校長 永山誉先生インタビュー

明治時代から地域と共に学び・育つ。開校150周年を迎えたさいたま市内最古の公立校/さいたま市立高砂小学校(埼玉県)

埼玉県にある『さいたま市立高砂小学校』は、明治4年(1871年)開校の歴史ある小学校。地域の人々に愛され、令和2年度(2020年)には創立150周年を迎えた。教師と地域と保護者が一丸となって子どもたちを育てているという、そんな『さいたま市立高砂小学校』について、今年度から着任された永山誉校長先生にお話を伺いました。

「さいたま市立高砂小学校」永山誉校長先生
「さいたま市立高砂小学校」永山誉校長先生

開校明治4年(1871年)の歴史。地域や多くの卒業生に支えられ迎えた150周年。

――まずは、これまでの学校の歩みや、現在の学校概要をご紹介いただけますか。

永山校長先生:本校は、児童数1,000人を超える大規模校で、30学級あります。学校のシンボルは、正門わきの城壁のような外壁(真砂塀)と門(高砂門)、そして校庭の大いちょうです。真砂塀と高砂門は、昭和60年(1985年)3月に『浦和市市政50周年祝賀記念』の一環としてつくられました。また、大いちょうは、大けやきとともに校庭の両側に植えられ、春から夏にかけての青々とした葉の季節、秋の黄金色に輝く季節など、四季折々の表情を見せてくれます。子どもたちは、この木を毎日見ながら、時には日陰として活用しながら生活しています。シンボルツリーは、『高砂小学校』の象徴でもあり、生活の一部にもなっています。

「高砂小学校」のシンボル・正門わきの城壁のような外壁(真砂塀)と門(高砂門)
「高砂小学校」のシンボル・正門わきの城壁のような外壁(真砂塀)と門(高砂門)

永山校長先生:明治4年(1871年)3月1日に『玉蔵院』にて『浦和郷学校』として開校して150年。高砂小学校は、地域の方々に支えられながら発展してきました。今年度は、開校150周年の記念の年度として、開校150周年記念事業実行委員会の方々のお力により様々な記念事業が行われています。具体的には、次のような内容となります。

①150周年記念スポーツイベント(「浦和駒場スタジアム」にて12月7日実施)
②航空記念撮影
③開校150周年記念誌の発行
④給食麺用丼ぶり(オリジナル絵柄入り)
⑤わんぱくランド安全対策・緑化事業・看板リニューアル
⑥勇愛門、敬愛門、孔雀門の校名板リニューアル
⑦正門の植栽整備
⑧金管バンドによる校内チャイム
⑨校舎屋上に横断幕の掲示(校庭側・線路側)
⑩伊勢丹浦和店へ懸垂幕の掲示
⑪JR「浦和」駅とのコラボ企画
⑫学校に現存する歴史的資料の整理
など

150周年記念事業・伊勢丹浦和店へ懸垂幕の掲示の様子
150周年記念事業・伊勢丹浦和店へ懸垂幕の掲示の様子

――さいたま市内最古の伝統校として、学校に受け継がれているとも感じるものはありますか?

永山校長先生:開校150周年を迎え、まずは地域の方々の本校への思いを強く感じます。親子代々で本校出身という地域の方も多く、歴史と伝統のある学校の子どもたちのために、できることはないかと常に支援の手を差しのべてくれます。また、学校としましては、「すべては子どもたちのために」を合言葉に、校内研究が充実しているということです。教職員一人ひとりの研究に対する意識も高いです。本校は、毎年公開授業研究会を実施し、その研究の成果を発表するとともに、広く県内だけでなく県外からも参会者を得て、貴重なご意見をいただきながら研究を深めています。

「高砂小学校」の歴史を伝える看板
「高砂小学校」の歴史を伝える看板

永山校長先生:また、学校内にはこれまで卒業生が卒業記念に作成した作品がたくさん残されています。職員玄関の下駄箱も、卒業生が作成したもので、来校するお客様を温かく迎えています。お客様は、下駄箱を利用するたびに、その美しさに感心されています。

校歌と、卒業生が作成した職員玄関の下駄箱
校歌と、卒業生が作成した職員玄関の下駄箱

子どもたちも、保護者も、教職員も「よかった」と感じられるように。

――学校運営・教育活動のなかで実践していること・心がけていることなどを教えてください。

永山校長先生:本校は、子どもたちのために、教職員、保護者、地域によって支えられ、地域とともに発展していく学校を目指すとともに、「子どもが通ってよかった。保護者が通わせてよかった。教職員が勤めてよかった。地域にとって学校があってよかった。」と思える学校を目指し日々の活動を行っています。そのために、学校での時間の大半を占める授業の充実と、その基盤となる子どもたちの心のよりどころになる温かで人間関係の良好な学級づくりに力を入れています。「知・徳・体・コミュニケーション」のバランスのとれた人材の育成に努めています。

その他、健康教育が盛んで、「学校保健優良学校」、「学校歯科保健最優秀校・優良校」として何度も表彰されています。その背景として、保護者の意識が高いということと、学校医との連携もしっかりとれているからだと思います。

校内の様子
校内の様子

――クラブ活動や、貴校ならではの学校行事をご紹介ください。

永山校長先生:今年度は、『開校150周年記念スポーツフェスティバル』を『浦和駒場スタジアム』にて実施しました。本来ならば、『さいたまスーパーアリーナ』にて記念式典を実施予定でしたが、このコロナ禍により中止になったことに伴い、地域の方々のお力により実現に至ったものです。金管バンドの活動も熱心に行われていて、現在、4年生から6年生まで51名の部員が放課後や土曜日に練習しています。入学式や運動会などの学校行事での演奏はもちろん、今年度はこのコロナ禍において中止になりましたが、『浦和まつり』や自治会の夏祭り、浦和駅前点灯式といった地域行事にも参加して活動の場を広げています。

「金管バンド」など課外活動でも、地域やコンクールで活躍。
「金管バンド」など課外活動でも、地域やコンクールで活躍。

永山校長先生:PTA活動も盛んで、今年度は中止になりましたが、PTA主催の『高砂まつり』は、校庭、体育館、校舎内を利用した大規模なイベントが開催されています。学校行事としましては、今年度中止になりましたが、校内音楽会を毎年主に土曜日を利用し、保護者入れ替え制により実施しています。日頃の学習の成果の発表の場として、子どもたちの美しい歌声や美しい演奏を披露しています。

浦和エリアならではの教育環境を活かし、子どもたちの多様な進路も支援。

――浦和エリアは交通・行政・文化・商業等も集まる環境ですが、子育て・教育面での魅力やメリットはありますか?

永山校長先生:本校は、旧浦和市の中心街にあり、歴史に触れる場としても、地域のつながりに触れる場としても魅力があります。様々な情報が集まるこの地は、様々な文化や情報に触れられる場として、子どもたちの成長に何らかの影響を与えてくれるものと思います。この環境を生かし、さらなる発展を促していくことが大切であると考えます。

「浦和駅」周辺は古くから市の中心として、商業・文化施設などが集まる。(写真は駅東口前のロータリーと「浦和PARCO」)。
「浦和駅」周辺は古くから市の中心として、商業・文化施設などが集まる。(写真は駅東口前のロータリーと「浦和PARCO」)。

――浦和エリアは学校も多く、教育熱心なご家庭も多いと聞きますが、保護者・お子さんの様子などはいかがでしょう。私立受験をされる6年生もいるのでしょうか。

永山校長先生:旧浦和の中心地にあって、様々な情報が集まるこの地は、教育熱心のご家庭が多いのも事実です。授業参観等学校公開の際には、多数の保護者の参観があります。学校への関心も高く、様々なご意見をいただきながら学校経営を行っています。また、子どもたちは、明るく元気で素直なところが一人ひとりの成長につながっています。夢や希望をもちながら、将来の進路を考え、一つの手段として私立受験に臨む児童もいます。公立・私立、様々な進路はありますが、子どもたち一人ひとりがよりよく生きていけるような、一人ひとりに応じた支援に努めてまいりたいと思っています。

浦和エリアは、子育て世代も多い街。(写真は「浦和中央公園」)
浦和エリアは、子育て世代も多い街。(写真は「浦和中央公園」)

地域の多彩な施設や、近隣の学校とも活発に交流。学びのフィールドも広がる。

――周辺地域の施設や町の人との、関わり・交流活動などがあれば教えてください。

永山校長先生:開校150周年という節目の年に、地域の方々につないでいただき、『伊勢丹』や浦和駅とのコラボ企画を考えています。金管バンドの演奏や子どもたちの作品展など、これを機会に今後もつながりを大切にしながら交流を盛んにしていきたいと考えています。その他、例年の活動として、例えば2年生のまち探検などで地域の商店などにお邪魔していろいろな話を聞かせていただいたり、『調神社』の宮司さんに4年生が話を伺ったり、学習面で地域の方々に支えていただいています。

浦和エリアならではの施設も学びの場に。(写真は「調神社」)
浦和エリアならではの施設も学びの場に。(写真は「調神社」)

永山校長先生:また、本校の主な進学先となる『さいたま市立岸中学校』とは、小中連携の一環として、中学校の先生が定期的に小学校の授業に入っていただいています。また、毎年つぼみの日には、6年生が学校見学をするなど、小学校から中学校へのつなぎも大切にした取組も行っています。その他、今年度は中止になりましたが、異年齢集団による活動を通して、社会性や人間性を養うことを目的に、「夏休みわくわく夢講座」として、8月に「岸中学校」において各教科の講座が主に5・6年生を対象に開かれたり、「夏休みわくわく体験教室」として、同じく8月に『浦和第一女子高等学校』の教員及び生徒による4・5・6年生を対象に理科教室等も開かれたりしています。また、10月には、『浦和第一女子高等学校』の生徒が小学校の各教室に入り交流も行っています。

「市立岸中学校」や「浦和第一女子高等学校」など近隣の学校との交流も。(写真は「浦和第一女子高等学校」)
「市立岸中学校」や「浦和第一女子高等学校」など近隣の学校との交流も。(写真は「浦和第一女子高等学校」)

未来に向けて、時代の変化をとらえ、新しい学校の在り方に挑戦していく。

――創立150周年を経て、「新たなスタートの年」とも謳われていますが、学校の未来への思いをお聞かせください。

永山校長先生:教育にはよく“不易と流行”があると言われています。変わらず大切にしなければならないことと、時代の要請に応えるべく挑戦し続けなければならないことがあります。

特に、このコロナ禍にあって、児童一人一台のタブレットPCの導入という「GIGAスクール構想」は、これまでの教育の在り方に新たな風を吹き込むものでもあります。これまでの指導と新しい指導の在り方を上手くミックスしたハイブリッドな授業展開への転換を図っていきます。

校庭に立つ「高砂小学校」のシンボルツリー、大いちょう
校庭に立つ「高砂小学校」のシンボルツリー、大いちょう

まとめ

いかがでしたでしょうか。明治時代から、変わらずに地元さいたま市と教師、そして保護者が一丸となって教育にあたる同校。親子代々で通われている地元の方や、あらたに埼玉県さいたま市へ移住してくる方々、それぞれの世代を越えた歴史と伝統が受け継がれているだけでなく、地域との連携による人間関係の構築など、これからの人生、社会経験として必ず必要になる大事なことも学べる環境にあるということがわかりました。また、地域の方々との連携によって、街ぐるみで物事を成すことの大切さも、同校での教育を通じて学べる環境ということに、こだわりを強く感じました。これから、埼玉県さいたま市への移住と、子どもの教育を考える際の参考にしていただければ幸いです。

さいたま市立高砂小学校

永山誉 校長先生
所在地:さいたま市浦和区岸町4-1−29
電話番号:048-829-2737
URL:http://takasago-e.saitama-city.ed.jp/
※この情報は2020(令和2)年12月時点のものです。※感染症予防対策のうえ、取材を実施しております。

明治時代から地域と共に学び・育つ。開校150周年を迎えたさいたま市内最古の公立校/さいたま市立高砂小学校(埼玉県)
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