都心近郊や23区内で供給される「都市型一戸建て住宅」とは?

23区内や東京都下など、都心近郊部で販売される「都市型一戸建て住宅」が増えているようです。こうしたエリアで供給が増えている背景と、都市型一戸建て住宅の特徴をみていきましょう。

都心からもアクセス便利なエリアで、跡地利用の一戸建てが誕生するケースも

「都市型一戸建て」に明確な定義はありませんが、都心から30キロ圏内、インフラ整備が進んだ既成の市街地で供給される、10戸から30戸規模の建売分譲住宅を指すことが多いようです。土地面積は30~40坪、建物が30坪前後と、居住性と価格のバランスを考えたプランニングが行われ、初めてマイホームを購入する層にも手が届く価格帯で供給されることも特徴のひとつ。物件によっては100戸を超えた規模での分譲となることもあります。

こうした都心近郊の住宅地ではマンション供給も当然行われています。一戸建てのニーズはあったけれど、限られた土地資源を有効に使うためには効率化された集合住宅、マンション計画にならざるを得ないという状況がこれまではありました。しかし、少子・高齢化が進み世帯数も減少していく社会環境の中で、住宅に対する価値観や志向が変りつつあります。ニーズの多様化に答える選択肢として、不動産会社も一戸建てにシフトしているという背景もあるのです。

また、都市型一戸建ての用地には、もともと企業の社宅やグラウンドといった福利厚生施設の跡地を再開発しているケースも多いようです。公団団地の建て替えや学校の統廃合に伴う跡地利用というケースもあります。高度経済成長期につくられたインフラや住宅が更新の時期を迎え、時代のニーズにあわせて、土地の活用方法が変わってきているということでしょう。

小規模でも「街づくり」を考慮した開発を実現できることがメリット

都市型一戸建ては小規模ながらも街並み、景観などへの配慮が施されていることが多いのも特徴のひとつ。郊外型の大規模ニュータウン開発では公園や道路計画も含めた「街づくり」が計画・実現されていることが大きなメリットです。一方、敷地が限られた都市型でも、外観デザインの統一やミニ公園を設置するなど、小さいながらも「街づくり」に配慮した開発が行われるケースがあるのです。数区画では「街並み」づくりは難しいが、数十戸まとまることで道路や公園なども含めて、住環境や景観にも配慮した開発が実現できるのです。

中には、街全体として通風や採光に配慮した「エコ住宅型」の街づくりを行っているなど、独自の特徴を持たせた開発を行っている物件もあります。「街」としてのコンセプトを持った開発を行うことで、住民となる人々にとっても価値を感じ、愛着が沸く住まいづくりが実現できるということでしょう。都市近郊の好立地に加えて、街づくりや環境面でも付加価値を持たせた点が「都市型一戸建て住宅」のメリットといえるでしょう。少し前の時代では供給が少なかったタイプの物件です。子育てや教育環境も気になる30代~40代のファミリー層には選択肢のひとつになるはずなので、希望のエリアで見つけたならば検討してみてはいかがでしょう。