七つ海堂
「下北沢」駅周辺の賑わいが少し薄まりつつある界隈、茶沢通り沿いで「七つ海堂(ななつみどう)」が暖簾を掲げたのは2003(平成15)年3月のこと。屋号の“七つ海”についてその由来を尋ねると、宮沢賢治が思索を巡らせた“七つ森”に、好きな海を重ねたとのことである。
凛とした佇まいから、少し構えてしまう者もいるかもしれない。しかし一歩店内に入ってみると、“蕎麦食堂”という表現が相応しい家庭的な雰囲気がただよっていることが分かるだろう。“普段着“の似合うこの蕎麦処は、小さな子どもがいてもゆっくりと時間を過ごすことができる。
蕎麦の外殻を取り除いた状態で仕入れ、その日に使用する分だけを石臼で挽いている同店。季節によって仕入れ先は変わるが、基本的には北海道産を使用している。
人気があるのは「ざるそば」「鴨ざる」で、寒い季節には温かい蕎麦もよく頼まれるという。蕎麦以外にも「焼き味噌」「ゴーヤのおかか酢あえ」「牛すじ煮込み」「身欠きにしん醤油漬け」など、酒のあてに合うものも多い。
自然体のご主人の人柄が作り出す、柔らかな店内の雰囲気はほっとする空間。飲んでも飲まなくても、普段使いに訪ねたい蕎麦処である。
七つ海堂
所在地:東京都世田谷区代沢4-42-8
電話番号:03-3795-7726
営業時間:月~金曜日 12:00~14:00、17:30~21:00/土・日曜日と祝日 12:00~14:30、17:00~20:00
定休日:水曜日、第1・第3・第5木曜日 ※いずれも祝日の場合は翌日休業
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