「田原町」駅から徒歩約5分程、国際通り沿いにある小さなフランス料理店。オープンしたのは2010（平成22）年12月。以降、地元客を中心に幅広い年代の方が訪れる店として親しまれている。

店内には、4人がけのテーブルが2卓、2人がけが3卓の合計14席が配備されており、白壁と落ち着いたダークブラウン調の木製の家具、そしてフローリングでシンプルにまとめられている。フランス料理店とはいえ、敷居が高くて近寄りがたい雰囲気などはまったくなく、むしろふと立ち寄りたくなるカジュアル感のある店だ。ただし、店はカジュアルさを売りにして作られたわけではない。一般的な高級フレンチの店が内装やサービスにかけるこだわりやコストを、「美味しいワインと料理を客に楽しんでもらうこと」にすべて充てている。今展開されているのは、それを最高のもてなしとして何よりも優先させた結果、生まれた店の姿なのだ。

そうしたこだわりの下に提供される料理の数々は、どれもシェフの腕が光る本格派。フランス人シェフから料理を教わり、その後数店でシェフとして修行を積んだシェフが作る料理は、味もスタイルも本場さながらなのだろう。その証拠に、客には仕事で来日しているホテル客や、近くに住む外国人も多いという。

メニューは基本的に2人前で提供されており、事前に伝えれば1人分にもしてもらえるが、それでもボリュームには定評がある。また、メニューはほぼ毎日変わるため、来るたびに新しい美味しさに出会える楽しさを与えてくれるのも店の魅力のひとつ。

「店は “町医者”のような存在」と語るシェフ。人によって症状も異なれば、当然施す治療法も各症状に合わせて変わる。それは料理も同じで、人によって食べたいものは違うため、オーダーした人に合わせて調理する。だから店では同じメニューのオーダーがあっても同時には作らない、そんなこだわりも持っている。

店名「カナイユ（Canaille）」とは、「ならず者」の意味。また、料理の世界では「たっぷりした、ガッツリ料理」という意味合いとしても使われる言葉だそう。

カナイユ
所在地：東京都台東区寿3-19-2 
電話番号：03-5830-3886
定休日：不定休
https://www.instagram.com/canaille10/