年間40万円と拡充された「住宅ローン控除」は継続延長へ

平成26年度(2014年)の春にはいくつかの大きな制度変更が行われました。消費税率が5%から8%に引き上げられる一方、住宅購入サポート制度の拡充も行われたのです。マイホーム購入の基本的な知識として「住宅ローン控除」制度の仕組みを知っておきましょう。

1年半延長されて平成31年(2019年)6月まで適用される

住宅ローン控除は「住宅取得促進税制」や「住宅ローン減税」とも呼ばれ、その名称のとおりマイホーム購入をサポートするために設けられているもので、住宅ローンを組んでマイホームを購入した場合に一定の金額を上限にして納めていた税金が戻ってくる(税額控除)という制度です。2014年3月までに入居したケースでは、年間で最大20万円が10年間にわたり税額控除されるという仕組みでしたが、2014年4月以降に入居する場合は倍額の年間40万円までが控除されることになりました。10年間では200万円の差になるので大きな金額です。

また、「長期優良住宅」や「低炭素住宅」の認定を受けた住宅は控除額の割り増し制度が受けられるほか、一定の条件を満たせばリフォームローンでも控除が利用できます。住宅ローン控除の拡充は平成29年(2017年)12月31日までの適用予定でしたが、平成27年度の税制改正案では1年半の延長が盛り込まれましたので、平成31年(2019年)6月31日までの適用となる見込みです。これは消費税率10%への引き上げが1年半延期されたことに伴うものです。

住宅ローン残高の1%を10年間、所得税と住民税から控除

控除の仕組みは毎年の年末ローン残高の1%を所得税から10年間控除するというもの。たとえば年末ローン残高が2000万円、その年に納税した所得税が50万円の場合、2000万円×1%=20万円が控除されます(源泉徴収などで納付済みの場合は還付されます)。

ただ、納付した所得税が控除額に満たなければ制度上限までの還付がされないこともあります。ローン残高は毎年減少していくものですし、所得税も所得に左右されますので、「控除枠は40万円あるけれど、実際に戻ってくる金額は20万円」というケースがあるということです(※所得税からは控除しきれない場合には住民税からも一部控除できる仕組みがあります)。単純に考えると、最大限の控除額「年間40万円」を適用されるケースは、ローン残高が4000万円以上あり、所得税を40万円以上納付している人の場合です。

控除が受けられる住宅の条件は床面積が50㎡以上、返済期間10年以上

「住宅ローン控除」を受けられる住宅には条件も定められています。床面積50㎡以上、ローンの返済期間が10年以上というのが主なものです。注意したいのは床面積の算出方法。登記簿上の床面積が50㎡以上必要になりますが、分譲マンションのパンフレットなどで表記されている面積は「壁心面積」の場合がほとんど。一方、登記簿には「内法(うちのり)面積」が記載されます。壁心は隣戸との壁の中心までを算入しますので、内法よりも面積が広くなります。50㎡前後のマンションを購入する際には「内法面積」なのかを確認しておきましょう。「壁芯」では50㎡を超えていても「内法」では49㎡だった…ということは避けたいですね。

       







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