nemo Bakery & Café(ネモ・ベーカリー&カフェ)
武蔵小山駅を出てまっすぐ西へ。南北を貫く都道420号線を渡ると、駅前の賑わいとは一線を画した落ち着いたエリアに変わる。そんな場所で、ひときわ洒落たたたずまいを見せているのが、「nemo Bakery & Café」だ。ウィンドウ越しにはパンの棚しか見えないが、ドアを押して中に入ると、店の奥にある、いい雰囲気の喫茶席に気づく。この店のテーマは、パンを主役に据えながらも、しっとりとした時間を楽しめる「大人のためのパン屋」だ。
店を訪れる人は、半分以上がテイクアウト目当て。小さな子どもを連れて来る人、女性に男性、幅広い性別、年齢層の人が訪れるのは、武蔵小山という土地の懐の広さゆえだろうか。その中に時折、買ったパンを奥の席で食べるという人が交じってくる。慣れた常連客は、パンには脇目もくれず奥の席に進み、慣れた口調でサンドイッチをオーダーする。
ほどよい歯ざわりのバンズに、スパイスの効いたソーセージが挟まれた「ジャイアントBOOサンド」は、店の1番人気のメニューだ。「これ実は、ご家庭でも比較的簡単に作れるサンドイッチなんですよ。うちのパンを買っていただいた方に『こんな食べ方があるんだ』と思っていただければ」と店長は話す。
そのほか、パニーニにモッツァレラチーズと生ハムを挟んだ「パニーニ・パルマサンド」も人気が高い一品だ。その他では意外にも、カレーパン、メロンパン、チョココルネなど「お子様系」の品々が人気だという。コロネは「大人のチョココロネ」と命名してあった。これらにも、大人がしっかり納得できるこだわりが詰まっているのだろう。
「大人」な理由は雰囲気、お酒、品揃えのほか、「営業時間」にもある。朝は少し寝坊して来るのがちょうどいい午前9時開店。そして夜はお酒を飲める夜10時閉店。夜遅い時間帯までしっかりパンを揃えている点は、仕事を抱えている世代からも支持される理由のひとつだ。
脇役に回っているが、実は、コーヒーもかなりの実力派だ。ほどよい酸味と深いアロマはコーヒー好きを納得させる味わい。聞けば都内にある一流ホテルと同じブレンドを、特別に納品してもらっているとのこと。
「なつかしさ」と「オシャレさ」の両者を、ちょうど良いバランスで組み立てた「ネモ・ベーカリー&カフェ」。この店の姿は、ちょうどこの武蔵小山という、「ハイセンスだけどちょっとレトロ」な街のイメージにも一致する。この街を愛してやまない人は、きっとこの店のことも気に入るのだろう。
nemo Bakery & Café(ネモ・ベーカリー&カフェ)
所在地:東京都品川区小山4-3-12 TK武蔵小山ビル1F
電話番号:03-3786-2617
営業時間:9:00~19:00
定休日:水曜日
http://www.nemo-bakery.jp/