修繕積立金は大丈夫?〜マンション総合調査より〜

国土交通省が2019年4月26日に発表した「平成30年度マンション総合調査」。5年ぶりの調査ではマンション管理についての項目が新たに追加されています。マンション管理の実態について、気になる内容をご紹介しましょう。

マンションへの永住希望者が60%を超える

この調査はマンションの管理状況や居住者の管理に対する意識を把握し、必要になる施策を立案するために実施されたもので、同様の調査は5年ごとに実施されています。全国で4200の管理組合、8400人の区分所有者にアンケートを配布する大規模な調査です。様々なデータが公表されていますが、その中からいくつかピックアップしてみましょう。

スクリーンショット 2019-07-31 14.34.13まず注目したいのは「マンションへの永住意識」が高まっていること。平成30年度は62.8%の区分所有者が「永住するつもり」と答えています。昭和55年度(1980年度)では永住希望者は21.7%でしたが、バブル崩壊を経て「マンションが終の住処」という意識が徐々に増加、この5年で一挙に10ポイントも増加する結果となりました。

また、その背景には高齢化社会の進行があります。世帯主の年齢をみると60歳代以上の世帯が約半数を占める結果となっています。マンションからの住み替えを計画することが現実的ではなく、長く暮らした住まいに住み続けたい、という意識が高まることは自然の流れなのかもしれません。

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「修繕積立金が計画よりも不足」が34.8%

一方、マンションへの永住希望者が増えると、管理や修繕計画が一層重要になります。調査によると修繕積立金の平均額は12,268円(月額/戸当たり、駐車場使用料などからの充当も含む)、修繕積立金が計画よりも不足している管理組合が34.8%となっています。不足額の割合が20%を超える組合も15.5%あり、将来の維持管理に不安を残すケースも想定されます。

最近のマンションは当初の積立金額を低めに抑えて、段階的に増額していく計画を立てているケースが増えており、今回の調査でも「段階増額式」を採用している割合が43.4%を占めています。ただ、段階的に増額する計画を立てていても、変更するためには総会による決議が必要となるケースが多いため、反対者が多い場合は増額が実施できない可能性もあります。今後は積立金の確保がさらに重要になっていきそうです。

耐震性、老朽化対策の実施状況には課題もある

調査では「耐震診断」の実施状況や、老朽化問題への対策の実施状況についてもアンケートを行っています。耐震診断を実施した管理組合は34.0%にとどまっている、老朽化対策の議論を行っていない管理組合が54.3%と過半数を超える、など管理状況については必ずしも満足のいく状態でないケースがあることも浮き彫りになってきています。永住意識の増加に応えるためにも、この結果をいかした施策を実行していくことが望まれます。

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「マンション総合調査」の詳細はこちらです。http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000058.html