆を使ったデザートなどなど。
1ヵ月ごとに変わってしまうので内容はあくまで参考までだが、かなりの品数とボリュームで、「これだけ手数の込んでいるお膳で1,575円はリーズナブル!」と思わせる。
鯛はもちろん明石の鯛。淡白で上品ながら、鯛の味わいがじわーっと深い。鱧(はも)はやはり夏らしく、爽やかで贅沢な気持ちにさせてくれる。茶碗蒸しもたっぷりとしている。煮物も揚げ物も、お漬け物まで品良い味ながら飽きることなく、一つ一つを楽しめる御膳となっている。