地元を愛する赤塚っ子が、商店街を盛り上げる/赤塚一番通り商店街 理事 フランス製菓 山田賢二さん


赤塚一番通り商店街 理事
フランス製菓 山田賢二さん

地元を愛する赤塚っ子が、商店街を盛り上げる

「赤塚一番通り商店街」で理事を務める山田賢二さんは、創業40年の老舗洋菓子店「フランス製菓」の店主でもあります……と言われると、ご年配の重鎮的な方を想像する人が多いのではないかと思いますが、実際の山田さんは40代半ばでかなりお若い。お店の経営の傍ら、商店街を活性化させるために日々精力的に活動をされている山田さんに、「赤塚一番通り商店街」の現在の取り組みや今後の展望について伺いました。

山田さんが「赤塚一番通り商店街の理事になってどのくらいになるのでしょうか?お若くて驚きました。 

私が商店街の理事になって4年目くらいです。現在の理事長も51歳で、このあたりの年代が中心となって活動を行っています。以前は私たちよりも上の世代が中心だったのですが、世代交代をして現在の体制になったのです。

板橋区が2012(平成24)年からスタートさせた「商店街にぎわい再生プロジェクト」の認定第一号で、商店街の中にコミュニティスペース「赤ニコ広場」をオープンしているそうですね。まず設立の経緯を教えてください。

下赤塚インタビュー
下赤塚インタビュー

「赤ニコ広場」設立の最初のきっかけは、2008(平成20)年に当店の商品「大仏サブレー」が「区民が選んだ板橋のいっぴん」というものに選ばれて、板橋区役所の方と知り合いになったことですね。その際に、私が“商店街、最近ちょっと元気がないんだよね”という話をしたら、“じゃあこういうのをやりましょうよ”ということで話が進んで、「商店街にぎわい再生プロジェクト」が始まりました。うちはたまたま商店街の理事が比較的若くて、新しいことにもフットワーク軽く動ける人が多かったことも良かったと思います。

でも、実際には立ち上げまではいろいろと大変でしたよ。まず難しかったことは、「具体的に何をやるか?」を決めることでした。一番の問題は、みんな基本的には普段、自分たちのお店の経営があるわけですから、自分たちが日常的に人手をかけて何かできなくてもやれることが大前提。そんな中で商店街の活性化のためにできることとして、“空き店舗を使って何かをやろう!”ということになり、地域の人やコミュニティーに活用してもらえる場として「赤ニコ広場」のオープンが決まったのです。

「赤ニコ広場」では具体的にどんなことが行われているのでしょうか。

何もない時は地元の方が休憩に利用したり、お弁当を食べたりと、気軽に自由に使える場所になっています。商店街をずっと歩いていると、年配の方は疲れるじゃないですか。そういった方が「ちょっと赤ニコで休憩しよう」と思ってくださればいい。 そのほかには野菜や果物などの産地の方に来てもらって地域の方とコミュニケーションをとっていただいたり、地域の福祉園の方が毎週1回喫茶店を開いたりして交流や憩いのスペースになっています。

最近の面白い取り組みとしては、商店街で買い物をするともらえる「ニコニコスタンプ」が溜まった人を対象とした「お米の交換」というものをやりました。実際に岩手の農家さんに「赤ニコ広場」まで刈りたての新米を持ってきてもらい、そこでお客さんと直接会話していただく。私たちたけではなく、農家さんにも「赤ニコ広場」で情報を得ていただけるようにしています。ほかにも、「板橋のいっぴん」の出店販売などいろいろな活動をしていますので、気になる方は赤塚一番通り商店街の公式Facebookをぜひご覧になってほしいですね。

Facebookページを拝見しましたが、すごく盛り上がっていますね。ソーシャルネットの影響力はいかがでしょうか?

下赤塚インタビュー
下赤塚インタビュー

確かに年配層の方にFacebookで直接情報発信するのは難しいですが、お子さんやご家族が見て、「お母さん、商店街でこんなイベントやっているらしいよ」と教えてくれたりする。そんなふうにソーシャルと昔ながらのコミュニケーションが繋がり、どんどん情報が広がっていけばいいなと思いますね。

下赤塚インタビュー
下赤塚インタビュー

また、これから下赤塚エリアに引越しを考えている方ですと、おそらく若い世代の方が多いと思いますので、こういったツールからこの街の情報を収集していただき、商店街にも足を運んでいただくきっかけになったら嬉しいです。

山田さんからご覧になって、「赤塚一番通り商店街」や赤塚についてどんな街だと感じますか?

一言で表わすとすれば、“地元ラブ”ですね(笑)。とにかく赤塚が好きな人が集まっているんです。親子三代、四代でここにいる方も多いですし、一度赤塚を離れても戻って来る人も多い。例えば、ここで買い物をするお客様は(商品を手に入れるだけでなく)コミュニケーションがしたくて買い物をするし、「このお店なら大丈夫」という信頼もある。大きいショッピングモールにはない、商店街ならではの信頼性を求めている方が多いと思います。

とはいえ、新しく住んだ方ににとっては、商店街の個人商店って少しちょっと敷居が高く感じたりもするかもしれませんが。そこがネックだったりはしますが、逆に1歩踏み出していただければ、きっとどっぷり馴染んで親しんでいただけるはずです。

赤塚の街ならではのおすすめの場所などはありますか?

東京大仏(乗蓮寺)
東京大仏(乗蓮寺)

「板橋のいっぴん」に選ばれた「大仏サブレー」は、赤塚の「乗蓮寺」にある日本で4番目に大きい「東京大仏」にちなんだお菓子なんです。ここにそんな立派な大仏があることを、都民はもちろん板橋区民も知らない人がいっぱいいると思います。知っているのは赤塚のローカル地区の方だけじゃないかな。

赤塚植物園
赤塚植物園

それ以外にも「赤塚城 二の丸城趾跡」や「赤塚植物園」「区立美術館」などもあるし、実はプチ観光地なんですよ。そんな赤塚の魅力を、これからもっといろいろな人に知っていただきたいです!

下赤塚インタビュー
下赤塚インタビュー

今回、話を聞いた人

フランス製菓店主

山田賢二さん

住所:東京都板橋区赤塚2-2-5
電話番号:03-3930-2255
営業時間:9:00~21:00
定休日:なし
HP:https://www.facebook.com/akanikohiroba(赤塚一番通り商店街)

※記事内容は2013(平成25)年11月時点の情報です。

地元を愛する赤塚っ子が、商店街を盛り上げる/赤塚一番通り商店街 理事 フランス製菓 山田賢二さん
所在地:東京都板橋区赤塚2-2 ほか 
http://akatuka1ban.com/