2017年8月の住宅ローン金利が上昇、この先はどう動く?

2017(平成29)年8月、固定金利型住宅ローン「フラット35」と、各金融機関の10年固定型住宅ローンなど各種の金利が上昇しました。金利上昇の動きはこの先も続いていくのでしょうか?

8月にはフラット35の金利が0.03%上昇

住宅金融支援機構は、2017(平成29)年8月の適用金利を前月の1.090%から1.120%へと0.03%引き上げました(返済期間21年以上35年以下の場合)。フラット35の金利はちょうど1年前の2016(平成28)年8月に史上最低の0.900%を記録しましたが、その水準と比べると0.22%のアップとなります。

また、金融機関各行も8月には住宅ローン金利引き上げの動きを見せています。たとえば三井住友銀行は10年固定型の最優遇金利を0.05%引き上げ、三菱UFJ銀行は同じく0.10%引き上げています。こうした金利上昇の動きは今後も続くのでしょうか?金利変動の要因から考えてみましょう。

住宅ローン金利に影響を与える長期金利の動きは?

住宅ローン金利上昇の背景には、長期金利の上昇があります。2017(平成29)年6月から7月にかけては株価が堅調に推移し、日経平均株価が2万円の大台を超える水準となりました。債券市場から株式市場への資金シフトが進んだこともあり、日本国債価格が下落(金利は上昇)したことで長期金利も上昇し、住宅ローン金利が上昇したのです。

ただ、この動きは8月に入って変化が起こっています。株価は2万円を割り込み、月末にかけては北朝鮮からのミサイル発射などの波乱要因もあり、1万9,000円台前半へと水準を下げてきています。一方で、相対的に安全な資産とされる債券市場へは資金が流入し、新発10年物国債の利回りは4ヶ月ぶりの低水準となる0.005%となりました(2017年8月29日現在)。

9月には住宅ローン金利低下の可能性が高い

では、この先はどう動くのでしょうか?
緩やかな景気回復局面は続いているものの、力強さには欠けています。株式市場も急激に上昇する可能性は低いでしょう。また、日銀は長期金利の上昇を抑える政策を継続し、長期金利をプラスマイナス0%程度で維持することを目標としています。

こうした状況を考えると、住宅ローン金利は小刻みな変動はあるものの、横ばい傾向がしばらく続くかもしれません。債券市場での長期金利が低下していることこともあり、9月の住宅ローン金利は若干引き下げとなる可能性が高いでしょう。マイホーム購入の環境としては、悪くないタイミングが続くと考えてもよさそうです。

f35-kinrisuii_1708出典:住宅金融支援機構のサイトより

choukikinri_1708出典:日本相互証券株式会社のサイトより

       







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