マンション・マネー学 いくらのマンションが買える?
■頭金は価格の2割以上を用意
マンション選びをスタートさせるには、「自分がいくらのマンションを買えるのか」を知っておく必要があります。予算を度外視して物件を選び、無理な資金計画を組んでしまうと、買ってからの住宅ローンの負担で生活が圧迫されてしまいかねません。
そこでまず、マンションを買うときのお金について考えてみましょう。何千万円もするマンションを買う時、たいていの人は住宅ローンを利用します。ただし、価格の全額をローンでまかなうのではなく、一部は頭金として手持ちのお金(自己資金)から払うのが一般的です。
この頭金は価格の2割以上を用意するのが望ましいとされています。マンション価格が3500万円とすると、その2割で700万円以上の頭金が必要です。2割未満の頭金で買えるケースもありますが、その分ローンの返済が重くなるので、注意しましょう。
■税金やローン借入費用などの諸費用も必要>
では、2割の頭金だけあればいいかというと、そうではありません。マンションの購入には各種税金やローン借入費用などの「諸費用」が別途発生します。この諸費用は原則として住宅ローンでは借りられないので、自己資金から捻出しなければなりません。 新築マンションの諸費用は価格の3%~5%が目安といわれているので、頭金と合わせて最低でも価格の23%~25%の自己資金が必要になります。3500 万円のマンションなら、800万円~900万円といったところです。
頭金と諸費用は自己資金で用意するのが原則ですが、預貯金などをすべて使い切るのは不安が残ります。数カ月分の生活費に加え(目安として6カ月分程度)、引越し費用や家具の購入予算などを手元に残しておければ、安心といわれています。
■シミュレーションサイトでかんたんに算出できる
ここまでは、マンション購入に必要な自己資金をチェックしてきましたが、なんといってもマンションを買うときに大きいのはローンの借入額です。要するに「今の年収ならいくら借りられるか」がわかれば、買える価格もわかるのです。自分で計算する方法もありますが、今なら、インターネットを活用し、シミュレーションしてみるのがいちばん早いでしょう。銀行や住宅情報サイトには、「住宅ローンシミュレーション」があり、現在の年収や頭金などを入力することで、数分で返済額や借入額を算出してくれます。
■今の年収から「買える額」を計算
シミュレーションでは、いくつかパターンがありますが、多くは(1)現在の年収から求める方法(2)毎月の返済額から求める方法、(3)希望する物件から借入額を計算する、の3つの方法があります。いずれにしても、銀行では年収に占める年間返済額の割合(年収負担率)を30%程度までに制限していることがほとんどです。ただし、30%ぎりぎりだと生活が苦しくなることが想定されますので、できれば20%以内でおさめておきましょう。
■ボーナス時加算は少なめに見積もる
また、シミュレーションをするうえでもでは、借りられる額をどうやって計算するかというと、「返せる金額」と「年収」の2通りから計算する方法があります。まず現在払っている家賃や住宅 購入のために積み立てている金額などから、毎月とボーナス時に返せる金額を求め、そこから借りられる額を逆算するのがひとつめの方法です。
一から計算するのはややこしいので、早見表で目安になる額を見つけましょう。例えば毎月10万円、これとは別にボーナス時に30万円返せるとすれば、3550万円まで借りることができます。注意したいのは、経済の先行きが不透明な今、ボーナス時加算をあまり見込まないことです。ボーナスは経済情勢、会社の業績に強く影響を受けます。そのため、ボーナスありきで住宅ローンを組んだ場合、返済が難しくなること予想されます。
金利3%、30年返済で借りる場合の返済額とボーナス時加算額の目安
毎月返済額 | |||||
5万円 | 10万円 | 15万円 | 20万円 | ||
ボーナス時 加算額 |
0万円 | 1180万円 | 2370万円 | 3550万円 | 4740万円 |
---|---|---|---|---|---|
10万円 | 1570万円 | 2760万円 | 3940万円 | 5130万円 | |
20万円 | 1960万円 | 3150万円 | 4330万円 | 5520万円 | |
30万円 | 2360万円 | 3550万円 | 4730万円 | 5920万円 | |
40万円 | 2750万円 | 3940万円 | 5120万円 | 6310万円 |
また、万一、現在の年収で希望する物件の購入が難しい場合は、親や祖父母などからの援助を活用し、資金を調達するのがよいでしょう。近年では、税制面での優遇措置があり、援助をうけやすい体制になっています。通常であれば、資産の贈与をうければ贈与税がかかりますが、住宅の購入という目的に限れば非常に有利な税制で、援助が受けられます。こうしたタイミングを見逃さず、賢くサポートを受けるとよいでしょう。