タワーマンションの大規模修繕方法とは?

マンションは10年から12年に一度「大規模修繕」を行うのが一般的。外壁を覆うように足場を組んだ建物をご覧になった経験もあるのでは?では、タワーマンションでも同じように足場を組んで工事を進めるのでしょうか?

タワーマンション独特の修繕工法がある

一般的に20階建てを超える超高層マンションは「タワーマンション」と呼ばれます。近年では40階や50階建てといった超高層マンションも珍しくなってきました。「大規模修繕の際には、どうやって工事を行うのだろう?」と疑問を感じる方もいるのでは?従来の「枠組足場」に加えて、タワーマンションで採用されるのが「ゴンドラ」方式や「リフトクライマー(移動昇降足場)」方式などです。その違いを紹介しましょう。

「リフトクライマー」を使った工法も登場

●「枠組足場」(従来工法)
外壁の補修や塗装を行うためには工事用の足場を確保する必要がありますが、通常のマンションで使用されるのは金属パイプを組み合わせる「枠組足場」方式です。20階建て程度のマンションにはこの方式が使用できます(写真は20階建てマンションの修繕工事)。足場を地上から順次組み上げていくため組立・解体に時間がかかること、工事期間中は建物全体が覆われるため居住者の負担が長引くことや、侵入者などの防犯対策も課題になります。

●「ゴンドラ」
ゴンドラ式の足場を屋上からワイヤーロープで吊り下げて移動させるもの。オフィスビルの窓掃除を行っている姿はテレビなどでご覧になった人も多いでしょう。修繕工事では大型ゴンドラを使用して階層ごとに工事を進めることができます。ただ、屋上に昇降設備を設置できることが条件となり、建物の形状によっては採用が難しい場合もあります。

●「リフトクライマー(移動昇降足場)」
建物にレールのような縦型の支柱を設置し、支柱を利用して移動式の足場を昇降させるものです。「ゴンドラ」と同様に、工事階層だけを覆いますので、それ以外のフロアでは通常の生活が維持できます。タワーマンションだけでなく、中高層マンションにも採用されるケースがあります。
こうした工法は単独ではなく、建物に合わせていくつかを組み合わせて工事を行うこともあります。

20171107

修繕工事は「オーダーメイド」になりそう

タワーマンションは2000年代初頭から増え始め、すでに55階建てタワーマンションでも大規模修繕工事が行われるなど、実際に大規模修繕を済ませたマンションも登場しています。大規模修繕の事例はこれから急増してくると考えられます。ただ、タワーマンションはその時代の最先端の建築技術や意匠を用いて建築されていることも多く、修繕計画は1棟1棟違う「オーダーメイド」ともいえるもの。しっかりとした修繕計画と、住民の合意形成が重要になりそうです。

       







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