中学校区の3校でしっかり連携、9年間を見据えて子どもを導く/川口市立在家小学校(埼玉県)
JR武蔵野線「東浦和」駅から徒歩20分ほど。「川口市立在家小学校」は一級河川の芝川沿いにある。同校は小中の9年間を見据え、中学校区の学校と連携を重視。九九や漢字といった基礎学習と家庭学習の習慣化に力を入れている。2025(令和7)年度に赴任した校長の萩原先生と、昨年度着任した教頭の向井先生に、具体的な取り組み内容や地域の魅力についてうかがった。
縦割り活動で異年齢交流 3年生以上では教科担任制
――まず「川口市立在家小学校」の概要と沿革をお聞かせください。
萩原校長先生:本校は1981(昭和56)年に開校し、来年2026(令和8)年度には45周年を迎えます。現在の児童数は340人で、各学年2クラスずつ、計12のクラスあります。川口市内にある52校の市立小学校の中でも小規模な方で、アットホームな感じですね。
向井教頭先生:児童数に対して校庭が広いので、伸び伸びと遊べます。運動会や持久走大会などの行事も全て校庭内でできますし、保護者の皆さんの観覧スペースも十分に準備できています。
萩原校長先生:昨年夏には、子どもたちが使う教室棟のトイレが大規模改修されました。昔ながらの和式タイプから洋式になり、子どもたちにとって使いやすくなりました。また、男性用の職員トイレにはおむつ替えシートを設置しました。授業参観や学校行事などで、お父さんが下のお子さんを連れて来校された際にも使っていただけます。
――学校教育目標の「かしこく やさしく たくましく」と、目指す学校の姿として掲げられている「学びワクワク 笑顔キラキラ 元気モリモリ 在家小」について想いをお聞かせください。
萩原校長先生:教育目標は、文科省が提唱する知・徳・体を表現しています。生きる力を構成する3要素ですね。それを子どもたちにもわかるようにキャッチフレーズにしたのが目指す学校の姿です。「学びワクワク」の部分は、子どもが楽しみになるような授業を意識してほしいと先生方にもお願いしています。「笑顔キラキラ」は、すべての子どもたちが輝く笑顔になれるよう、居場所ができるよう、一人一人のニーズに合わせた対応しようと話しています。「元気モリモリ」は、体と心両方の健康をめざし、早寝早起きや朝ごはんといった生活習慣も含めて考えています。
――「在家小学校」独自の教育や特色ある取り組みなどがあれば教えてください。
萩原校長先生:全学年が一緒に遊ぶ、「仲良しグループ」という縦割り活動の機会を設けています。低学年の子どもたちは高学年の子たちが主導するなかで楽しく遊び、逆に高学年の子どもたちは低学年の子たちのペースに合わせながら遊ぶ。高学年の子たちにとっては大変なこともあると思いますが、自然と相手のことを思いやる気持ちが育まれ、心の成長にもつながっています。
教育課程の見直しなどで縦割り活動を削る学校も増えていますが、1人っ子が増え、家族が小さくなっていく中、異年齢同士の関わりはやはり大事です。
特に今の6年生は、コロナ禍で入学が2カ月間遅れた学年です。入学式も親御さんお1人だけで、入学後も分散登校など人と密に関わることが難しかった中でも、リーダーとして頑張ってくれています。そんな思いもあり、卒業式は人数制限なしの形で盛大に送り出してあげたいですね。
萩原校長先生:また、3年生以上で教科担任制を採用しています。子どもたちにとっては多くの先生の授業に慣れられますし、私たち教員としても子どもたちを複数の目で見ることがメリットだと感じています。担任1人で大勢の子どもたちのすべてを見るのは難しいものです。子どもにも得意不得意がありますから、複数の教員が見ることで一人ひとりの良さを見つけやすくなると感じています。
基礎学力の定着と家庭学習の習慣化に注力
――基礎学力の定着や学習習慣を身につけるために、特に力を入れている指導はありますか?
萩原校長先生:家庭学習の習慣をつけるため、音読、漢字ドリル、計算ドリル、ぐんぐんノートの4つの宿題を出しています。「ぐんぐんノート」というのは中学校との連携の中で生まれた家庭学習用のノートで、漢字の練習や自由研究など使い方は自由です。ただ、どうやって学びに活用すべきかわからない子もいると思うので、先生方にはより具体的な活用方法を示してあげるよう伝えています。
向井教頭先生:空き教室にまなびルームというものを設け、週に2回、担当教員が昼休みに授業や宿題でわからないところを教えています。また、家庭学習用のプリントを置いて子どもたちが自由に持ち帰れるようにしています。
萩原校長先生:私が赴任した今年度からは、漢字と九九の指導徹底を先生方にお願いしています。漢字が読めないとどの教科でも問題文の理解に差し支えが出てきますし、九九ができないと割り算や分数の計算、面積や体積の計算など多くの計算が難しくなってしまうので。漢字は今年から学期末に50問テストを行っていて、優秀者には漢字王とスーパー漢字王として賞状をあげています。子どもたちも「ぐんぐんノートでいっぱい練習してきた!」とか「1学期は漢字王だったから、2学期はスーパー漢字王になる!」と意気込んで頑張っています。九九を習う2年生の掛け算はご家庭の協力と担任の先生のチェックでフォローしていますが、2学期からはアシスタントティーチャーさんにも重点的に支援してもらおうと考えています。
向井教頭先生:九九については検定をやっていて、2年生は先生のところに行って九九を言い、ハンコをもらいます。3年生以上はタイムアタック形式で、階段の踊り場にクラスごとの最速タイムを掲示しています。三角形の面積を求める式など公式のテストも定期的に行っています。
――近隣の「柳崎小学校」「在家中学校」と小中連携を推進しているそうですね。現在の主な取り組みについてお聞かせください。
萩原校長先生:コロナ禍にもこの在家中学校区の3校で連携していました。中学校への進学で子どもたちが大きなギャップを感じないよう、9年間を見据えて生活ルールや学習の進め方を3校ですり合わせ、小学生のうちに家庭学習の定着を図るというものです。しかし、やはりコロナ禍とあって思うようにできない部分も多々あったようです。そこで、在家中学校の校長先生と話し合い、改めてしっかり持続可能な連携をしていくことを確認しました。
この夏休み中にも合同研修を実施し、教科指導に関することをはじめ、生徒指導や特別支援についてなど、3校の教員が集まって話し合いました。中学校としてはここまでは小学校で教えて送り出してほしいとか、小学校では道徳の授業をこんな風に進めているとか、あるいはタブレット端末の効果的な使い方など、全教員で情報を共有し、課題について意見交換を行いました。
萩原校長先生:また、大規模災害を想定した引き渡し訓練は在家中学校と合同でやっています。3学期には、在家中学校の先生が本校に来て6年生に出張授業を行い、子どもたちに中学校の授業の雰囲気を体験させてくれています。
温かい人々とのどかな自然に囲まれた在家町エリア
――校長先生から見て、通われている子どもたちや保護者の方には、どのような雰囲気の方が多いでしょうか?
萩原校長先生:素直で子どもらしい子が多いなと思います。いまは保護者の方々もお忙しくて、本校がある神根地区でもPTAがなくなってしまった学校がいくつもあります。でも本校はPTAやおやじの会もあり、子どもたちのために尽力してくださっています。活動の仕方を見直して、できる人ができるときに無理のないようにやるという持続可能な形で進めてくださっていますね。「子どもたちが楽しみにしているから」と、ストラックアウトや輪投げなどが楽しめる「在家っ子まつり」というイベントも年に1回企画してくださっています。
――学校に近い、在家町エリア周辺の魅力を教えてください。
向井教頭先生:芝川沿いの土手が、開放感があって気持ちがいいなと思います。この辺には高層マンションが少なく、遠くまで見渡せるんです。草木や川面を渡る風から季節の変化も感じられるところも気に入っています。
萩原校長先生:子どもたちは、土手沿いの遊歩道を通って登下校しています。自然に親しみながら、楽しく安全に行き来できるのがいいですね。「今日はトンボを捕まえたよ」とか、よく楽しそうに話しています。周りには公園もあって、子どもたちの遊び場が多いと思います。また、地域の方が本当によく子どもたちを見ていてくださっていて、危ない様子など見かけるとすぐに学校に連絡をくださるので心強いです。町会と地域住民の関係も良く、先日地域でやっているお祭りに行ったら、親子連れがたくさん来ていました。在家町ではありませんが、車で行けば「イオンモール」もすぐなので買い物にも困らないでしょう。「川口市立グリーンセンター」など大きな公園もありますよ。

萩原校長先生:中学校も高校も、それに幼稚園もすぐ近くにあります。最近は近所の埼玉学園大学と関わりを持つことができて、2学期から連携がスタートします。今後は子どもたちと学生とのふれあいを考えており、小中連携に大学が加わるイメージで、本校の新たな魅力になるかもしれません。
――これから在家町周辺に住むことを考えている方々に向けて、メッセージをお願いいたします。
萩原校長先生:「在家中学校」と、中学校で一緒になる「柳崎小学校」との連携が図れていれば、登下校や人間関係を含め9年間の学校生活を安心して通っていただけるのではないでしょうか。在家中の相談室には週に1回カウンセラーが来ていて、在家中学校区の小学生や親御さんの相談も受けてくれるので、安心できると思います。

川口市立在家小学校
萩原美樹校長先生
向井剛生教頭先生
所在地:埼玉県川口市安行領在家323
電話番号:048-295-7955
FAX:048-295-7966
URL:https://zaike-e-kawaguchi-saitama.edumap.jp/
※この情報は2025(令和7)年8月時点のものです。
中学校区の3校でしっかり連携、9年間を見据えて子どもを導く/川口市立在家小学校(埼玉県)
所在地:埼玉県川口市安行領在家323
電話番号:048-295-7955
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