コロナショックは住宅ローン金利にも影響を与える?

新型コロナウイルスは社会生活や経済活動にも大きな影響を及ぼしています。株価の下落や景気の減退は、住宅ローン金利にどのような影響を与えるのでしょうか?

住宅ローン金利は上がる? 下がる?

2020年3月現在、連日報道されているように新型コロナウイルスの感染は収束する気配を見せていません。株式市場は大幅な下落や上昇を繰り返し、非常に荒っぽい値動きとなっています。アメリカでは大規模な金融緩和や緊急利下げが実施され、200兆円を超える経済対策も打ち出されています。日本でも50兆円規模の経済対策が打ち出されました。こうした大きな経済変動は、住宅ローン金利にも影響を与える可能性があります。

金利が変動すれば、これから住宅購入を検討する人への影響はもちろん、現在ローン返済中の人にとっても「借り換え」を考えるチャンスになるかもしれません。史上最低水準の金利状況が続いていた住宅ローン金利の今後の動き考えてみましょう。

金利変動の可能性があるのは「固定型」

住宅ローンの金利には大きく分けて「固定型」、「固定期間選択型」、「変動型」の3タイプがあります。直近で金利上昇の可能性があるのは「固定型」です。一方で「変動型」の金利はほとんど変化がみられません。理由は、それぞれの金利決定の仕組みに違いがあるからです。まず固定型です。

固定型 ⇒ 長期金利(債券マーケットで売買される国債金利)に連動

固定型の住宅ローン金利を左右する長期金利は、景気変動、株価動向、物価上昇、海外市場動向など様々な要因をもとに債券マーケットで決定されます。2020年3月半ばには、株式市場で株価の下落が発生するとともに、債券マーケットでは債券価格の下落=金利上昇が発生しました。多くの投資家が株や債券を売却して現金保有を高める動きをみせたからです。こうした状況から、全期間金利固定型住宅ローンの金利は4月には若干上昇をみせる可能性があります。

「変動型」は低金利状態が続きそう

一方、変動型の住宅ローン金利は、短期プライムレートと呼ばれる企業向け貸し出し金利と連動するものがほとんどです。

変動型 ⇒ 短期金利(日銀の政策金利がベースになった短期プライムレート)に連動

短期プライムレートは日銀の政策金利がベースになるため、2010年以降続いているゼロ金利政策のもと、史上最低水準の低金利状態が続いています。コロナショックによって経済環境が悪化するなか、政策金利が引き上げられることは考えられませんので、低金利状態は今後もしばらくは続くものと考えられます。つまり、変動型住宅ローンの金利は変化しない可能性が高いと言えます。

「固定期間選択型」は銀行によって違う動きに

中間的な商品である「固定期間選択型」は、金融機関によっても金利の違いがあります。銀行によってはキャンペーン的に金利を引き下げるケースもあるので、各金融機関の動きにも注意しておくとメリットの高い商品が見つかるかもしれません。

金利決定の仕組みを把握して、マーケットや日銀、金融機関の動きにも注意を払いながら、自分にとっての一番賢い選択を目指しましょう。その前に、まずは健康と予防に留意し、コロナショックを跳ね返しましょう!

       







PAGE
TOP