1998（平成10）年に独立してから、魅惑の商品を提供しつづけきた「パティスリー タダシ ヤナギ 八雲店」。神奈川・海老名を拠点としてきたが、2005（平成17）年9月に八雲店をオープン。都内での出店を心待ちにしていた者にとって、待望のオープンと言えるだろう。東急東横線「都立大学」駅から徒歩7分。「自由が丘」駅からも徒歩圏内にある。

オーナーシェフの柳氏は、「三笠会館」、「ピュイダムール」を経てフレンチレストラン「クレッセント」でシェフパティシエを務める。その後、パリの「メゾン デュ ショコラ」、ロワンヌにある三ツ星レストラン「トロワグロ」などで腕を磨いた。

「タダシ・ヤナギ」のコンセプトは、日本人の繊細な味覚に受け入れられる商品をつくること。それはつまり、素材を活かし、口にした後の心地よさがある商品とも言えるだろう。フランスで学んだこと、ヨーロッパが育んだ伝統と文化を尊重しつつ、和風にアレンジしているのだ。

これまでに何度もメディアに取り上げられた「ジュピター」はその好例だ。グランクリュショコラを使用したチョコレートクリームの風雅な甘みに透けて、アールグレイの香りが楽しめる。重厚感のある見た目とは違い、実に軽やかな味わいだ。

それは焼菓子についても同じことが言える。たとえば花豆の入ったパウンドケーキ「ル・キイチ」はその象徴だ。花豆は、柳氏の出身地である群馬・尾瀬片品産のものを使用。抹茶生地と絶妙な固さの花豆は、素材と素材の幸運な出会いと言えるだろう。

「ジュピター」を始めとする定番商品だけでなく、季節限定の商品も多いのでぜひ定期的に訪ねたい。ハレの日だけでなく、日常の様々なシーンで思い浮かべるパティスリーである。

パティスリー タダシ ヤナギ 八雲店
所在地：東京都目黒区八雲2-8-11 
電話番号：03-5731-9477
営業時間：10:00～19:00
定休日：水曜日
http://www.grand-patissier.info/TadashiY..