このほか、シンプルなバニラ味と、その季節ごとのシャーベットタイプのジェラートも店主が太鼓判を押す品々。フルーツは旬の時期だけ、熟度などもしっかり見極めたうえで加工しており、冷凍物は使わない。だからこの店のフルーツジェラートは香りが際立っていて、一度食べたら虜になってしまうものばかりだ。写真はイチゴのシャーベットと、バニラミルクのダブル。値段はシングル250円、ダブル300円と割とお手頃だが、思わず目を見開いてしまう美味しさである。

ケースが二つあるのもこだわりの一つ。「ジェラートは少しやわらかくなった、マイナス10度のものが一番美味しいから」と、その場でコーンやカップに盛り付けるためのマイナス10度のケースと、持ち帰り用のマイナス20度のケースを2つ備えている。これを自宅で美味しく味わうなら、「お風呂の前に冷凍庫から冷蔵庫に移して、出てきた頃に食べるとちょうど食べごろ」なのだそうだ。

また、ケーキについては、小ぶりながらしっかりと甘さがある密度の高いものが揃っており、300円前後が中心価格帯。ケーキの値段は昔から変えていないそうで、「昔は“小さくて高い”とさんざん言われたけれど、今は逆に安いねって言われますよ」と、上田さんは笑う。昔と変わらぬ丁寧な手作りを続けている、愛情のあふれるケーキには古くからの常連さんも多く、手土産や贈答用の引き合いが多いそうだ。

桜並木に見守られながら、地元の人々と一緒に歩み続けてきた「ドーカン」。この店を一言で表せば「真面目」な店である。どこまでも手づくりで、何もごまかさず、「お客さんの笑顔」だけを見据えて作られている。それはもちろん、上田さんの人柄があってのもの。これからもずっと長く続いてほしい、愛情あふれる“街のケーキ屋さん”である。

ドーカン
所在地：東京都中野区東中野3-2-2 
電話番号：03-5386-3666
営業時間：9:30～20:30
定休日：火曜日