国勢調査発表、人口が増えている街とは?

令和2年国勢調査の速報値が総務省から発表されました。前回の平成27年の調査と比べ、日本の人口は約87万人、0.7%の減少となりました。一方、その中でも人口が増加している街があります。その特徴を整理してみましょう。

人口減少社会が現実に到来

日本の人口は、2020年(令和2年)10 月1日現在、1億2622万7000人で、2015年(平成 27 年)から86万8000人、率にして0.7%の減少となりました。国勢調査は、1920年(大正9年)に第1回調査が行われ、その後5年ごとに実施され、我が国の人口や世帯の実態を明らかにしてきました。調査開始以来、一貫して増加してきた人口は、前回の2015 年調査で初めて減少となり、今回、これに引き続き人口減少となりました。人口減少社会の到来が現実のものとなっています。

その中で、人口が増加しているのは東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県。そして愛知、滋賀、大阪、福岡、沖縄の全部で9都府県にとどまりました 。

人口が増えている自治体もある

多くの自治体が人口減少に悩む中で、人口を増やすことに成功している自治体もあります。

人口増減数の大きい市町村を順番に並べたものがこちら。首都圏では東京特別区部、川崎市、さいたま市、横浜市といった主要都市以外にも、8位流山市、10位船橋市、11位川口市、12位市川市、15位松戸市などがランクインしています。

特に流山市は5年前と比較して人口が14.7%増と全国1位の増加率になっています(原発事故の避難指示解除という特殊要因のあった福島市を除外)。近年流山市は「共働き世帯や、子育て世代に優しい街」という話題で注目を集めていました。「母になるなら、流山市。」のキャッチコピーをご存知の方もいるでしょう。流山市では、行政が駅で子どもを預かり保育施設まで送迎する「送迎保育システム」、育児援助を受けたい人と援助をしたい人をつなぐ「ファミリー・サポート・センター」、「医療費支援制度」などの子育て支援を手厚く継続的に実施することで、狙い通りに子育て世帯の人気を集め、人口増加に成功しています。

人口増加の鍵を握るのは子育て支援策

人口増加15位にランクインしている松戸市も子育て支援が手厚い街として知られています。松戸市では「やさシティ、まつど。」をスローガンに、子育てしやすい街づくりを市の最重要施策のひとつに掲げ、子育て支援を実施しています。保育所(園)や放課後児童クラブ、コロナ下での妊産婦への支援、ひとり親世帯への支援、ICT教育、リモートワーク支援など幅広い施策が注目を集めています。こうした街づくりのスタンスが、人口増加に繋がったと言えそうです。

人口減少に苦しむ自治体もあれば、逆に増加を示す街もある。その違いと、背景にある要因を知ることは街選びの大切な情報になるはずです。「住んでみたい」と思う都市の街づくりコンセプトや子育て支援施策についても、事前に調べてみることをおすすめします。

令和2年国勢調査 -人口・世帯数(速報値)を公表- より           https://www.stat.go.jp/info/today/pdf/174.pdf

       







PAGE
TOP