地価上昇が全国へ波及、2018年公示地価発表!

2018年(平成30年)1月1日時点の公示地価が国土交通省から発表されました。全国の全用途平均地価が3年連続で上昇し、地方圏も26年ぶりに上昇に転じるなど、地価上昇が全国へと波及する動きをみせています。

三大都市圏の地価上昇が続き、地方圏も26年ぶりに上昇

国土交通省が発表する公示地価は、毎年1月1日時点の地価を調べたもので、いくつかある地価指標の中でも代表的な数値としても知られています。2018年(平成30年)の公示地価では、全国の全用途平均地価が3年連続の上昇を示し、下落が続いていた地方圏・全用途の地価も26年ぶりの上昇(0.041%)に転じました。全国平均でも住宅地の変動率が10年ぶりに上昇(0.3%)を示していします。国交省は「バブル期とは違い、実需に裏付けられた緩やかな上昇が続いている」とみています。

東京、名古屋、大阪の三大都市圏では商業地が3.9%(前年3.3%)、住宅地は0.7%(前年0.5%)上昇し、5年連続のプラスとなりました。地方圏では札幌、仙台、広島、福岡の主要4都市の商業地が7.9%(前年6.9%)、住宅地が3.3%(前年2.8%)と前年を上回る高い上昇率を示しています。

ポイントごとの上昇率をみると、商業地は北海道倶知安町、大阪市中央区道頓堀、京都市南区東九条上殿田町と続き、訪日観光客の急増が影響しているようです。住宅地も上昇率上位3位を独占したのは北海道倶知安町でした。

東京圏の住宅地トップは千代田区港区赤坂へ

東京圏全体でみると商業地は3.7%(前年3.1%)上昇し、5年連続の地価上昇が続いています。上昇地点も全体の84%に達し、東京都内は23区すべてが上昇を示しました。東京都中央区が8.4%(前年9.8%)、千代田区6.6%(前年7.1%)、港区6.7%(前年6.7%)など都心部での地価上昇率はやや落ち着く傾向にある一方、周辺部へ地価上昇の波が広がっていく傾向がみられています。

一方、住宅地は東京圏全体で1.0%上昇(前年0.7%)と、前年よりも昇率もアップしました。上昇率は東京都千代田区が3.3%(前年7.5%)、中央区2.2%(前年6.2%)と、上昇率が縮小する一方、品川区5.5%(前年3.5%)、文京区5.5%(前年4.1%)、港区5.3%(前年5.2%)と上昇幅が拡大するエリアもあります。こうした動きとリンクするように、全国での住宅地最高価格地点は前年までの千代田区番町エリアから、港区赤坂エリアへと移動する結果となりました。赤坂エリアは再開発によってタワーマンションが建ち並び、住宅地としても人気のエリアへと変化しています。

大阪の最高価格地点はキタからミナミへ移動

このほか大阪圏全体では商業地が4.7%(前年4.1%)の上昇を示すなど5年連続の地価上昇が続き、大阪市内と京都市内を中心とした上昇が目立っています。また、最高価格地点は5年連続トップだった梅田エリアから、難波・心斎橋エリアへと移動する結果となりました。訪日観光客の増加によるホテルや商業施設ニーズが、より一層強まっているようです。大阪圏の住宅地は0.1%(前年0.039%)と上昇傾向を示しています。大阪府が0.1%(前年0.0%)、京都府0.3%(前年0.0%)と上昇に転じていますが、他の4県では下落傾向が続いています。

名古屋圏全体では商業地が3.3%(前年2.5%)の上昇、住宅地は0.8%(前年0.6%)の上昇となり、前年よりも上昇率が拡大する結果となりました。地元企業業績が堅調なことに加え、リニア中央新幹線の開業期待が地価上昇の要因となっているようです。その他、地方圏全体では商業地は0.1%(前年▲0.1%)の上昇、住宅地は0.1%の下落(前年▲0.4%)となっています。

chika-koji

国土交通省「平成30年度地価公示」
http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/H30kouji_index.html

       







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