藤枝市役所 まちづくりインタビュー

利便性を高めた魅力溢れるコンパクトシティへの転換で、住環境としてのブランド力を高める藤枝駅周辺エリア/藤枝市都市建設部中心市街地活性化推進課 岡村敏明さん


JR「藤枝」駅前の様子(藤枝市提供)
JR「藤枝」駅前の様子(藤枝市提供)

魅力を活かしたまちづくりを目指し、様々な施策に取り組んでいる藤枝市。2008(平成20)年から本格的に始まった中心市街地活性化施策ではJR「藤枝」駅周辺を3つのエリアにわけ、ハードとソフトの両面から活性化を推進。様々な効果を生み出しています。地区の整備がさらに進むいま、まちづくりの概要と街の現状について藤枝市都市建設部中心市街地活性化推進課の岡村敏明さんにお話を伺いました。

人口が増え続ける駅周辺の中心市街地
子育て世代に人気のエリア

藤枝市は「サッカーのまち」「お茶のまち」「朝ラーメンのまち」
藤枝市は「サッカーのまち」「お茶のまち」「朝ラーメンのまち」

――藤枝市の概要について教えてください。

岡村さん:藤枝市は静岡県中部に位置しており、隣接する静岡市のベッドタウンとしての特性も持つ街です。人口は2019(令和元)年10月31日現在で14万4775人。5万9628世帯が暮らしています。2015(平成27)年からは人口の減少傾向が見られるものの、2008(平成20)年から10年連続で転入者が転出者を上回る社会増を記録しており、中でも駅周辺の中心市街地は現在も人口が増え続けています。30〜40代の子育て世代が多いエリアでもあります。

市の全体面積では194.06平方キロメートルの規模がありますが、そのうち約7割が中山間地域です。ただし、市街地から中山間地域までは車で30分程度なので休日に川遊びやグラススキーをはじめ、自然を楽しむといったことも気軽にできます。

そのほか特色といえば、まず挙げられるのは「サッカーのまち」。中山雅史選手や長谷部誠選手をはじめ、優秀な選手を多く輩出しており、市民の関心も非常に高いです。また「お茶のまち」でもあり、朝比奈地区は玉露の日本三大生産地の一つ。朝にラーメンを食べる独特な食文化も話題になっており、「朝ラーメンのまち」としても知られています。

藤枝名物「ルミスタ☆ふじえだ~ファンタジック イルミネーション~」(藤枝市提供)
藤枝名物「ルミスタ☆ふじえだ~ファンタジック イルミネーション~」(藤枝市提供)

ハード・ソフトの両面からまちづくりを推進
2期10年の藤枝市中心市街地活性化基本計画で様々な効果を生み出す

――藤枝市のまちづくりの概要を教えてください。

岡村さん:藤枝市は市民生活、地域づくり、未来投資の観点から3つの重点施策を掲げています。1つ目は健康・教育・環境・危機管理の推進を図る「4K施策」。2つ目は「中心市街地の活性化」。3つ目は「ICT活用の推進」です。

私たちが担当する「中心市街地の活性化」では、民間活力を積極的に取り入れ、官民連携によるハード整備とソフト事業の両面からJR藤枝駅周辺の活性化を図っています。以前のまちづくりは、人口増加を背景にしたローサイドに店舗や拠点を作る拡散型が主流でした。ただし、これからは人口減少を見据えたまちづくりが重要で必要です。そこで目指したのは、商業や福祉施設、子育て・高齢者支援施設、地域交流など都市機能を街なかへ集約したコンパクトシティへの転換です。

2008(平成20)年から1期5ヶ年の内閣総理大臣認定藤枝市中心市街地活性化基本計画で進めており、これまで2期10年が経過しました。
じつは1期計画では、とにかく中心市街地エリア全体を活用しようと漠然と実施していた部分があり、十分な効果が得られていないという課題がありました。そこで2期計画ではエリア・アイデンティティを取り入れました。「駅南地区」、「駅前地区」「青木地区」の3つにわけ、各地域の特徴やこれまでの活性化事業で発現された魅力を生かしたまちづくりを推進する取り組みです。ハード・ソフト併せて1期計画では70を超える事業を、2期計画では90を超える事業をそれぞれ展開しており、計画で掲げた居住人口、歩行通行量、宿泊客数などの成果指標の目標値をすべて達成できました。

上空から見たJR「藤枝」駅(藤枝市提供)
上空から見たJR「藤枝」駅(藤枝市提供)

訪れたいまち・住みたいまち・巡りたいまち
各エリアの特徴と魅力を活かした街を形成

――「駅南地区」、「駅前地区」、「青木地区」のそれぞれの特徴を教えてください。

岡村さん:まず駅南地区は「訪れたいまち」をテーマとし、広域から人を呼び込める拠点施設や商業施設が集まっており、イベントの開催によって活動と交流を創出するエリアとして計画に位置づけています。拠点施設としては、市内最大規模の複合商業施設「ホテルオーレ」や、映画館や図書館、「静岡産業大学」の駅前キャンパスがある「BiVi藤枝」があります。

駅前地区は「住みたいまち」がテーマです。こちらはもともと商店街が集まっており、栄えてきた歴史のあるエリア。子育て・高齢者支援、医療・福祉施設などの生活を支える機能の充足によって街なか居住を促進し、住む人を増やすことで商店街などまちの活性化を目指しています。さらに建物の高度利用と都市機能を集約する市街地再開発事業と空き店舗などを活用するリノベーションによるまちづくりの両輪でまちの更新を図っています。

駅前地区の北に位置する青木地区は「巡りたいまち」がテーマ。こちらには郵便局、税務署、法務局などの公共公益施設が集まっており、スイーツ店や人気のベーカリーなど、魅力のある個店も揃っています。中心市街地の中では土地区画整理事業が完了した最も新しいエリアで歩道が広く、きれいな街並みも特徴です。JR「藤枝」駅にも徒歩10分程度の距離で住む場所としての評価も高い地域です。

訪れたいまち・住みたいまち・巡りたいまち「藤枝」
訪れたいまち・住みたいまち・巡りたいまち「藤枝」

――青木地区のまちづくりにおいて「青木中央公園」はどのように位置付けられていますか。

岡村さん:地域に住む方が主に利用する近隣公園の位置付けで、2013(平成25)年にオープンしました。 小さなお子さんが安心して利用できる遊具や芝生の広場があり、憩いの場として地域の方々に親しまれています。藤枝市地域防災計画では、大規模災害時に応急仮設住宅建設予定地に設定されており、防災面も含めて良好な居住環境づくりに大きく貢献しています。今後はイベントでの活用も予定していきたいですね。

青木中央公園(藤枝市提供)
青木中央公園(藤枝市提供)

「ほどよく都会!ほどよく田舎!」の藤枝市
移住のためのサポートメニューも豊富

――これから住む方へメッセージをお願いします。

岡村さん:住環境整備が進み、中心市街地は住む場所としてのブランド力が向上しています。さらに駅前地区では市街地再開発事業の計画が3カ所あり、にぎわい創出のイベントも活発に行っています。

「ほどよく都会!ほどよく田舎!」をキャッチフレーズに、藤枝市では子育てファミリー世帯や子育て前の仲良し夫婦などに対する移住・定住の支援制度も積極的に行っています。新築マンションも対象となっているので、ぜひこういった制度を活用して藤枝市で安心・便利な楽しい暮らしを実現していただきたいですね。

駅周辺道路空間活用イベント「て~しゃばストリート」(藤枝市提供)
駅周辺道路空間活用イベント「て~しゃばストリート」(藤枝市提供)

金曜夜のプチマルシェ「love local MARKET」(藤枝市提供)
金曜夜のプチマルシェ「love local MARKET」(藤枝市提供)

藤枝市都市建設部中心市街地活性化推進課
藤枝市都市建設部中心市街地活性化推進課

■今回お話を伺ったのは

藤枝市都市建設部中心市街地活性化推進課

岡村敏明さん
所在地 :藤枝市駅前2-1-5 藤枝市文化センター1F
電話番号:054-643-3111(代表)
URL:https://www.city.fujieda.shizuoka.jp/
※この情報は2019(令和元)年12月時点のものです。

利便性を高めた魅力溢れるコンパクトシティへの転換で、住環境としてのブランド力を高める藤枝駅周辺エリア/藤枝市都市建設部中心市街地活性化推進課 岡村敏明さん
所在地:静岡県藤枝市駅前2-1-5 藤枝市文化センター1F
電話番号:054-643-3111(代表)
https://www.city.fujieda.shizuoka.jp/