海だけじゃない茅ヶ崎の魅力を大切にしたい。年代問わず、ほっとくつろげる喫茶店。/「すずの木カフェ 店主 吉村千絵さん
「茅ヶ崎」駅北口から徒歩4分の場所にある「すずの木カフェ」は、幅広い年代の方が訪れるあたたかな雰囲気の喫茶店。地元の安全な食材を使い丁寧に手作りする、食事やデザートが魅力です。今回は、茅ヶ崎で生まれ育ったというオーナーの吉村千絵さんを訪ね、茅ヶ崎の魅力などについてお話を伺いました。
みんなが安心して来れる「喫茶店」をつくりたい
――吉村さんが「すずの木カフェ」を開かれるまでの経緯を教えてください。
吉村さん:もともとフランス料理店で働いていましたが、結婚してからは夜は家で家族と一緒に過ごしたいな、と今後のことを考えるようになりました。この場所を選んだのは、茅ヶ崎の南側にたくさんある、大手さんではない、小さな個人店のようなすてきな場所を北側のエリアにも作りたい、という思いがあったからですね。
――お店のコンセプトや、料理や空間づくりについてこだわっていること、大切にしていることはありますか?
吉村さん:いわゆる“カフェ”ではなく、いろいろな年代の方が入りやすい“喫茶店”を目指しました。喫茶店だけれど丁寧にきちんと作った物を出す、いろいろな年代の人が安心して入れて、自分の子どもや祖父母に毎日食べさせても安心・安全な物を出すということをコンセプトにしています。基本は無添加で、ソースやアイスクリームなどもすべて手作りしています。
――お住まいや年齢など、どのようなお客様が多いのでしょうか。
吉村さん:みなさんご近所の方ですね、茅ヶ崎にわざわざ遠くからいらっしゃる方は海の方に行かれますので。年代問わず、おひとりでいらっしゃる女性も多くて、20代の方からご年配の方まで、ここならひとりでも安心して入れると仰っていただけてます。
母娘でいらっしゃる方も多く、小さいお子さん連れの親子や、4世代でいらっしゃる方もいます。おひとりで本を読んだり、お仕事されたり、ご夫婦でいらっしゃる方もいます。働いている方のお昼休みの利用も結構多いですよ。お友だちといらしたり、打ち合わせの方もいますけど、みなさん自分の時間を過ごしているという印象がありますね。
“地元”がキーワード、お店を拠点に茅ヶ崎の文化や食を応援
――カフェだけでなく、ギャラリースペースの設置や、ワークショップなども行ってますが、どのように企画を開催しているのでしょうか。
吉村さん:私は大学で美術を学んでから、料理を始めました。もともと美術が好きだったので、ギャラリーを作って作品を飾れたらと思ったのがきっかけです。また、“地元”がコンセプトでもあるので、お店を造る際には、内装は地元の工務店、テーブルなどは茅ヶ崎の家具屋さんに頼みました。カフェは街の人が集う場所でありたいので、そんなふうに、地元の作家さんの発表の場となって、ここから広がっていくと嬉しいという思いがあります。
吉村さん:ギャラリースペースの展示内容は月ごとに変えていて、それに合わせたデザートメニューも用意しています。ワークショップは作家さんが何かしてみたいという時や、地元で教室を開かれている方の場所として使っています。2016(平成28)年4月からはハーブの教室を始める予定です。
――茅ヶ崎の食材を活かしたお料理など、地域を意識して取り組まれていることはありますか?
吉村さん:地元の農家さんと契約をし、有機の野菜を使っています。種類が足りない時は直売所や八百屋さんなども利用しています。ハーブティーにも力を入れていて、茅ヶ崎の専門店「アールグレイ」さんから仕入れていますし、紅茶は藤沢の「ディンブラ」さんから仕入れるなど、なるべく身近な場所から素材を仕入れていきたいと思っています。
――“茅ヶ崎”においてどのような場所でありたいとお考えでしょうか。
吉村さん:茅ヶ崎にはさまざまなお店がありますが、海とか開放感とか、サーファースピリットでみんな平和で仲良く明るくオープンな雰囲気ですよね。海はもちろん好きですが、そうでない静かなひっそりとした空間を求める人も多いです。私もどちらかというと静かな方が好きなので、「すずの木カフェ」は日陰のような落ち着いた雰囲気にしたいと思っています。
生まれ育った街・茅ヶ崎との関わり
――小さい頃よく遊びに行かれた場所、思い出などはありますか?
吉村さん:実家は海側ではなく山側だったので、海はサイクリングで行ったりしていました。「市民の森」という小さな森の公園があり、保育園の帰りに連れて行ってもらったことがとても楽しかったです。ツリーハウスもあって、今ではうちの子どもも連れて行ってます。
――お母さんになられて、茅ヶ崎の子育て環境はどのように感じますか?
吉村さん:このエリアはママさんたちがヨガやベビーマッサージなど、ちょっとしたイベントをたくさん立ち上げています。茅ヶ崎には子育て情報サイト「FuBoLaboちがさき」というサイトがあり、さまざまな情報が得られますので、参加しやすいと思いますよ。つながっていける環境があると思います。「リベンデル」さんという貸し農園では、ママたちのマーケットのようなイベントも多くやっていますね。公園は小さなものでしたらわりと身近にあります。
「茅ヶ崎らしく」その魅力を子どもの世代へも繋いでいきたい
――「すずの木カフェ」のある茅ヶ崎市元町周辺の生活環境について教えてください。
吉村さん:便利だと思いますよ。病院は多いし、買い物も「イトーヨーカドー」や直売所もありますし、公的機関は駅の周辺に集まっていますから、ご年配の方も住みやすいのではないでしょうか。少しはなれれば中央公園という大きな公園もありますし、日常に海を求めなければ便利です。「すずの木カフェ」周辺には個人のお店がたくさんあります。
――茅ヶ崎の魅力はどのようなところだと思いますか?
吉村さん:茅ヶ崎の魅力は海と山の両方があること、あとは規模が大きすぎないことですね。例えば、隣の「藤沢」エリアは範囲が大きいので、「藤沢」という意識よりは「鵠沼」とか「湘南台」というような意識になるんですね。茅ヶ崎は規模が小さいのでまとめて「茅ヶ崎」ですね。
――今後どのような街にしていきたいか、地域の未来への想いなどを聞かせてください。
吉村さん: 新たに茅ヶ崎に越していらっしゃる方は海側を好む方が多いため、昔からの地元の方々が多いのが北側のように感じます。私が子どもだった頃と比べ、ハワイやアメリカンスタイルが強くなってきているのは、そうした暮らしを求めて移住してくる方が多いからでしょう。市もホノルルと姉妹都市提携をし、市役所ではクールビズを「アロハビズ」といってアロハシャツを着るなどし、「ハワイ」らしさをアピールしています。そうしたハワイのようなのんびりした暮らしの良さと、北側の里山の雰囲気の良さを合わせたものが、「茅ヶ崎」らしく好きですね。
吉村さん:私が子どもの時とは環境がかなり違ってしまっていて、海は砂浜が浸食されたり、松林や田んぼも減ってきてしまっていたり・・・。地元の食材を買うことで、この地域に畑や田んぼ、緑を残すことにつながりますので、なるべく地元の食材を選ぶようにしています。茅ヶ崎の自然を子どもの世代に残していきたいです。
すずの木カフェ
店主 吉村千絵さん
所在地 :神奈川県茅ヶ崎市元町4-32
TEL :0467-82-3411
URL:http://suzunokicafe.com/
※この情報は2016(平成28)年3月時点のものです。
海だけじゃない茅ヶ崎の魅力を大切にしたい。年代問わず、ほっとくつろげる喫茶店。/「すずの木カフェ 店主 吉村千絵さん
所在地:神奈川県茅ヶ崎市元町4-32
電話番号:0467-82-3411
営業時間:11:30~16:30(L.O.16:00)
定休日:日・月曜日
https://www.facebook.com/suzunokicafe/