国立市役所 子ども家庭部 子育て支援課インタビュー

「産んでよし、育ててよしのまち くにたち」をスローガンに/国立市役所 山本俊彰さん・矢吹和子さん


8.15平方キロメートルとコンパクトな面積ながら、都内でも人気の高い国立市。文教地区に指定されているためパチンコ店やホテルなどが少なく、穏やかで平和な雰囲気が大きな魅力だ。そんな国立市が「産んでよし、育ててよしのまち くにたち」をスローガンに、本格的に子育て支援に注力し始めたという。国立市役所子育て支援課の山本俊彰課長と矢吹和子さんに、国立市の子育て支援や子育て世帯が増えている谷保エリアの魅力について伺った。

子育て支援の取り組みを強化

国立市役所
国立市役所

――国立市の子育て支援の方針や概要を教えてください。

山本さん:力を入れてきた高齢者福祉がだいぶ充実する中、次世代を支える子どもが夢をもて、活気あるまちをめざし、子育て支援の取り組みを強化したところです。今年度の施政方針も「産んでよし、育ててよしのまち くにたち」。若い世代が安心して子どもを産み育てることができるよう、さまざまな方策を実行に移し、子育て世代に選ばれるまち作りを目指しています。

――子育て支援の強化で変わった点はありますか?

山本さん:昨年の組織改正で、別の部署にあった母子保健の事業が子育て支援課に移管しました。「子ども家庭支援センター」も含めて課内で情報共有できるようになったため、連携がスムーズになり、迅速な対応ができるようになりました。同時期に育児に関する総合相談窓口「くにたち子育てサポート窓口」、通称“くにサポ”も開設し、育児による不安や負担の軽減につなげています。

インタビューに応じる子育て支援課課長の山本さん
インタビューに応じる子育て支援課課長の山本さん

子育て世帯の不安・負担の軽減を着実に進める

――国立市で力を入れている子育て支援策はありますか?

山本さん:妊婦面接「ゆりかご面接」と、幼児教育推進プロジェクト「ここすき!」です。「ゆりかご面接」は、妊娠届を提出されたすべての妊婦さんに対して行うもので、保健師が食生活など妊娠中の過ごし方や出産・育児に関する相談に応じています。

矢吹さん:妊婦さん、特に第一子の場合は出産や育児に漠然とした不安を抱えていらっしゃるので、その不安を解消して健康な赤ちゃんを産んでもらうことを第一に考えて対応しています。胎児の病気の早期発見にもつながる、重要な取り組みです。

山本さん:10月に「中央児童館」でオープンする0~2才の未就園児対象の子育て広場「ここすき!」は、幼児教育に関する目玉といえるプロジェクト。幼児期に大切な愛着形成をサポートします。

国立市中央児童館
国立市中央児童館

――最近拡充された子育て支援があれば教えてください。

山本さん:これまで学童保育所では小学3年生までしか受け入れていなかったのですが、今年度と来年度の2年間で、市内にある8つすべての学童保育所で利用年齢を引き上げ、小学6年生まで受け入れるようにします。
また、「こども医療費助成制度」については段階的に所得制限の撤廃を進めています。2015(平成27)年度には、お子さんが小学1年生以上の家庭に設けられていた所得制限を撤廃し、今年の10月からは小学4年生以上の児童についても所得制限をなくします。

子どもがのびのびと遊べる里山の自然が谷保の魅力

子育て支援に関するパンフレットや、おすすめスポットのマップ
子育て支援に関するパンフレットや、おすすめスポットのマップ

――国立市の子育て環境について、現状の課題と解決の展望を教えてください。

山本さん:以前から子育て広場が少ないというお声をいただいておりましたが、「NPO法人くにたち農園の会」に委託して、先月「つちのこひろば」という谷保地域の子育て支援拠点をオープンさせました。また、富士見台四丁目に「(仮称)矢川プラス」という複合公共施設と保育園を作る計画があり、この施設内にも子育て広場を作る予定です。さらに「国立」駅近くにも設置予定があるので、近い将来、谷保・矢川・国立の各駅の近くに子育て支援施設ができることになります。10月からは、市役所内にも子連れOKの飲食店のモデル事業としてキッズスペースを設けることになっています。

――市内でも特に谷保エリアの子育て環境の魅力を教えてください。

「つちのこひろば」のある古民家「やぼろじ」
「つちのこひろば」のある古民家「やぼろじ」

山本さん:やはり、昔ながらの里山が何より素晴らしいと思います。豊かな自然は、子どもにとって最高の遊び場であり、学びの場でしょう。市としても大切にしたい場所と考え、この景観を後世に引き継ぐため「谷保の原風景保全基金」を設置しています。

あとは国立市全体にいえることですが、甲州街道、大学通り、さくら通りといった大きな道路が整備されているので、住宅街にはあまり車が入って来ないんです。その分、安心して子どもを遊ばせられるのではないかと思います。

――国立市内の子連れで行けるおすすめのスポットやイベントを教えてください。

矢吹さん:定番の子連れスポットは、毎週土曜日の午後だけオープンする駄菓子や「くにちゃん」。「谷保」駅から歩いて5分ほどの場所にあるコミュニティスペースで、子どもたちに人気の遊び場です。「一橋大学」の学生が中心となって運営する「Cafeここたの」も、子連れで楽しめるお店。アットホームで周辺住民の憩いの場になっていますよ。

山本さん:ぜひとも足を運んでいただきたいイベントは、国立市が誇る3つのお祭り。「くにたち秋の市民まつり」、国立市商工会青年部が主宰する青空感謝市「天下市」、そして「一橋大学」の学園祭「一橋祭」です。どれも大学通りを歩行者天国にして行われる大イベント。特に「くにたち秋の市民まつり」と「天下市」は同日に行われるので大盛況です。

Cafeここたの
Cafeここたの

――最後に、国立市、特に谷保エリアに新たに住まわるご家族に一言メッセージをお願いします。

山本さん:おしゃれな街並みと、のどかな里山の風景。甲州街道を境に南北でまるで印象が違うのが国立市の魅力です。谷保にも「つちのこひろば」ができましたし、子育て世帯も安心して暮らしていただけると思います。

国立市役所 子ども家庭部 子育て支援課
国立市役所 子ども家庭部 子育て支援課

国立市役所 子ども家庭部 子育て支援課

課長・山本俊彰さん(写真右)
保健師・矢吹和子さん(写真左)
所在地:東京都国立市富士見台2-47-1 国立市役所1F
URL:http://www.city.kunitachi.tokyo.jp/
※この情報は2018(平成30)年9月時点のものです。

「産んでよし、育ててよしのまち くにたち」をスローガンに/国立市役所 山本俊彰さん・矢吹和子さん
所在地:東京都国立市富士見台2-47-1 
電話番号:042-576-2111
開庁時間:8:30~17:00 ※第2・4土曜日に一部窓口を開庁(9:00~12:00、13:00~16:30)
閉庁日:土・日曜日、祝日、年末年始(12/29~1/3)
https://www.city.kunitachi.tokyo.jp/