結婚を機に東京から移住。分刻みの都会の生活から、自然を楽しむゆったり時間のライフスタイルへ(千葉県)
結婚を機に都内から木更津に移住した松田さん。都会暮らしだったこともあり、移住当初は戸惑うことも多かったが、すぐに地域に溶け込んでいけたと話す。豊かな自然環境がありながら、都心へのアクセスも優れた「都心に最も近い田舎」と言われる木更津に暮らして15年。実際に住んでみての暮らしやすさ、自然環境や買い物事情などを伺った。
時間のリズムが変わった木更津での暮らしとは
――まずは、木更津に移住されたきっかけを教えてください。
松田さん:以前は都内在住で、都内で勤めていました。結婚を機に、主人の勤務先である木更津に移住しまた。事前によく調べてこの街にということではなく、よく知らないまま移住となり、住んでから木更津を知っていったんです。
移住してもう15年になりますが、移住してすぐの木更津と今の木更津は全然違うような気がします。「三井アウトレットパーク 木更津」も「イオンモール木更津」もなかった。高速バスはあったけど、だいぶ様変わりしたと思います。その当時は田舎で暮らしやすそう、という感じでした。自然が豊かで遊び場もたくさんあり、都内にも通いやすいというイメージでした。
――この15年で街はどのように変わったと感じましたか。
松田さん:移住者が増えて発展してきました。大きな商業施設が増えて、買い物もしやすくなったと思います。ほどほどに田舎で商業施設も充実して、都内のように渋滞に巻き込まれないし、とても暮らしやすいです。ちょっと一歩入ったら、海も山もある。アウトドアの遊びもたくさんできるし、買い物もすぐに「三井アウトレットパーク 木更津」に行ける。そう意味では、とても魅力的な場所だなと思います。
――木更津は豊かな自然環境がありながら、都心へのアクセスも優れた「都心に最も近い田舎」とも言われています。移住前との生活の変化について、お聞かせください。
松田さん:住む前の木更津の私のイメージは「木更津キャッツアイ」のドラマそのもののイメージだったんです。ジャージ着て、スリッパ履いてみたいな。私は鹿児島の田舎の出身なのですが、福岡や東京で勤務していたこともあって、木更津に来た当初は何もない田舎だと思っていました。でも実は、よくよく探してみるとオシャレなカフェなど色々あって、それはこちらに来て学びました。
――都内の生活と特に違うと感じるところは、どのようなところでしょうか。
松田さん:時間の感覚が違うような気がします。例えば都内だったら山手線は3分置きくらいで来て時間が分刻みのような感じがしますが、今では子どもがいる関係もありまして、ふらっと30分くらいかけて車で公園に出かけて、ゆったりとした時を過ごしています。海に面した公園や、隣の市の「袖ヶ浦公園」や「百目木公園」などにも出かけます。
移住者コミュニティ「かずさクラス」を運営
――松田さんは市民活動の一環として、「かずさクラス」という移住者コミュニティを運営されていたと伺いました。
松田さん:きっかけは、息子のサッカーチームで出会ったママさんが移住者で、「移住者は、最初は大変だよね」なんてことをよく話していて。そういう人たちに向けて情報を発信できたら面白いんじゃないかと始めたんです。活動していくと、意外と移住者も多いとこがわかり、市民団体として活動しました。今は立ち上げた人が海外に移住したり、自分もフルタイムで働き始めたので、一旦活動は休止しています。
――現在活動は休止中とのですが、木更津ではそういった活動がよく行われているのでしょうか。
松田さん:移住者のためのという括りではないですが、若い人たちで市を盛り上げたいという団体はいくつかあります。息子の中学校エリアの公民館を活動場所にしている市民団体もあります。私の住むエリアでは、公民館主催でお正月のお飾りを作るとか、色々なイベントや横のつながりがこうした団体経由であったりするので、楽しく参加しています。
渋滞が少なく、移動も楽々。車でのんびりと公園へ
――車移動で渋滞がないというのも良いポイントですよね。
松田さん:都内の分刻みの生活から、車で30分乗って移動というのは普通な感じで。体感では渋滞がないので10分くらいの感覚です。ただアクアラインから降りてきての金田付近は、人気スポットなので土日は混むようです。
――移住されてからの、平日や休日の過ごし方についてお聞かせください。
松田さん:現在はフルタイムで働いていますので、平日は仕事人です。子どもが3人いるので、休日は子ども中心の生活となってかなり変わりました。変化という点でいうと、以前はアウトドアが大嫌いだったのですが、こちらにきてからはキャンプによく行くようになりましたね。また、家と家の間隔もこちらは広いので、お庭で焚き火やバーベキューしたりすることもありますね。夏場は花火もできるので、とてもゆったり過ごしています。
「小規模特認校」で学ぶという選択
――木更津市では子育てにおいてどのような取り組みをしていますか?
松田さん:木更津市の取り組みで「小規模特認校」という制度があるんですけど、娘を学区外の小さな小学校に入れているんです。その小学校はどの学区からも通って良いという「小規模特認校」で、車で20分位の距離のところに通わせています。ここはスクールバスで送迎もしてくれます。
「小規模特認校」という制度は、「かずさクラス」の活動を通して知りました。上の子は800人を超える小学校に通っていますが、「小規模特認校」は全部で60人、1学年20人もいないんです。全学年で遠足に行ったり、校庭に牛が来て全学年で乳搾りするとか。木登りや田植え体験、干し柿作りなど、人数が多いところではできないような体験ができる。全学年でやるので、子ども同士の距離感が近く、協力し合うことで責任感も生まれる、そんな「小規模特認校」の教育に惹かれて、通学を決めました。
それから、学童保育もたくさんありますね。さまざまなエリアでバスの送迎があるので、選択肢は広がっています。幼稚園は年少前から入れるところもあり、預かり保育の時間も長くなっています。ファミリーサポートや一時預かりなどもあり、私自身これらの制度にとても助けられました。
自然環境に恵まれ、嫌いだったアウトドアが大好きに
――先ほどアウトドアのお話が出ていましたが、木更津の自然環境についてはどうでしょうか。
松田さん:このあたりは自然が豊かなので、キャンプ場がたくさんあり、都内からのお客さんもたくさん訪れます。あとはすぐ近くの海で、シーカヤックの体験ができます。だから午前中にシーカヤックやって、午後にコストコでお買い物なんてこともできるんです。外遊びが魅力的で、自然に触れるのに最高なところです。
松田さん:山に入れば小川があったり。徒歩圏内で夏場は蛍の鑑賞会を公民館主催で実施しています。地域のイベントも多く、子ども会もあるので季節のイベントもあって、楽しんでいます。
鮮度抜群の魚介類や野菜で、買い物も楽しい街
――木更津の暮らしやすさはどうでしょうか。
松田さん:スーパーもたくさんあるので暮らしやすいです。また、魚もとれたての魚が並びます。魚市場の食堂も安いですし、道の駅でのお野菜もとにかく安くて新鮮です。筍も30cmくらいのサイズが300円ほどで売っていたり、最近のお気に入りは、袖ヶ浦の「東京ドイツ村」の近くにある「tassoの森」で売っている、堀越農園の梨より甘い大根です。中には大きな段ボールにいろんな野菜がたくさん入ったセットが、たったの1,000円のものもあったりして、うれしくなっちゃいます。道の駅では、畑からそのまま収穫できる野菜も購入できるイベントが開催されていることもありますよ。
あとこの辺はイチゴ農園が多いので、イチゴの季節には信じられないくらいの価格で購入できます。食に関してはとても充実していると感じますね。
今後やってみたいことは、野菜作り!
――今後、木更津の暮らしでチャレンジしてみたいことや、将来の展望などあれば教えてください。
松田さん:今は休止していますが、できる範囲で「かずさクラス」を続けたいですね。以前は情報発信しかできなかったので、もうちょっとフォーカスしてエリアに寄り添った形で何かできないかと。あとは畑を借りて、野菜を作りたいです。すぐ借りられるので、いろんな人がやっています。歩いていると、おじいちゃんが畑の前で野菜を売っている光景はよく見ます。
――最後に、これから木更津に住むことを検討されている方にひと言お願いいたします!
松田さん:まず何より暮らしやすいです。道路も広く渋滞も少なく、東京へのバスもありますし、通勤圏内です。山や海が近くアウトドアが好きになって、価値観が変わりました。海からは富士山も見えて、夕日もとっても綺麗です。館山など房総が近いので、夏場には綺麗な海で海水浴もできます。ぜひゆったりとした暮らしを楽しんでほしいです。

松田夏代さん
鹿児島県出身、3人の子どもを持つ41歳。都内で就職後、結婚を機に木更津へ移住。自身の経験を踏まえ移住者のための情報発信基地の「かずさクラス」を立ち上げるなど、積極的に地域活動を行う。
※この情報は2024(令和6)年5月時点のものです。
結婚を機に東京から移住。分刻みの都会の生活から、自然を楽しむゆったり時間のライフスタイルへ(千葉県)
所在地:千葉県木更津市