園長 薩摩先生インタビュー

「上尾」駅から近く、歴史ある安心の幼稚園/あげおようちえん(埼玉県)


JR高崎線「上尾」駅から徒歩7分、閑静な住宅街に子どもたちの楽しげな声が響く。70年以上の歴史を持ち、運動、学び、音楽とバランスの取れた教育を行っている「あげおようちえん」だ。今回は、園長の薩摩先生に教育の特色や上尾エリアの子育て環境などについて伺った。

あげおようちえん 園長 薩摩先生
あげおようちえん 園長 薩摩先生

体育ローテ―ションで心身を目覚めさせ、日課活動で集中力と行動力を養う

――「あげおようちえん」は1952(昭和27)年に開園した歴史ある幼稚園とお聞きしています。その歴史と園の概要を教えてください。

薩摩園長:上尾市で最初にできた埼玉県認可の幼稚園で、親御さんが通っていたという園児もいます。駅からも近く、立地条件の非常にいいところです。創立者の谷川真海先生はお寺の息子さんだったのですが、キリスト教の牧師になり当園を開きました。

正門
正門

幼稚園は保護者のための施設ではなく、あくまでも子どものための施設です。子どもに重きを置いた保育をめざす当園としては、4~5歳ぐらいまでは家庭保育も大事であると考えていますが、長時間預けられる保育所を選ぶ方が増えているのも実情かと思っています。需要の高まりを受けて地域には保育園も増えています。現在通っている園児は170名となっています。幼稚園ですので午後2時までしか保育できませんが、1時間200円で午後6時30分まで、朝は7時40分から8時30分まで預かり保育を実施しています。

明るい色が印象的な園舎
明るい色が印象的な園舎

――教育目標の「やさしく かしこく たくましい子」について、特に力を入れていらっしゃる保育内容やその特徴について教えてください。

薩摩園長:幼稚園は幼な子の園。キンダーガーデンであってスクールではありません。子どもたちは広い庭で遊びながら、友だちとの関係や思いやり、約束や決まり事を学んで育つべきだと思います。知識を教えて分からせるのではなく、心と身体を刺激することで子どもたちが持つ力を伸ばすよう心がけ、職員全員が日々保育に励んでいます。

充実した遊具
充実した遊具

「体育ローテーション」や「日課活動」などが本園の特色でしょう。登園後1時間は遊びの時間で、園に着いたらすぐに体育着に着替えて友だちや先生と一緒に自由に遊びます。

その後10時から15分ほどの体育ローテーションを実施しています。園庭に縄跳び、ゴム段、一輪車、鉄棒、跳び箱、平均台、マットなど、さまざまな体育用具を配置して、端から順番にローテーションしていきます。できないものを無理にはさせないという考え方で、体をしっかり動かして頭も心も目覚めさせます。準備や片付けは、先生と年長の子どもたちが一緒にやっています。

思いっきり体を動かせる、広い園庭
思いっきり体を動かせる、広い園庭

体育ローテーションを終えたら教室で礼拝をして心を落ち着け、フラッシュカード等を使った日課活動を行います。これも15分くらいで、集中力や行動力を養うことを目的としています。

まず先生が子どもの名前を漢字で書いたカードを見せながら出欠を取ります。子どもたちは名前を呼ばれたら大きな声で返事をします。1年もやれば、おぼろげながら自分の名前の漢字が分かるようになります。

明るく広く、音響設備の整ったホール
明るく広く、音響設備の整ったホール

ほかにも、国旗を見せて国を当てるゲームでは、みんな一緒に大きな声で国の名前を言うことで、楽しみながらさまざまな国名や国旗を覚えていきます。当園の運動会では万国旗に子どもたちの手書きの旗を使っているのですが、子どもたちは柄をよく覚えていて、ユニオンジャックのような複雑なデザインもきちんと塗り分けます。子どもによってネパールやケニアなどそれぞれお気に入りの国旗がありますね。

1段に10個の玉が付いた10段のそろばん、100玉そろばんを使って球を唱える遊びでも、計算という意識がない中で足し算や引き算の考えが自然と身についていきます。このように、遊びの延長で多くを学べる日課活動に取り組んでいます。

また、園庭には夏みかん、ビワ、柿といった実のなる木を植え、普段から自然とふれあえるようにしています。夏みかんがなるとクラスごとにみかん狩りをしてみんなで食べています。年長の子たちはプランターでキュウリやナスやトマトなどを育てています。トマト嫌いの子も、自分で水をやって育てたトマトは食べるんですよね。植物の成長過程を見ることで気づきもあるでしょうし、多くのことを学んでいると思います。

園庭には多くの果実のなる木が植えられている
園庭には多くの果実のなる木が植えられている

――「動きとことばとリズム」を基調とした「特別保育」も積極的に行っていらっしゃるとお聞きしました。具体的な取り組みや内容を教えてください。

薩摩園長:園外の講師にお願いして体育、音楽、英語などを教えてもらっています。どれも子どもたちが楽しめることが前提で、英語では歌を歌ったり、体育では一人ひとりが出来ることに挑戦したりしています。音楽は年少から鍵盤ハーモニカを演奏しますが、「チューリップ」の「咲いたー、咲いたー」の部分だけを弾くなど、比較的簡単にできることから始めます。無理なく覚えていき、年長になると運動会で鼓笛パレードを披露します。1年の集大成として年度末に年少から年長まで音楽発表会をしています。

田舎でもなく都会でもない、東京との絶妙な距離が魅力の上尾エリア

――上尾市の子育て環境の良さや特徴的な部分があれば、教えてください。

薩摩園長:先ほど申し上げたように、保育園がたくさんあります。先日お会いした上尾市の保育課の方によれば、現在市内で待機児童がいるのは1歳児だけだそうです。そして、3歳まで通える小規模保育園を積極的につくっていて、3歳になったら幼稚園に行くか違う保育所に行くことを選べるようにしていると。そういった選択肢があることも、上尾市の子育て環境の魅力ではないでしょうか。

上尾市に限ったことではありませんが、国の政策で保育料が無料になったことで、余裕が生まれたご家庭では習い事など子どもたちに様々なことを体験をさせてあげられるようになったと思います。当園でも保育時間後に、ピアノや英語、ダンスといった教室を運営する団体に場所を貸しています。幼稚園の後に家に帰らずそのまま利用いただけるので、重宝されていますね。

――「上尾」駅周辺の子育て環境の良さや特徴的な部分があれば、教えてください。

薩摩園長:子どもたちが遊べる公園が充実していて、子育て環境は良いと思います。園外保育にしろ遠足にしろ、子どもたちを連れて行く場所に困りません。よく行くのは、JR高崎線を越えた先にある「上尾丸山公園」。少し離れているのでバスで行きます。自然豊かな広いところで遊具やミニ動物園もあり、子どもたちは喜んで遊んでいます。

「上尾丸山公園」の様子
「上尾丸山公園」の様子

他にもさまざまな公園があり、古い設備の修繕や新しい遊具の設置もなされ、子どもたちの遊ぶ環境は整備されていると思います。遠足は、年長は保護者と一緒に加須市の遊園地「むさしの村」に、年中は「上尾丸山公園」に、年少は「伊奈町制施行記念公園」内にあるバラ園に行っています。バラ園は秋に行っているのですが、子どもたちはバラの花よりたくさん落ちているどんぐりに夢中ですね(笑)。

子どもたちからはよく「イオンモール上尾」の話を聞きますね。旧中山道を大宮方面に行ったところにあって、公園が併設されていたり、さまざまな催し物をやったりしていて楽しめるようです。

こどもたちも大好きな「イオンモール上尾」
こどもたちも大好きな「イオンモール上尾」

――最後に、上尾エリアの魅力、“ここを自慢したい”という点をぜひお聞かせください。

薩摩園長:東京からの程よい距離がいいですね。田舎でもないし、都会でもない。ガチャガチャしていなくて非常に住みやすいと思います。例えばさいたま市だと少し東京に近すぎる気がします。「上尾」駅前は「丸広百貨店」などもあって車通りも多いですが、浦和や大宮ほど賑やかすぎませんし、西口には田んぼが広がっています。当園も市街地の真ん中にありますが、道路を一本入っただけで車の音などほとんど聞こえず静かです。私はそういったところが上尾ならではの魅力だと思います。

園長 薩摩雅宏先生
園長 薩摩雅宏先生

学校法人平和学園 あげおようちえん

園長 薩摩雅宏先生
所在地:埼玉県上尾市仲町2-1-14
電話番号:048-771-0703
FAX:048-774-6220
保育時間:月~木曜日8:30~14:00 金曜日8:30~13:30
お預り 朝7:40~8:30 午後6:30まで
休園日:土・日曜日、祝祭日、県民の日、創立記念日、その他
URL:http://www.ageo.ed.jp/
※この情報は2024(令和6)年9月時点のものです。

「上尾」駅から近く、歴史ある安心の幼稚園/あげおようちえん(埼玉県)
所在地:埼玉県上尾市仲町2-1-14
電話番号:048-771-0703
保育時間:月~木曜日8:30~14:00 金曜日8:30~13:30
休園日:土・日曜日、祝祭日、県民の日、創立記念日、その他
http://www.ageo.ed.jp/