2017年の路線価発表、全国平均は2年連続で上昇

2017(平成29)年1月1日時点の路線価が国税庁から発表され、全国平均では2年連続の上昇となりました。路線価は相続税や贈与税の算出に使われるものです、詳しくみていきましょう。

首都圏では一都三県が4年連続で上昇を示す

路線価は相続税や贈与税を計算するための基準となるもので、毎年1月1日における約33万地点の地価評価額を国税庁が発表します。7月に発表された2017(平成29)年の路線価は全国平均では0.4%のプラスとなり、前年の0.2%に続き2年連続の地価上昇となりました。

都道府県別では東京、大阪、愛知など13都道府県で上昇を示しており、首都圏では一都三県が4年連続の上昇となりました。上昇率は東京都が3.2%(前年2.9%)、神奈川県0.4%(同0.5%)、千葉県0.5%(同0.4%)、埼玉県0.3%(同0.3%)となっています。

その他の都道府県の上昇率では、大阪が1.2%(前年1.0%)、京都が1.4%(同0.8%)、愛知が1.2%(同1.5%)、広島が1.2%(同0.5%)、福岡が1.9%(同0.8%)、沖縄3.2%(同1.7%)となるなど、各地域の中核都市を中心として地価上昇が広がっています。それ以外の県でも下落率が縮小する地域も多くあり、全国的に地価回復傾向がみられます。

都心一等地での上昇が際立つ結果に

道府県庁所在地で路線価の上昇率の高い上位ポイントは、東京都中央区銀座五丁目銀座中央通り(26.0%)、京都市下京区四条通寺町東入二丁目御旅町四条通(20.6%)、札幌市中央区北5条西三丁目札幌停車場線通り(17.9%)、大阪市北区角田町御堂筋(15.7%)、横浜市西区南幸一丁目横浜駅西口バスターミナル前通り(15.7%)と続いています。

こうした地価上昇の理由としてはオフィス需要に加えて、外国人観光客の増加などによる商業地ニーズの増加も挙げられています。インバウンドの増加は地方都市にも影響を与えており、さらに都市部とその周辺ではマンション用地の需要も伸びていることも一因でしょう。

地価上昇は相続税の負担増加にもつながる…

路線価の上昇は相続税や贈与税に負担増に要因となります。相続税は相続資産の課税価額(評価額)から基礎控除額を除き、税率を掛け合わせて求められるものですが、2015(平成27)年からは控除額の計算方法が変更され都市部を中心に相続税課税対象となるケースが増えています。ベースとなる路線価の上昇が続くならば、課税対象となるケースがさらに増えるでしょう。いざというときに慌てなくてもすむように、事前に路線価や資産額を確認して相続に備えておくことも大切になりそうです。もちろん、地価の上昇は住宅価格にも大きな影響を与えます。すでに

首都圏の都心部では不動産価格の上昇に対する警戒感も出始めていますので、今後の地価動向には注視しておく必要がありそうです。

●国税庁資料 各エリアの路線価図
http://www.rosenka.nta.go.jp/

       







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