店主 松原さんインタビュー

先代の製法はそのままに、時代に合った旨さを。地域と共に成長する老舗煎餅店/三代目満作(埼玉県)


浦和区仲町は「浦和」駅の西側に広がるエリアで、旧浦和宿の中心部にあたる歴史の深い街。懐かしい日本家屋が軒を連ねる一画に、昭和28年創業の老舗煎餅店「三代目満作」がある。

昔ながらの手焼きにこだわった伝統製法で焼き上げられる渾身の一枚は、百聞は一食に如かず。同店のこだわりや地域の魅力について店主松原さんに話を伺った。

三代目満作
三代目満作

押し瓦で焼いていく
押し瓦で焼いていく

――まず、「三代目満作」の歴史についてお聞かせください。

松原さん:昭和28年よりここ浦和の地において手焼きせんべいを製造、販売しております。私の祖父にあたる先代は当時浅草・向島に住んでいまして、草加で職人として修行。浦和か鎌倉かの選択肢があったそうですが、この地を気に入り開業したと聞いています。

現在は私の母と店を切り盛りしていまして、先代からの伝統を引き継ぎ、米は厳選した新潟産コシヒカリのうるち米、醤油は小豆島の丸金、炭は紀州・備長炭を使用し、1枚1枚丁寧に押し瓦を用いて焼いています。素材本来の良さを引き出し、一切添加物を使わないこだわりは先代からの教え。米本来の甘みと香りを楽しんで頂きたく、あえて生醤油のみを塗り焼いています。

三代目満作 内観
三代目満作 内観

丸金醤油を塗り焼くことによって煎餅を噛んでいくと、ほのかに甘みを感じる優しい味わいが生まれます。当店の暖簾は金醤油さんから頂いた大切なもの。今後も素材へのこだわりは妥協せずに、美味しい煎餅を焼き続けたいと思います。

三代目満作 外観
三代目満作 外観

三代目満作 内観
三代目満作 内観

――おすすめの商品について教えてください。

松原さん:季節限定のものなど四種類の商品を販売しています。伝統の丸焼き煎餅「満作せんべい(醤油味)」は、長年皆様から愛されている人気商品。

私の代からは、四万十川産のあおさを使った炭火で焼き上げた海苔とは、ひと味ちがった香り豊かな軽い食感の「あおさせんべい」、栄養価の高い秋田県産アマランサスを生地に練り込んだプチプチ食感が美味しい「アマランサスせんべい」など、バラエティ豊かな商品も販売しています。

その他にも贈答用などに人気の煎餅の「詰め合わせ(中・大)」もご用意しています。婚葬祭、引き出物、ショップオープン時のノベルティなども各種承っておりますので、お気軽にご連絡いただければと思います。

満作せんべい
満作せんべい

――昭和28年に創業されて以来、地元の方から長く愛されていると拝見しました。

松原さん:地元の方から遠方の方までご来店や注文を頂いています。お盆など帰省の時期には、贈答用に詰め合わせの商品が人気ですね。最近では若い方が当店のレトロな佇まいや煎餅を焼いている雰囲気を見て、“かわいい!”と言って盛り上がっている様子です。いわゆる“インスタ映え”がするのでしょうか。とてもありがたいですね。

店内にはクーラーが付いていますが、火鉢を焚いているので全くというほど効かないことが悩みの種(笑)。ここは日本家屋で風通しはよいものの、暑さ対策は万全にして、これからも美味しい煎餅を焼いていきたいと思います。

趣のある日本家屋
趣のある日本家屋

煎餅は硬いものですが、母からはもっとやわらかく焼け、と指摘を受けます。両面を均等に焼こうとすると、つい力が入りすぎて煎餅が反り返ってしまうんですね。もっともっと技術を磨いて、お客様に美味しい煎餅を届けていきたいと思います。

1枚1枚丁寧に焼いていく
1枚1枚丁寧に焼いていく

――60年以上浦和の街を見てこられて、街はどのように変化しているように感じられますか。

松原さん:マンションが建ち並び街並みも変わっていくことは少し寂しいなあと思う反面、新しい人たちが増えて新たな賑わいの創出にもつながっていると思います。当店の前は通勤・通学路にもなっていて、「埼玉県庁」に通勤する人が朝晩行き来して、保育園に通う子供たちが「行ってきまーす!」と気さくに挨拶を交わすのが日常の風景。街の人はふらっと当店に立ち寄り、火鉢前の小上がりに腰かけて、地元の人も新しい人も関係なく気軽に談笑するなど、コミュニケーションの場としての利用もあります。街の成長をずっと見守り、人との触れ合いが育まれる、街の人にとって当店はそんな温かい場所でありたいと願います。

街のコミュニケーションの場にもなっている
街のコミュニケーションの場にもなっている

仲町1丁目はスーパーやデパート、チェーン店等が点在する利便性の高い賑々しい雰囲気、3丁目は閑静な住宅街が広がり、その間にある2丁目は美術館や神社、歴史のある建物が点在していて趣のある雰囲気が特徴。商店街と住宅街の良いところが共存していて、利便性と暮らしやすさを実感できる街並みが特徴です。

三代目満作 内観
三代目満作 内観

――裏門通りの雰囲気や、賑わいについてお聞かせください。

松原さん:旧中山道につながる「浦和裏門通り」にはレトロな街並みが多く残されています。裏門とは、「埼玉県庁」の裏門に通じることからその名前が付いたのが由来。懐かしい日本家屋の民家や、戦前の看板建築も点在していて昔ながらの銭湯も残されています。平日休日昼夜を問わずランチやディナーなど飲食に訪れる人も多く、賑わいが絶えない印象です。夏には地域のお祭りがあるので、子供たちや地域の人たちが山車や神輿を担いで、街は活気に満ち溢れます。当店も長年地域と一体となって祭りを盛り上げています。これからも引き続き地域活性に力を注いでいきたいと思います。

裏門通り
裏門通り

――浦和仲町エリアの魅力についてお聞かせください。また、これから新しく街に住まわれる方々に向けて一言お願いいたします!

松原さん:駅から近くアクセスも抜群。広い「常盤公園」や「中央公園」、スーパーなどの買い物施設、病院も公共機関も生活圏内に点在しているので、暮らしやすい環境が整えられています。「埼玉県警察本部」も近くにあり、防犯の面でも安心。学校などの教育機関も充実していて、ハイレベル教育も身近にあり、子育て環境も整えられています。都会の良さと田舎の良さが同居する、人の温かさを感じることができる素晴らしい街です。ぜひいらしてください。

三代目満作

店主 松原さん
所在地 :埼玉県さいたま市浦和区仲町2-17-6
電話番号:048-822-8966
URL:http://mansakusenbei.jp/
※この情報は2021(令和3)年7月時点のものです。

先代の製法はそのままに、時代に合った旨さを。地域と共に成長する老舗煎餅店/三代目満作(埼玉県)
所在地:埼玉県さいたま市浦和区仲町2-17-6
電話番号:048-822-8966
営業時間:9:00~18:00
定休日:日曜日、祝日
http://mansakusenbei.jp/