タワーマンション高層階の税負担が重くなる!?
タワーマンションの高層階住戸は価格に比べると税評価額が低く抑えられているため、節税目的で購入されることもありました。しかし、この制度が見直されようとしています。
固定資産税評価額は1階でも50階でも同一
タワーマンションは上層階にいくほど価格が上昇していくことは、皆さんもご存知でしょう。同じ専有面積の部屋であれば10階は5,000万円でも、50階なら9,000万円という具合です。高層階には特別の価値がありニーズがあるから価格も高くなる、いわゆる市場価格という考え方です。
一方、税制上の評価額には高層階と低層階の価格差が考慮されない仕組みになっています。例えば固定資産税の評価額は1階でも50階でも面積が同じであれば同額という仕組みなのです。この評価の違いを利用して、節税対策のひとつとしてタワーマンションの高層住戸が購入されるケースも多くみられました。
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上層階ほど固定資産税評価額を高くする見直しを検討中
この矛盾を正そうという動きが国から提示されています。検討されている案では「20階建て以上のタワーマンション」が対象となり、「高層階ほど評価額を高くする」という方針のようです。また1棟あたりの固定資産税評価額の総額は変えずにおくため、相対的に低層階は評価額が下がることになりそうです。同じ専有面積で階数が違う部屋を想定して、単純化した例を挙げると次のようになります。
現状の固定資産税評価額 | 見直し後評価額 | |
---|---|---|
50階(高層階) | 1,000万円 | 1,100万円 |
25階(中層階) | 1,000万円 | 1,000万円 |
1階(低層階) | 1,000万円 | 900 |
評価額が変われば、毎年納める固定資産税額も変わりますし、あわせて相続時の評価額も変わることになるでしょう。節税効果が薄くなることが予想されます。
2018(平成30)年以降に引き渡しされる新築マンションから適用の見込み
この改正は早ければ2017(平成29)年度の税制改正案に盛り込まれ、2018(平成30)年以降に引き渡しとなる新築物件からの導入が見込まれています。節税も考慮した購入を検討している方は制度改正にも注意が必要です。