吹田市役所子育て支援課インタビュー

子どもの笑顔があふれ子育てしたくなるまち吹田/吹田市役所子育て支援課


大阪府の吹田市といえば、かつては大阪万博が開催された場所である。 住環境では緑が多く、広い公園も多いことから子育て世代には非常に人気の高い居住スポットとなっている。こうした背景から吹田市では人口の増加傾向が続いているが、子育て世代にとって気になるのは保育園など、子育てに関する環境の整備である。今回は吹田市役所を訪れ、子育て支援課の担当者をはじめ、集まって頂いた関係部署の皆さんに南千里の子育て環境についてお話をうかがった。

人口増加に見えてきた新たな課題と施策

吹田市の世帯数の推移
吹田市の世帯数の推移

――吹田市では人口が増加しているそうですね。

シティプロモーション推進室 白澤さん:全国の8割以上の市町村で人口減少が進む中で、吹田市では人口が増加し続けています。緑豊かな千里ニュータウン、また、江坂のようなビジネス街があり、梅田、難波ほか、大阪市内への交通の利便性が高い街です。商業施設では昨年、エキスポランド跡地に「EXPOCITY」が開業しました。ガンバ大阪のホームスタジアムでもある「市立吹田サッカースタジアム」もこの近くです。他にも「大阪大学」や「関西大学」など5つの大学があり、大阪で最も人口に占める学生数の割合が高い街です。こうした学生数が多い特徴から、市の行う事業に学生の参加を募ったり、学生が多いことによって街の活性化につながっている面もあります。緑や大きな公園が多い桃山台や南千里地域はファミリー層に人気の高い居住エリアとなっています。一つの市に商業施設、高い交通の利便性、緑が多い好環境と様々な要素がまんべんなく揃っている市は全国的に見ても珍しいと思います。吹田市の人口増加の要因の一つにそういう部分を魅力と感じて転入してこられる方が多いということも考えられます。

――待機児童の問題に関して、具体的な市のプランはありますか。

保育幼稚園室 三住さん(左)とシティプロモーション推進室 白澤さん(右)
保育幼稚園室 三住さん(左)とシティプロモーション推進室 白澤さん(右)

保育幼稚園室 三住さん:吹田市では「待機児童解消アクションプラン」を策定して2016(平成28)年度から2018(平成30)年度までの3か年で「保育の受け皿拡大」「認定こども園移行促進」「保育人材確保」をメインに進めています。本来、保育施設を作れない都市公園内などにも施設を作れるよう特区申請を行ったり、待機児童の問題を解決していこうというプランです。教育・保育にいい環境であると魅力を感じて入ってこられる方が多いために、待機児童の問題はできる限り早急に改善していきたいと考えて取り組んでいます。

南千里の地域では、2018(平成30)年4月に「南千里庁舎跡地」1園、2019(平成31)年4月に「南千里市民プール跡地」に1園、それぞれ定員120名の私立保育園を設置予定です。

充実した子育て支援ネットワーク

「のびのび子育てプラザ」
「のびのび子育てプラザ」

――吹田市の特徴的な子育て施設・サービスがあれば教えていただけますか

子育て支援課 古田さん:吹田市では0歳から就学前までの子どもを保育している認定こども園や保育所の全園が、地域子育て支援センターなどとして家庭で子育てをしている保護者を支援する活動もしています。他にも0歳から小学生まで通える毎日開館している児童館が11か所、乳幼児のお子様を持つ保護者の方が交流できる子育て広場が8か所あり、それに加えて幼稚園、保育所、認定こども園、小規模保育事業施設と、お住いの身近なところに子育て支援施設があるというのが特徴になっています。

「のびのび子育てプラザ」入口
「のびのび子育てプラザ」入口

「山田」駅前にある「のびのび子育てプラザ」は地域の子育て支援拠点として親子教室や子育て講座、サークル支援、育児相談を行っています。一時預かりや、ファミリーサポートセンター事業もしています。こういう施設があることを転入してきたばかりの世帯の方や初めて子育てする方は知らないことも多いですので、「おさんぽマップ」として子育て支援施設の紹介をしたり、自分の住んでいる近くで、どのような催しが行われているか地域別カレンダーで紹介したりしています。家の中ばかりでなく外に出て子育てをしてもらい、交流の機会を増やすことを目的として行っています。

「のびのび子育てプラザ」所長 宮さん(左)
「のびのび子育てプラザ」所長 宮さん(左)

「のびのび子育てプラザ」所長 宮さん:子育て支援拠点の「のびのび子育てプラザ」は2011(平成23)年の開館以来入場者が伸びており、2015(平成27)年度の年間来館者は6万人に達しています。年末年始の6日間(12月29日~1月3日)を除いて午前10時から午後6時まで開館しています。「のびのび子育てプラザ」では、お母さんたちが親子で遊んでいただけるように広いスペースを提供して、手作りおもちゃを置いているほか、生後2、3か月からのお子様を連れた方も多いので、そういう小さなお子様でも安心して遊べるスペースを確保しています。子育て支援拠点として先ほど話にあった様々な事業を行うほかに、お母さんたちの育児負担の軽減を目的とした一時預かりを行っています。今年4月から「子育て支援コンシェルジュ事業」という相談事業も始めています。相談件数は昨年約600件でしたが、事業として本格的に始めた今期では上半期で500件を超えています。相談の内容として多いのは、お子様の発達や離乳食についてや、幼稚園や保育所等への入園・入所についての相談です。

「のびのび子育てプラザ」内の「あそび広場」
「のびのび子育てプラザ」内の「あそび広場」

――市立・私立を含め、各保育園が地域子育て支援センターなどとして育児教室や園開放などを行っているようですが、具体的にどのようなことをされていらっしゃるのですか

「南千里保育園」園長 野口さん:子育てに関する相談に対応したり、保健センターと連携して育児教室を開催しています。また、就学前のお子様や保護者様向けの運動会や季節ごとの地域行事に参加してもらったりしています。園庭開放やホール開放も日常的に行っているので気軽に立ち寄ってもらって、育児の相談があれば、その場で立ち話的に相談ができるという、気軽に育児のことを相談できる環境づくりを行っています。

子育て支援課 古田さん(右)と「南千里保育園」園長 野口さん(左)
子育て支援課 古田さん(右)と「南千里保育園」園長 野口さん(左)

育児教室では、例えば、給食を食べている様子など実際の園児の生の様子を見てもらったり、同世代の子どもさんを持つ親同士の交流をしたりして、子育ての楽しさを感じてもらえるようにしています。また、育児教室を卒業されたOBの方がOB会を作られたりするので、OB会の場所提供や情報提供などの場として園のスペースを使ってもらうなどもしています。

未来に託す想い

――暮らしの場として吹田市の魅力や特徴を教えてもらえますか

保育幼稚園室 三住さん:最初のお話にもあったのですが、「交通の利便」「大きな商業施設やスタジアム」「緑の多い街」「学生が多く活気がある」など、街のいい部分につながる要素がこれほどバランスよく揃った街は、そんなに多くないと思います。行政としては、これからも、もっとよりよい街づくりに取り組んでいきたいと考えています。

「千里南公園」
「千里南公園」

子育て支援課 古田さん:「子どもの笑顔があふれ子育てしたくなるまち吹田」にふさわしい環境づくりに取り組んでいきたいと考えています。その部分が今よりも整えば、吹田市の魅力は、今以上に価値のあるものへと変わっていくと思います。

お話をうかがった方
お話をうかがった方

吹田市役所

都市魅力部 シティプロモーション推進室 白澤 耕一郎さん
児童部 保育幼稚園室 三住 勝さん
児童部 子育て支援課 古田 彰子さん
「のびのび子育てプラザ」所長 宮 美智子さん
南千里保育園園長 野口 節子さん
※この情報は2016(平成28)年11月時点のものです。