フラット35の金利が1%以下、利用者にも変化

全期間固定金利型の住宅ローン「フラット35」の金利が初めて1%を下回りました。もちろん史上最低の低金利水準です。フラット35の利用者像にも変化が現れています。

2016(平成28)年7月にはついに1%を下回る金利水準に!

民間の金融機関と住宅支援機構が提携して融資を行う「フラット35」は、全期間固定金利型の住宅ローンの代表的な商品です。フラット35の主要金利である「返済期間21年以上35年以下」区分の適用金利が2016(平成28)年7月にはついに0.93%となりました。日銀の金融緩和を受けた長期金利低下の影響ですが、1%を下回るのは史上初めてのことです。

ローン残高の1%分相当の所得税・住民税が控除される「住宅ローン控除」を活用すれば、金利よりも控除額のほうが多くなり、当初10年間は「実質的にはマイナス金利」というケースも出てくるでしょう。住宅ローンの利用者にとっては、非常に恵まれた環境の時代となりました。

金利推移出典:住宅金融支援機構『【フラット35】借入金利の推移

フラット35利用者の平均年齢は39.8歳、5年ぶりに低下

フラット35を利用した人の平均年齢は39.8歳となっています。2011(平成23)年度以降上昇を続け2014(平成26)年度に調査開始以降最も高い40.4 歳となりましたが、5年ぶりに低下しました。

購入した住宅については建売住宅、マンション、中古戸建、中古マンションが減少を示す一方、土地付注文住宅と注文住宅が増加を示しています。また、注文住宅、土地付注文住宅、建売住宅入手のためにローンを利用する40歳未満の人が増えているという傾向もみられています。

融資区分出典:住宅金融支援機構『2015年度 フラット35利用者調査

マンション価格の上昇で年収倍率は6.5倍に

マンションの所要資金(購入価額)は、全国平均が4,270.5万円、首都圏では4,851.3万円と2014(平成26)年下半期以降3期連続で上昇を示しています。上昇率は鈍化しているものの、地価上昇や建築費の高騰などもあって、価格の上昇傾向が続いているのです。

年収倍率(マンション)出典:住宅金融支援機構『2015年度 フラット35利用者調査

この結果、年収に対する購入価格の割合を示す「年収倍率」はマンションの全国平均で6.5倍、首都圏では7.0倍に達しています。年収倍率は2013(平成25)年度以降、上昇傾向が続いており、マンションをはじめとする住宅価格の上昇に、年収増加が追いついていない現状をうかがわせる結果となりました。

こうした「向かい風」ともいえる状況がある一方で、金利が史上最低水準の更新を続けているとう「追い風」も吹いていますので、今後も環境の変化をしっかりと把握することが大切になります。収入と返済額のバランスのとれた無理のない資金計画を組むために、こうした調査資料も活用してください。

【資料】住宅金融支援機構「2015年度フラット35利用者調査」より
http://www.jhf.go.jp/files/300316078.pdf

 

       







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