「知」「徳」「情」「意」の4つの教育方針/西宮市立南甲子園小学校 宮本伸子校長先生

西宮市立南甲子園小学校
校長 宮本伸子先生

小学校の概要、沿革などを教えていただけますか。

西宮市立南甲子園小学校 校歌
西宮市立南甲子園小学校 校歌

「西宮市立南甲子園小学校」は、1958(昭和33)年に「西宮市立鳴尾小学校」という歴史ある学校から分離独立したのが始まりです。年々、児童数は増えていき、1981(昭和56)年には34学級1415名の子どもたちがいました。小学校の立地している甲子園エリアは、通勤便利な住宅地ということもあり、お住まいに選ばれる方が多かったですね。阪神大震災の後、すこし生徒数は減りましたが、ここ数年は少子化とは言いながらも、1000人をすこし割るくらいで推移しています。

教育方針はどのようなものを掲げられていますか。

西宮市立南甲子園小学校 校長先生インタビュー
西宮市立南甲子園小学校 校長先生インタビュー

多くの学校では、「知」「徳」「体」の3つを掲げていると思いますが、当校は4つあるんです。「徳」の部分が「情」と「意」の二つに分けられています。私は2014(平成26)年の4月から着任しましたが、最初に感じたことは「心を大事にしている」ということでした。「情」には、人と仲良くする、命を大事にする、そういった意味が込められていますし、「意」には、みんなのために働く、責任もってやる、そういう意味が込められています。私で17代目の校長になりますが、多くの校長先生が作り上げられた教育方針をしっかり受け継いでいきたいと考えています。

いまは校舎を改築中で大変だと思いますが、どのような気持ちで取り組んでおられますか。

西宮市立南甲子園小学校
西宮市立南甲子園小学校

校舎は2016(平成28)年の4月にできる予定ですが、運動場の整地などすべてが終わるのは同年の11月になります。いろいろな調整で大変な部分はありますが、「学校が新しく建て替わる」と思って、みんな頑張っているところです。仮設棟によって、現在運動場は半分くらいの広さになっています。身体を動かす時間を作りたくても、外で遊ぶ人数を制限しないと危なかったりします。そこで休み時間をすべて15分にして、ローテーションを組んで1日に2、3回は身体を自由に動かせる時間を作りました。その際は、先生たちが当番で毎日見守りに出て、保護者にも見守りのご協力をいただいています。体育の授業は、幸いにも隣接している「西宮今津高校」のご厚意でグランドをお借りしています。

いろいろなアイデアを取り入れられているのですね。新しく建つ校舎の特徴があれば教えてください。

西宮市立南甲子園小学校
西宮市立南甲子園小学校

ここは海抜が低い土地ですので、新校舎には地域の方のご提案で津波の避難タワーを設置します。外から入れるような階段を設けて、屋上に避難できるようにします。その際には、避難所のことを考えないといけませんので、それも視野に入れた造りになっています。何よりも大切なのは安全です。そして、安全のなかには安心が入ります。子どもたちが安全・安心して過ごせる学校にしたい。そしてもうひとつ、大切にしたいことが再生です。建物が新しくなるだけではなく、教育の中身も時代に合わせたものにしたい。近くの甲子園浜を使った学習など、長く培ってきたものは大事にしながら、時代に合わせた教育活動をしようと話しています。

周辺の学校などと、共同で取り組んでいることはありますか。

西宮市立南甲子園小学校
西宮市立南甲子園小学校

運動場をお借りしている「西宮今津高校」の校長先生とは「高校生と小学生の間で何かふれあいができたらいいね」という話をしています。10月10日が創立記念日になるのですが、この日を授業日にして、子どもたちと校舎のお別れ会を開いたり、近くの「西宮市立真砂中学校」の吹奏楽部の生徒さんたちに来てもらい音楽授業を行います。ただ演奏を聴くのではなく、実際に楽器にさわってもらいます。同時に、中学生のキビキビした姿を見てもらうことで、中学生への憧れを持ってもらえたらいいですね。西宮市全体としては、校種間のつながりを推進しています。中学校とのつながりもそうですが、幼稚園・保育所とのつながりも大切にしています。今年はいくつかの幼稚園から、園児を夏休みの作品展に招待して、1年生が紹介して回る活動を行いました。入学前には、学校探検をしてもらうなど、さまざまなことを行っています。

地域、父兄との関わりあいについて教えてください。

西宮市立南甲子園小学校 校長先生インタビュー
西宮市立南甲子園小学校 校長先生インタビュー

近くに阪神間では珍しい「甲子園浜」という砂浜があります。昭和50年代頃、工場地帯にするという話が出たのですが、地域住民の方々が「砂浜を残そう」という運動を起こされ、残った砂浜なんです。当校の特徴のひとつは、都会でありながらそんな砂浜の自然とふれあうことができること。1年生の場合、浜探検という授業でカニを捕まえたり、3年生は野鳥観察を行います。5年生になると、浜の自然とふれあう環境学習を行いますが、浜を守っておられる方をゲストティーチャーとしてお招きし、お話を聞いたりしています。6年間で浜とふれあえるさまざまな学習を取り入れて、地域とふれあいながらやっています。何よりも、地域の方はすごく子どもたちのことを大事にしてくれています。校舎の改築においても、子どもたちが安全に過ごすにはどうすれば良いか、本当に親身に考えてくださっています。それに、西宮市全体がタテとヨコのつながりを大事にしようという方針を持っています。各学校の独自性を出しながらも、幼・小・中のタテのつながりを大事にしつつ、地域や保護者の方々との結びつきというヨコのつながりにも力を入れています。

児童の雰囲気はいかがですか。また、先生たちの教育姿勢についてお聞かせ願えますか。

西宮市立南甲子園小学校
西宮市立南甲子園小学校

子どもたちはすごく明るくて素直なんです。おうちで愛情深く育てられているんだと思います。それに今は、若い先生が増えて活気がありますね。50代のベテランの先生もいらっしゃいますし、若い先生たちを見守ってくれています。これから世代交代していきますから、子どもの見方、学習の仕方は、ベテランから若手に引き継ぐことはとても大きなポイントになります。若い先生たちも自主研究会を開いていたり、熱心にやってくれています。年配の先生も上手に教えますよ。たとえば運動会の時、全校を指揮するのは若い先生なんですが、それを先輩の先生が見守ってくれています。「あれ良かったよ」「あそこはもっとこうしたら」とか、運動会が終わるとすぐに先輩が若手に指導していました(笑)。

最後に、甲子園エリアの魅力を教えてください。

西宮市立南甲子園小学校 校長先生インタビュー
西宮市立南甲子園小学校 校長先生インタビュー

エリアの魅力といえば、やはり校区内に「阪神甲子園球場」があることは大きいですね。西宮市には小学校・養護学校が全部で41校ありますが、6年生になると甲子園球場を借り切って組み体操を行います。それぞれの学校で練習しながら、4つの学校群に分かれて当日、グラウンドの全面を使って組み立て体操を行うんです。これは壮観ですよ。西宮の子どもはあの阪神タイガースの本拠地でもあり、高校球児の憧れの地に立てる。甲子園球場という存在は、子どもたちにとって、すごく大きな思い出になると思いますね。

西宮市立南甲子園小学校 校長先生インタビュー
西宮市立南甲子園小学校 校長先生インタビュー

今回、話を聞いた人

西宮市立南甲子園小学校

校長 宮本伸子先生

西宮市立南甲子園小学校
所在地:兵庫県西宮市南甲子園3-9-16
電話番号:0798-47-0010
http://kusunoki.nishi.or.jp/school/mikoshie/

※記事内容は2014(平成26)年9月時点の情報です。

「知」「徳」「情」「意」の4つの教育方針/西宮市立南甲子園小学校 宮本伸子校長先生
所在地:兵庫県西宮市南甲子園3-9-16
電話番号:0798-47-0010
http://kusunoki.nishi.or.jp/school/mikos..